【　】マグロのちシーラ（下）

太陽もてっぺんを越え、港に戻る。

始めてのマグロ船、釣り自体は餌付けて流すだけでジミだが、

ナブラ争奪レース、尋常じゃないタックル、フッキングから上げるまでの話、

どれも興奮できるすごい体験だった。

太陽もよく照って晴れ渡った海をただただ走って帰る。

進むうちに潮目にでかーーい笹、竹&ゴミたちを発見！

船の速度が遅くなる！！　来たか！！！　ヤルか！！！

即効ホッパーを付け、キャスト！！！！！！

ボコボコボコブジューーー　ボコボコボコブジューーー　

アレ？

ジャークマジックに付け替え　ギョインギョインギョイン…

アレ？

朝のように反応がない。

横でエサで始めた2人はイレグイ。

でも私のルアーには無反応。

釣れん。。

あれま。　高鳴るテンションが一気に落ちた。

横でイレグイ。

オレダケツレン。。

落ちつてちょっと考える。

朝は光無かったからドハデルアー&アクションに反応したけれど、

今は真っ昼間だからハデ過ぎるのかな？？？

ケースの中にもういっこだけ、大きなルアーが有った。

緑銀のタイドミノー140　地味なルアーを付けてみた。

フックは♯1だが今見ると細くて心細い。

右舷正面に漂流物があるが、様子見で船尾の方に投げてみる。

強い日差しとすんだ水で5Mぐらいに近づいて来た時にアルーの動きが

真っ正面から良く見えた。

ローリングアクションで、軽く頭を左右にふりながら泳ぐ。

波が有っても、スクリューの水流があってもその動きは一定で

とても安定した泳ぎのルアーだな～なんて考えていた。

これが魚だったら、このへんの海で一番泳ぎのヘタなイワシ、

でも、とてもがんばってる感じが愛嬌があった。

よーくアルーの動きを見ていた。

その横に30Cmぐらいのシーラの顔、ものすごい口を開いていた。

ズガァーーーーーーーーーーーー！！

ルアーが真横に傾いた。次の瞬間、ドラグがうなる。

一生懸命泳いでいたイワシちゃんが、スノーボードぐらいの黄色いブッタイに早変わり。

ガンガン引っ張られ、船尾へご案内され。そのまま引っ張られ。

右舷がわを移動し、船主で魚が真下に潜った。

後はただの力仕事。下にある物を上へひっぱった。

興奮するちゅーか。面白いちゅーか。　大変。

腰いたいし。向こうがダウンするのをひたすら待つ。

何もしないで下のシーラを想像しながら待つ。

村岡氏のWebで
メーターオーバーのシーラは上げてしまうと
死んでしまい、海に沈む黄金の魚を見たくない。

と有った。まさに今、Mオーバーの魚を殺そうとしている。

どうすんだろ、これ上げて。　写真取るの？

確かに大物釣ると自慢になるが、今、下で腹だして回ってるしーら釣るのに、

自分は対して努力もしてなきゃ、頭も使ってない。。。

シーラ居る所に船で行って、ルアーなげりゃドンドン食ってくる。

船長がギャフを打ってくれ上がって来た物体に、15分前の漲る生命感は無い。

嬉しいちゅーか。　なんてゆーか。　