真剣勝負

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生命感にあふれたフィールドに一瞬の静寂

その瞬間、竿を引ったくるような金属的なアタリ

一気に糸がフケる

時が止まる

こんなバイトは奴しかない

魚がルアーを咥えて反転するまでの刹那の時間

こちらもグリップを握り締め、グリップエンドを脇に固定する

糸フケを巻き取るとロッドに重みが

その瞬間、こちらがアワセを入れると同時に奴のファーストラン

静寂の中に鳴り響くドラグ音

止まらない

止まる気配もない

数秒の間におよそ70メートル程ラインが出される

なんとか止まった

ファーストランを耐えれば勝算はある

走りたがる相手を柔のごとくいなすが、進行方向は変えられない

完全に主導権を握られる

進行方向には杭が密集

無理矢理止めてみるが戦車のように突き進む

だが、こちらも諦めない

テクニックと言えばおこがましいが、今までの経験から学んだ方法を用いてもどうにもならない

知恵も力も完全に負けた

負けず嫌い同士の真剣勝負

今回は相手に軍配が上がった

相手に

「まだまだ、その域には至っとらん」

と言われたように感じた瞬間

静かなラインブレイク

心に穴が開く瞬間でもある

フツフツと悔しさの念が込み上げる

捕れる確率の少ないポイントで釣りをした事

何より、PE0,4号に6ポンドリーダー、メバルロッドというライトタックルで挑んだ事で、長いラインが魚に残ってないかが気がかりだった

切れたラインを巻き取ると

幸いラインブレイクはフックのすぐ近くだったので、魚には最小限のダメージで終わったと思われる

それだけでも良かった

だが悔しい

必ずもう一度勝負してもらおう

ありがとう

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