ガイドさんは早速、仕掛け作りを開始。
風が強く、日本から持参したPE4号でラインが流され仕掛けが馴染まないため難しいと言われ使用を断念。
郷に入っては郷に従うことにし、貸しタックルで臨むことに。

餌をつける前の仕掛けをガイドがキャストし、回収している途中で竿がぐにゃりと曲がりドラグが鳴り、ラインが飛び出していく。
餌は？！まだ心の準備が！！！

ヌルヌルの体液が付いてもいいように、釣り用の着替えを持ってきたのに着替える間も無く竿を持ってファイト開始。

ガイドが「オオキイ！オオキイ！」と叫ぶ。
ポンピングで寄せるが寄せた倍のラインを出される。存分に引きを楽しみドラグを締めこみ強引に寄せる。

極太のジギングロッドがバットから曲がり、軋む音が聞こえ、スプールをハンドドラグでロックしてもチリチリとラインが出されていく。
スプールの熱は蓄積されドラグノブから焼けたゴムの様な匂いがし始めた。
まだ見えないがラインの先の魚は確実にデカイ！
ガイドも興奮している。
ラインのウキ止めのゴムが見え少し安心した瞬間、ライン〜テンションが抜けた…。
あっ、ばれた。
ラインを回収するとラインが足元へゆっくりと入り込んでいく。
『メコンオオナマズは明るい水面に近づくと、暗い桟橋の下へ入り込む』
どこかで聞いた言葉を思い出し、ラインを巻けるだけ巻くとずっしりとした重みが手元に伝わってきた。
桟橋に擦れてラインブレイクは避けたい。
ハンドドラグでスプールをフルロックにし引きずり出す。
目測1メートル。魚体が水面を割った。
おかしい。
魚の向きがおかしい。
尾鰭がこっちを向いてる。
スレか。なるほど引くわけだ。
横にいたガイドの手にはいつの間にかネットが握られ、「チイサイ！チイサイ！」と連呼。いや、あんたがデカイって言うから！※心の声。

魚の大きさを目視できたため強引に寄せ、無事ネットイン。

約5分のファイト。
陸に上がった魚はまさしくメコンオオナマズ！！！
つぶらな瞳、滑らかな肌、ヌルヌルの体液、控えめな髭、一文字の口、何度も針を抜き差しされた歴戦の傷、うちわの様な尾鰭、イルカの様な体高、アイスピックの様な胸鰭の棘。憧れていた魚が目の前に！！！

確実に釣果思い出ランキングBest３に入る感動！！！

写真をさっさと撮り、弱らないうちにリリース。ありがとう！ありがとう！※心の声。
実際は「サワディーカー！（こんにちは）」と間違えたタイ語で魚とガイドに手を合わせた。
※言いたかったのは「コップンカー（ありがとう）」。