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間違いだらけの釣り英語 Part 3.2 ロッドワーク(スイープにアワセる??)

ルアーフィッシングを始めてから最も気持ち悪かった用語の一つが、「スイープにアワセる」です。正直なところ、なんじゃそりゃ?という印象でした。


バチ抜けのシーズンになると、必ずと言っていいほど「スイープにアワセる」という言葉を聞きます。バチ抜けパターンの時のアワセ方は、バイト後に鋭く即アワセするのではなくて、少しラインを送り込むようなアワセ方をしますよね。あるいは、ナイロンラインを使う人もいれば、食い込みの良い穂先の柔らかいロッドを使う人もいます。


そこで本稿では、スイープというロッドアクションとその目的を調べてみました。


まずは、スイープ(sweep)の辞書的な意味を検討します。


スイープは、「箒で掃く」(動詞)又は「箒で掃くこと」(名詞)ことを指します。


これを釣りに当てはめると、ロッドを寝かせて扇状にロッドを動かしてアワセる「横の動き」になるのだろうと思います。


あれこれ調べを進めていくうちに、ようやく見つけたのが次の英文です。


The motion of the lure is made・・・by sweeping the fishing rod, jigging movements with the fishing rod.


〈ルアーの動きは、・・・ロッドを箒で掃くように動かし、ロッドをジギングのように動かすことによって生じる〉


なるほど、ロッドをスイープに動かす(sweep the fishing rod)というロッドアクションについては、なんとなくイメージが湧きました。


いまのところ、スイープとは「箒で掃くように動かす」というロッドアクション(横の動き)であると言えそうです。なぜなら、ジギングアクション(縦の動き)と区別して書かれているからです。


次に映像を調べていくと、2つの動画に辿り着きました(というより、2つしか見当たりませんでした)。


1つは、sweeping methodと呼ばれている、水面でルアーを動かして魚のバイトを誘う「八の字メソッド」のような動きです。まずは、動画を見てみてください。



なるほど、上述の「箒で掃くように動かす」というロッドアクションがよく分かります。


しかし、スイープというロッドアクションの目的はまだ明らかになっていません。そこで、さらに調べを進めていくと、ようやく見つけました。


ゲーリーヤマモト氏の「sweep set method」の解説動画です。まずは動画を見てみてください。



まさに「スイープにアワセる」一連の動作とその目的が説明されていました。彼の説明と動画から分かったことは次のとおりです。


〈バイトを感じた後、しっかりと強いフッキングを得ることを目的として、①糸ふけ(※)を回収し、②魚がルアーを咥えるためのわずかな「間」を与え(ラインを送り込み)、③魚の引きを感じながら柔らかくアワセを入れる(手首でシャープにアワセない。巻きアワセのようなイメージ)。〉


これが一連のロッドアクションであり、その目的です。なるほど、これならバチ抜けパターンの時に「スイープにアワセる」という用語が多用される理由が理解できます。


なお、この動画で解説されていることが通説であるとすれば、箒で床を掃くような「横の動作」に限らず、ジギングのような「縦の動き」でも、上記①〜③の要領でロッドを操作するならば、「スイープにアワセる」と言っても間違いなさそうです。


これまでの検討の結果、日本のルアーフィシングにおいて、「スイープにアワセる」という用語が、「箒で床を掃くようにアワセる」という意味だけで用いられているのであれば、間違いだろうと思われます。なぜならば、スイープとは、あくまで上記の①〜③のアクションの一連の動作であり、ジギングのような縦の動きもスイープに含まれるからです。


なんとなく「スイープにアワセる」という用語を使いたい気持ちは分からなくはないものの、正直、そこまでして英語を取り入れる必要があるの??という気がしてなりません。それでもなお、敢えて英語で言うのであれば、「トゥイッチ・ジャークする(を入れる)」に倣って、「スイープする(を入れる)」と表現する方が妥当だと思います。


以上、参考になれば幸いです。


(※)本シリーズのPART 1で「糸ふけ=line slack」と説明しましたが、ゲーリー・ヤマモト氏の動画では、単にslackと呼んでいました。具体的には〈pick up the slack〉です。リールに巻き取るのはラインなので、わざわざ言わなくてもいいのかもしれません。

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