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▼ 独戦ゲームハイライト 一回戦第1試合
- ジャンル:日記/一般
- (独戦)
2017年6月14日、シーバスのルアーゲームシーンにおいて、初となる、1対1、前後半釣り場交代制の競技会スタイルを採用した大会、独戦 One on One シーバスアルティメットアングラー トーナメントの記念すべき一回戦の第1試合が開催された。
第2試合は23日12時から 久保田剛之 vs 吉田隆
http://live.nicovideo.jp/watch/lv300561310
プレビュー
この日の対戦カードは共に干潟でのウェーディングゲームを中心としている、工藤靖隆氏と山田大輔氏(以下敬称略 工藤 山田)。
ゲームの舞台となるのは、大河川の河口域が緩やかに曲がる内側、5,60cm大のゴロタ石で護岸された傾斜が水中に伸び、沖にはいくつかの牡蠣瀬などが点在するエリアを上下に50mづつ使用。
ゲームの開始は20時、満潮は20時半、潮止まり前後から下げの流れが効きだす展開となる。
両者、共に1時間の事前公式プラクティスは無しで、初となる釣り場でゲームに挑んだ。
当日の概況について、今年の東京湾奥状況も踏まえ大会アドバイザーの村岡氏は
「今年の東京湾奥は全体的に(釣果が)悪い。 最近、この河口域でやっているウェーディングアングラーはそれなりに釣っているが、今日は恐らく一本勝負になるだろう。 後半の下げで真水が一気に入ってくるタイミングで一気に釣れるか、釣れなくなるか、その時に流れる水の質次第」
とゲーム前に語った。
また、スコアレスドロー(両者キャッチ無し)を想定したユニークなルールとして、ラインブレイクによる減点制度(ブレイクによるルアー損失が多いほうが負け)、更に同数の場合、持ち込みルアー数による勝敗制度(持ち込みルアー数が少ない方が勝ち)が採用されている。
近距離で好反応な前半
生中継を通じ、多くのシーバスゲームファンが見守る中で迎えたゲームスタート。 両者、先ずは近距離でのゲームを開始していく、山田はベイトタックルを使用。
果たして釣れるのか、そんな不安を早速に払拭したのは工藤。
計測 160g (キーパーは100g)
ヒットルアー タピオスシンキング
「小さいけど大事、一本は大事」そんなつぶやきを繰り返す姿に、ゲームならではのプレッシャーと、それを知るが故の自己暗示のように見える。
工藤はその後、サイズは問わず本数を狙ったゲームを中心にゲームを組み立て始めた。 競技では早くなりがちなリトリーブを抑制する為にリールを巻かずに、キス釣りの様にロッドでさびいてくる動かし方を行うなど、熟練の技を見せ多数のアタリを得るも本数を伸ばすことは出来なかった。
また、独戦では、ウェイトは伝えないが、対戦相手が1本キャッチしたことは伝えられる。 例え一発逆転が可能なウェイトであろうと、2本、3本と本数の差が開いていくのは相手にプレッシャーを与えられる事になる。
大会や競技会、ましてや1対1の戦いでは心理的に優位であるメリットは計り知れない。
一方、山田は探索に前半の時間全てを費やすことになった。 ベイトタックルで近距離を中心にゲームをスタートしボトムを早く攻めるリアクション狙いから、緩やかに見せるやり方、スピニングに持ち替え流芯を狙う等、手をつくした。
ベイトが解らない、地形が解らない、それを知るために若干スピーディーな展開で時間を使ったがワンヒットするもノーキャッチで90分を過ごした。
起死回生 渾身のランカーキャッチ
後半は前半の流れがより明確化したゲームとなった。 立ち位置やトレースコース、食わせる技を用い、確実に見えてる魚を追う工藤と、全体的な模索を続け、エリアの可能性を追求する山田。
刻々と時間が過ぎていく中で、風向きと流れは大きく変動していく。 寒気を覚える強い北風と、いよいよ大きく太く動き出した下げの流れが同調、この日の勝敗を分けた要素はココにあったのかもしれない。
また、潮位が下がった事で、水面に現れる流れの変化を見て、そこにストラクチャーとして何かがあるのは分かる程度に、地形が目で認識できる様になった。 これは初場所の両アングラーにとって重要な情報と言える。
近距離に的を絞った工藤、可能性を模索した山田、この日の運命は後者に味方をした。
下げの流れが強く効きだすと共に前半は好反応だった近距離が沈黙、勝負の後半に本数を重ねられなかった工藤。 物量では小さいけど精神的には大きなビハインドの山田はラインブレイクによる-3ptというダメージを負いながらも、流芯の瀬を見つけ、そこに狙いの的を絞る。
釣りには、今やっている事がハマっている、という感覚をアングラーなら共通の感覚で持っていないだろうか。
時間がなくなる中で、流れや地形から判断し、比較的1投に時間がかかってしまうが、自分の得意なミノーを使ったレンジを入れたドリフトゲームをやり抜く決意の裏には、そんな手応えがあったのかもしれない。
いま当たった気がする、そう言ってラインがリアフックに絡んだルアーを回収した山田。 この日、生中継を見ていた多くの視聴者はそれが前兆であったことには、気がついていなかった。
ブローウィン140Sを立ち位置からやや上流向きにフルキャストし、上のレンジで反応が無いことから、5~7のカウントダウンをして、水深を入れて流していく。
その瞬間、山田から声は上がらなかった。 鋭く真上に向けられたロッドは明らかに通常ではない曲がりを見せた。
山田ほどの釣り人であれば、このサイズを釣り慣れていない訳ではない。 だが、本人すら、まさかこのタイミングでという思いが、シーバスではないのか、という疑念すら生む。
「シーバスだ」
普段は使わないが、この日の為に用意したタモを放り出して、魚に向かって走った。 キャッチしたぞ、そう吠える様にカメラへ視線を送る姿は、普段の彼を知る者にとっては意外に見えるかもしれない。
手が震える、指でフックを外そうとしている姿に心配したスタッフが落ち着きましょうと声をかける。
「流石に、これは、落ち着いていられないだろー」
笑みと共に、ノックアウト勝利を決めたボクサーのように、トップコーナーへ駆け上がりたい、そんな爆発させたい喜び、感情が垣間見えた。
計測 4020g(グリップ160g含む)
独戦記録 3860g
ヒットルアー ブローウィン140S
冷静を装った見た目よりも遥かに追い込まれ「途中泣きそうになった」苦しい展開でも我慢し、集中を保ち、踏みとどまった山田。
独戦の歴史に残る第1試合は、ゲーム終了10分前の大逆転劇、160g - 3860g という大差で山田が勝利し、二回戦(準決勝)へとコマを進めた。
数字上は大差となった工藤だが、前半に2本、3本と数を重ねてプレッシャーをかける事が出来なかったのが、数釣りに的を絞った中では響いた。
当日の生中継 本日19時半まで公開中
http://live.nicovideo.jp/watch/lv299648752
第2試合は23日12時から 久保田剛之 vs 吉田隆
http://live.nicovideo.jp/watch/lv300561310
【両者の視点】
工藤靖隆 独戦を終えて
http://www.fimosw.com/u/yasutakak2/pgfhpcvngbyomz
山田大輔
http://www.fimosw.com/u/dSUKE/orjesam8xd6rkp
観戦記者 コウノス
第2試合は23日12時から 久保田剛之 vs 吉田隆
http://live.nicovideo.jp/watch/lv300561310
プレビュー
この日の対戦カードは共に干潟でのウェーディングゲームを中心としている、工藤靖隆氏と山田大輔氏(以下敬称略 工藤 山田)。
ゲームの舞台となるのは、大河川の河口域が緩やかに曲がる内側、5,60cm大のゴロタ石で護岸された傾斜が水中に伸び、沖にはいくつかの牡蠣瀬などが点在するエリアを上下に50mづつ使用。
ゲームの開始は20時、満潮は20時半、潮止まり前後から下げの流れが効きだす展開となる。
両者、共に1時間の事前公式プラクティスは無しで、初となる釣り場でゲームに挑んだ。
当日の概況について、今年の東京湾奥状況も踏まえ大会アドバイザーの村岡氏は
「今年の東京湾奥は全体的に(釣果が)悪い。 最近、この河口域でやっているウェーディングアングラーはそれなりに釣っているが、今日は恐らく一本勝負になるだろう。 後半の下げで真水が一気に入ってくるタイミングで一気に釣れるか、釣れなくなるか、その時に流れる水の質次第」
とゲーム前に語った。
また、スコアレスドロー(両者キャッチ無し)を想定したユニークなルールとして、ラインブレイクによる減点制度(ブレイクによるルアー損失が多いほうが負け)、更に同数の場合、持ち込みルアー数による勝敗制度(持ち込みルアー数が少ない方が勝ち)が採用されている。
近距離で好反応な前半
生中継を通じ、多くのシーバスゲームファンが見守る中で迎えたゲームスタート。 両者、先ずは近距離でのゲームを開始していく、山田はベイトタックルを使用。
果たして釣れるのか、そんな不安を早速に払拭したのは工藤。
計測 160g (キーパーは100g)
ヒットルアー タピオスシンキング
「小さいけど大事、一本は大事」そんなつぶやきを繰り返す姿に、ゲームならではのプレッシャーと、それを知るが故の自己暗示のように見える。
工藤はその後、サイズは問わず本数を狙ったゲームを中心にゲームを組み立て始めた。 競技では早くなりがちなリトリーブを抑制する為にリールを巻かずに、キス釣りの様にロッドでさびいてくる動かし方を行うなど、熟練の技を見せ多数のアタリを得るも本数を伸ばすことは出来なかった。
また、独戦では、ウェイトは伝えないが、対戦相手が1本キャッチしたことは伝えられる。 例え一発逆転が可能なウェイトであろうと、2本、3本と本数の差が開いていくのは相手にプレッシャーを与えられる事になる。
大会や競技会、ましてや1対1の戦いでは心理的に優位であるメリットは計り知れない。
一方、山田は探索に前半の時間全てを費やすことになった。 ベイトタックルで近距離を中心にゲームをスタートしボトムを早く攻めるリアクション狙いから、緩やかに見せるやり方、スピニングに持ち替え流芯を狙う等、手をつくした。
ベイトが解らない、地形が解らない、それを知るために若干スピーディーな展開で時間を使ったがワンヒットするもノーキャッチで90分を過ごした。
起死回生 渾身のランカーキャッチ
後半は前半の流れがより明確化したゲームとなった。 立ち位置やトレースコース、食わせる技を用い、確実に見えてる魚を追う工藤と、全体的な模索を続け、エリアの可能性を追求する山田。
刻々と時間が過ぎていく中で、風向きと流れは大きく変動していく。 寒気を覚える強い北風と、いよいよ大きく太く動き出した下げの流れが同調、この日の勝敗を分けた要素はココにあったのかもしれない。
また、潮位が下がった事で、水面に現れる流れの変化を見て、そこにストラクチャーとして何かがあるのは分かる程度に、地形が目で認識できる様になった。 これは初場所の両アングラーにとって重要な情報と言える。
近距離に的を絞った工藤、可能性を模索した山田、この日の運命は後者に味方をした。
下げの流れが強く効きだすと共に前半は好反応だった近距離が沈黙、勝負の後半に本数を重ねられなかった工藤。 物量では小さいけど精神的には大きなビハインドの山田はラインブレイクによる-3ptというダメージを負いながらも、流芯の瀬を見つけ、そこに狙いの的を絞る。
釣りには、今やっている事がハマっている、という感覚をアングラーなら共通の感覚で持っていないだろうか。
時間がなくなる中で、流れや地形から判断し、比較的1投に時間がかかってしまうが、自分の得意なミノーを使ったレンジを入れたドリフトゲームをやり抜く決意の裏には、そんな手応えがあったのかもしれない。
いま当たった気がする、そう言ってラインがリアフックに絡んだルアーを回収した山田。 この日、生中継を見ていた多くの視聴者はそれが前兆であったことには、気がついていなかった。
ブローウィン140Sを立ち位置からやや上流向きにフルキャストし、上のレンジで反応が無いことから、5~7のカウントダウンをして、水深を入れて流していく。
その瞬間、山田から声は上がらなかった。 鋭く真上に向けられたロッドは明らかに通常ではない曲がりを見せた。
山田ほどの釣り人であれば、このサイズを釣り慣れていない訳ではない。 だが、本人すら、まさかこのタイミングでという思いが、シーバスではないのか、という疑念すら生む。
「シーバスだ」
普段は使わないが、この日の為に用意したタモを放り出して、魚に向かって走った。 キャッチしたぞ、そう吠える様にカメラへ視線を送る姿は、普段の彼を知る者にとっては意外に見えるかもしれない。
手が震える、指でフックを外そうとしている姿に心配したスタッフが落ち着きましょうと声をかける。
「流石に、これは、落ち着いていられないだろー」
笑みと共に、ノックアウト勝利を決めたボクサーのように、トップコーナーへ駆け上がりたい、そんな爆発させたい喜び、感情が垣間見えた。
計測 4020g(グリップ160g含む)
独戦記録 3860g
ヒットルアー ブローウィン140S
冷静を装った見た目よりも遥かに追い込まれ「途中泣きそうになった」苦しい展開でも我慢し、集中を保ち、踏みとどまった山田。
独戦の歴史に残る第1試合は、ゲーム終了10分前の大逆転劇、160g - 3860g という大差で山田が勝利し、二回戦(準決勝)へとコマを進めた。
数字上は大差となった工藤だが、前半に2本、3本と数を重ねてプレッシャーをかける事が出来なかったのが、数釣りに的を絞った中では響いた。
当日の生中継 本日19時半まで公開中
http://live.nicovideo.jp/watch/lv299648752
第2試合は23日12時から 久保田剛之 vs 吉田隆
http://live.nicovideo.jp/watch/lv300561310
【両者の視点】
工藤靖隆 独戦を終えて
http://www.fimosw.com/u/yasutakak2/pgfhpcvngbyomz
山田大輔
http://www.fimosw.com/u/dSUKE/orjesam8xd6rkp
観戦記者 コウノス
- 2017年6月21日
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