憧憬の魚を、この手に。

いよいよです。

本日は かねてより計画していた渓流でのトラウト釣行日。

お盆休みの後半に吹き返しと酷暑を残して去った台風10号から2日後。
釣行には支障ないだろうとの判断から熊除けの鈴をカランと鳴らし荷物を詰め込んだバイクで友人の待つ場所へ向かった。

助手席に乗せて貰い、目的地に到着。
釣り券を購入し準備を済ませ、満を持して いざ入渓。

もののけ姫の世界観が眼前に広がる。
苔の生茂る倒木の隙間から今にも木霊が現れそうだ。




あゔゔ。
戸惑う初めてのウェットゲーター。
水たまりをあえて長靴でジャブジャブ突き進み、長靴を水没させた幼少期の記憶がよみがえった。

標高1400mは伊達ではなく、涼し・・すぎるけど、ずーーっと前から釣ってみたいと想い焦がれた渓魚が目の前にいるとなると胸が熱い。
ちょうど良いのだ。

前衛を任されww先行して撃つ自分。
後衛で殿(しんがり)から、取りこぼしを拾っていく友人はボクの気持ちを理解してくれている。



ほどなくして、バシャバシャ。

しなるロッドを見るなり駆け寄った。

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ほぇー。

本鱒?だったかな、釣りあげた友人はそう言っていた。

脂鰭ってなんですかー?
魚の知識に疎い自分には魚の種類の見分けがつかない。
淡水の魚ともなれば、からっきし。


兎に角。念願の渓流魚、自分の魚ではないもののその姿にロッドを持つ手に力がはいる。


殿は幾度とロッドを曲げるが、熱すぎる想いが空回りしているのか前衛のロッドは曲がる事なく正午が過ぎる頃、車まで戻り上流へ移動した。

まだ釣れてないのだけどキャストそのものが楽しいし、釣り進む度にあそこに居そうだとか、こっちも美味しそうだとか。
宝箱が次から次へと先々に落っこちている。そんな感覚なのです。

ここまでの満足度80%



再びの入渓。
先までより更に緑濃く昼間でも薄暗い。
そしてカウボーイのような毛鉤師で賑わっていた。

前衛と後衛とを都度、入れ代わるスタイルで釣り進むこと一時間ぐらいか。

この頃になると、ある程度キャストにも慣れを覚えたしルアーを追って来る魚の姿を何度か見ていた。
俄然、前へ進むペースが早くなってく。

フェンシングの競技者が切っ先を揺さぶりフェイントを掛けるかのようにティップを左右に振り『ど・れ・に・し・よ・う・か・な』なんて、ゆっくりと足を進めつつも撃ち込む箇所を見定め直ぐ撃てるよう惰性を付け牽制していた。

自信の無さから攻めあぐねていた如何にもな倒木の隙間にチャレンジしたのだ。


そして、ついに!?

助言のもと、リールは巻かずにスプーンを倒木の下へロッドで送り込む。

???

倒木の真下やや奥にスプーンが入ったであろうあたりでラインのテンションに違和感を感じる。

倒木がブラインドとなり待望のヒットの瞬間に気付けず反応が遅れチャンスを逃してしまうが、もはや釣れるのは時間の問題さ。
フフフ。

その後、ヒットさせるもののランディングまで持ち込めずにいる。

三度目かのヒットで最大のチャンスをむかえる。
水のないセーフティーなところまであとほんの少しまで寄せるが三度(たび)、悲劇はおとずれるのだ。



ひとはほんとうに悔しい思いをすると地団駄を踏む。

決して比喩ではない。

『ああああぁぁ!』の魂の叫び

サッカーの【クリロナ】ポーズの地団駄。

決してジダンではない。

あと少しが遠い。

ここまでの満足度85%


夢中で釣り進み、時刻は16時を迎えようとしていた。



来た道を戻りつつも、諦めきれない自分は要所でティップを振った。



痛恨の根掛かり。

水深もあり外せない。

残すのは足跡と想い出だけにしたかった。

切れたラインの先端はスプールに食い込み行方が分からない。

釣り続行不可能に陥る。

帰りますか、そんなタイミングだろう。

それでも友人のタックルを貸りて続行する。
その間、友人がスプールに埋もれるラインの先端を穿りだしてくれた!



テッテレー、復活!



再び、撃ちながら戻る道中。

木に引っかかるかたちで忘れられたランディングネットを見つけ拝借する。
たくさん居たカウボーイのどなたかのものであろう。


山の稜線に沈む日は思いの外、はやい。
生い茂る木々も一役かっている。

残りあと30分。

ついに、その時はやってくる。




どちらかと言えば、日中は倒木の影などにルアーをおくることで反応を得ていたが、流れと流れとのヨレで立て続けにヒットしたのだ。




拝借したネットを使いランディングした。

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ここまで長った。  

積年の念願叶い、感無量。

ハイタッチして見合わせた友人の顔も嬉しそうに綻んでいた。


事実は小説より奇なり。

たくさんのたまたまが重なった結果なのかな。



満足度の針が振り切れ120パーセント。




 
ここから怒涛の追い上げを見せる。

間をあけず二本目をランディング。





陸地斜面でボトリと魚が落ちる。 

逃してなるものかと鮭を狩る熊のように手で払い危機を脱する。






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シャッターを押す間際に逃亡し、微かに尾鰭だけ、その姿をとらえる。の図


さらに二本追加した。


内一本、熊の手をすり抜け、その姿をおさめることは出来なかった。



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すべてコータックの3g



こうして大満足の釣行は幕を閉じた。

もはや友人の存在なくしては決して叶わない想い『だった』。

そう、叶わなかったのは過去のものなのだ。

想いは叶った。

自分ひとりではいつまでたっても叶わなかったろう。




ここにこれたのも、釣り方を教えてくれたのも、諦めずに続けられたのも、そして魚を釣ることが出来たのも。

全部すべて。

友人には感謝しかない。

この場はを借りて、御礼を言わせていただきます。

ありがとう、ありがとう。





帰る道中

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冷えた体を温めて



朝から何も食べていなかったので
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半チャーハンと半餃子をプラスして。


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話題のスポットに寄り道をして。


時刻は23時。無事、戻ってきました。
運転お疲れ様です。

また、よろしくお願いしますww


何から何まで、頼りきりで返せるものがないけど、夢のような一日を書き記すことで感謝の気持ちが少しでも伝わればと思います。
 
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ここまでの満足度200%

では!

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