混じり合わない風

  • ジャンル:日記/一般
 今夜は、街のアスファルトの上を通った熱風と、山から吹き降ろした冷たい風が、混じり合うことなくそれぞれ交互に私の頬を撫でていた。
 普段は、個もなくただ風としてしか認識していないが、混じり合わずに温度や匂いを主張するときは、風にもアイデンティティーを強く感じる。
 人も、ふと他人に混じり合えないと思…

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