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▼ 自作ルアーの重心移動システム
- ジャンル:日記/一般
- (自作ルアー)
最初に書いておきます。
かなりマニアックなログとなりますので、ルアー制作やルアーの内部構造に興味がない方はスルー推奨です。
重心移動システムは各社いろいろ工夫がありますが、大きく分けて2通りあります。
1.球体型
2.円柱型
1の球体型は昔からある鉄球などのベアリングっぽい玉で重心移動させる方法です。
構造がシンプルで重心移動の安定感があります。
ただ球体であるが故、必要面積に対しての密度が低く、細かい重さの調整が出来ません。
2の円柱型は比較的最近の重心移動システムで、シマノのAR-Cなどに代表されます。
球体型に比べ構造が複雑化する傾向が強く、重心移動が戻りづらい欠点もあります。
球体型に比べ必要面積に対しての密度があり、オモリの円柱の長さを変えることにより細かい重量の調整が出来ます。
それぞれ長所と短所があり、どちらが優れているとはなんとも微妙なところですが、私は円柱型の方が重量調整が効きやすい分、狙い通りの泳ぎに近づけやすいと思います。
自作ルアーで重心移動システムを組み込む場合、普通はベアリング球などを使った球体型になるかと思います。
ただ比較的入手が容易な鉄を重心移動で使うには、比重が軽いのです。
例えば6mmボールの鉄球は、0.8~0.9gしかありません。
鉛だと1.2~1.4gほど、タングステンでは2.1~2.2gほどになります。
鉛は柔らかく変形してしまうので、6mmボールを重心移動で使う場合、現実問題として購入出来る&使えるのは1g弱の玉となります(中華通販などを使えばタングステン球も買えますが)。
重心移動の重さは球単位になるので「あと0.5g追加したい」などが出来ません。
必然的に使うボールのサイズ&重さに設計が引っ張られます。
120mm以上の大型ルアーでは0.5g程度の差は誤差レベルかもしれませんが、90mm以下のルアーでは0.5gの差は比較的精度が出せる環境でのルアー作りをしている場合、ものすごく大きい。
ここからが本題の私の重心移動システムとなります。
私の重心移動システムは円柱型ですが「個人が自作出来る」範囲の中では限界に近いと思います。
まず使用するのは、画像の中空スペーサー。
ルアーの幅(厚み)に合わせて、外径4mm、5mm、6mmの3種類を使用します。
長さは重量に合わせて各種取り揃えますが、最悪長いのを買って削ってもOKです。
センタードリルで掛かりを作ります。
φ1.5mmのドリルで反対側まで貫通する穴を空けます。
M2タップを立てます。
スペーサーの外径サイズに合わせたM2のイモネジを通します。
アルミ板を削ってこんな形状の物を用意します。
重要なのはドーナツ状の溝が掘ってある板です。
スペーサーの内径に合わせて溝が掘ってあります。
先程イモネジを通したスペーサーをイモネジ側を上にして立てます。
左右のガイドピンに合わせて、ゼビウスの地上物みたいな板を乗っけます。
溶かした鉛を流して、スペーサーの中に鋳造します。
ひっくり返してスペーサーをペンチで左右に振ると、細くなっている部分から鉛が折れて切れます。
これでスペーサーの中に鉛が鋳造出来ました。
このスペーサーの内部に鉛を流し込むと、鉄の円柱をそのまま使うのに比べ、1.3倍ほど重たく作れます。
たった1.3倍ですが、上記の通り0.5g程度の差でも泳ぎに大きな差が出ますし、密度が高いと飛行姿勢もより安定します。
このままではイモネジを通した時のバリが残っています。
私は旋盤を持っていないためヤスリで整えるのもありなんですが、卓上フライスに旋盤チップを噛んで疑似旋盤として使用し、バリを飛ばします。
ついでに鉛を切り離した面も整えます。
きれいになりました。
なお、なぜイモネジを入れる必要があるのかというと、キャスト時の荷重というのは結構大きく、接着剤などを用いても内部の鉛がスペーサーから少しずつズレて飛び出ます(鉛は接着しづらい素材なのです)。
この飛び出た鉛が少しずつ変形し、最終的には内部の外壁に擦れて抵抗になり重心移動しなくなってしまうのです。
スペーサーを用いるのも鉛の変形を抑えるためです。
他に良い方法がないか色々検討したのですが、現状ではこのスペーサー+イモネジ+鉛鋳造の形が安定しています。
ちょっとコストがかかるんですが…。
さて、鉛鋳造時に使用したスペーサーを固定して立てるためのコレ、スペーサーの内径に合わせた溝になっていますが、この溝の深さにも理由があります。
溝にスペーサーを固定して鉛を鋳造したため、スペーサー側の底は鉛が流し切れていません。
この溝は1mmタイプ、2mmタイプありまして、ここにピッタリはめ込めるネオジム磁石を入れます。
マグネット重心移動システムなのです。
市販ルアーの円柱型の重心移動システムのオモリは、真ん中に穴が空いているドーナツ状がほとんどかと思います。
これは重心移動する際、外壁に擦れて抵抗にならないように。や、ボディ接着時に接着剤に巻き込まれないように。など、様々な理由があると思います。
私の重心移動システムでは鉛を用いているため、ドーナツ状の中空構造は鉛が変形してしまうので使用出来ません。
またそのままではボディ接着に巻き込まれる可能性が高いので、ストローでスペーサーを保護します。
ストローはハサミでカットすると、断面がどうしても斜めになり都合が悪いです。
ストローの内径に合わせた円柱を用意し、卓上フライスにデザインナイフを噛んで断面の水平を出します。
旋盤があればもっと楽なんですが…。
ストローに蓋をしないとボディ接着に巻き込まれます。
また仮にボディに浸水した際、重心移動システムが密閉されていれば、ウッドボディではそこまで大きな問題にはなりません。
そのため蓋をします。
蓋はストロー内径と外径に合わせた段差形状をCNCで削り出します。
片方はマグネットテープから削り出し、重心移動のマグネット固定として使用します。
お尻(リアフック)側には衝撃吸収目的でスポンジを入れます。
画像ではかなり厚いですが、使用していると半分くらいに圧縮されていきます。
実際にルアーに入れるとこんな感じの重心移動システムになります。
重心移動オモリの本体側にネオジム磁石を入れていますが、以前はネオジム磁石はボディ側に固定していました。
この場合、磁力が強いネオジム磁石ではフロントフックが引っ付いてしまい、釣果には差はなさそうなものの、ちょっと気になっていました。
フェライト磁石だとフックが引っ付かないちょうど良い保持力なんですが、フェライト磁石は個人で買うにはほんのり高いのです。
またφ5mm厚2mmのネオジム磁石は0.3gくらいあるため、飛行姿勢の観点からも現状はオモリ側への固定になっています。
固定側がマグネットテープになっていますが、過去にはブリキ板を入れていたこともあります。
保持力はブリキ板のが高いのですが、くっつきすぎても微妙なのが難しいところで、現在はマグネットテープにしています。
肝心の重心移動の使用感ですが、球体型に比べると戻りは悪いです。
なので着水後、ラインテンションがある程度かかった状態で1度ジャークやトゥイッチを入れる方が安心です。
私はウェイトを戻すクセがついているので問題ないのですが、仮に「売る」となると、ちょっと難しいかもしれませんね。
余談ですがシマノAR-Cのバネは発想は素晴らしいのですが、キャスト後1秒以内にウェイトが戻るため、ウェイトが最後までルアーのお尻に残らず失速しやすいです。
それでも固定ウェイトに近い重心移動システムとしては素晴らしいので、真似したいメーカーはかなり多いのではないかと。
私も何度かチャレンジしたのですが、シマノAR-Cと同じバネ係数のバネは普通には売っておらず、バネの自作はとても難しい&工場に発注するにもウェイトごとの細かな違いなど揃えるのは無理。と諦めました。
自作ルアーなら、ダイワの一部ルアーが採用している末端側に短いバネを入れ、衝撃吸収&ウェイト戻しのサポート程度が良いと思います。
ただ上記の通り、バネ係数が高いとキャスト直後にウェイトが戻ってしまい、特に風がある日はルアーが失速します。
着水までウェイトがお尻に残り、着水直後にウェイトが勝手に戻るのが理想ですが、ルアーという大きさに制限があるモノでは難しいですよね。
メガバスのベアリング入りのは使ったことがないので詳しくはわかりませんが、普通に考えて個人で作るのは無理ですよねぇ…。
以上、かなりマニアックな内容でしたが、こんな感じでかなり手の混んだ重心移動システムを使って自作ルアーを制作しています。
これ以上を求めようとすると、スペーサーを真鍮パイプから切り出したり、タングステンを成形出来る工場に発注するくらいしかないと思われるので、自作ルアーとしての円柱型重心移動システムとしては限界に近いと思います。
かなりマニアックなログとなりますので、ルアー制作やルアーの内部構造に興味がない方はスルー推奨です。
重心移動システムは各社いろいろ工夫がありますが、大きく分けて2通りあります。
1.球体型
2.円柱型
1の球体型は昔からある鉄球などのベアリングっぽい玉で重心移動させる方法です。
構造がシンプルで重心移動の安定感があります。
ただ球体であるが故、必要面積に対しての密度が低く、細かい重さの調整が出来ません。
2の円柱型は比較的最近の重心移動システムで、シマノのAR-Cなどに代表されます。
球体型に比べ構造が複雑化する傾向が強く、重心移動が戻りづらい欠点もあります。
球体型に比べ必要面積に対しての密度があり、オモリの円柱の長さを変えることにより細かい重量の調整が出来ます。
それぞれ長所と短所があり、どちらが優れているとはなんとも微妙なところですが、私は円柱型の方が重量調整が効きやすい分、狙い通りの泳ぎに近づけやすいと思います。
自作ルアーで重心移動システムを組み込む場合、普通はベアリング球などを使った球体型になるかと思います。
ただ比較的入手が容易な鉄を重心移動で使うには、比重が軽いのです。
例えば6mmボールの鉄球は、0.8~0.9gしかありません。
鉛だと1.2~1.4gほど、タングステンでは2.1~2.2gほどになります。
鉛は柔らかく変形してしまうので、6mmボールを重心移動で使う場合、現実問題として購入出来る&使えるのは1g弱の玉となります(中華通販などを使えばタングステン球も買えますが)。
重心移動の重さは球単位になるので「あと0.5g追加したい」などが出来ません。
必然的に使うボールのサイズ&重さに設計が引っ張られます。
120mm以上の大型ルアーでは0.5g程度の差は誤差レベルかもしれませんが、90mm以下のルアーでは0.5gの差は比較的精度が出せる環境でのルアー作りをしている場合、ものすごく大きい。
ここからが本題の私の重心移動システムとなります。
私の重心移動システムは円柱型ですが「個人が自作出来る」範囲の中では限界に近いと思います。
まず使用するのは、画像の中空スペーサー。
ルアーの幅(厚み)に合わせて、外径4mm、5mm、6mmの3種類を使用します。
長さは重量に合わせて各種取り揃えますが、最悪長いのを買って削ってもOKです。
センタードリルで掛かりを作ります。
φ1.5mmのドリルで反対側まで貫通する穴を空けます。
M2タップを立てます。
スペーサーの外径サイズに合わせたM2のイモネジを通します。
アルミ板を削ってこんな形状の物を用意します。
重要なのはドーナツ状の溝が掘ってある板です。
スペーサーの内径に合わせて溝が掘ってあります。
先程イモネジを通したスペーサーをイモネジ側を上にして立てます。
左右のガイドピンに合わせて、ゼビウスの地上物みたいな板を乗っけます。
溶かした鉛を流して、スペーサーの中に鋳造します。
ひっくり返してスペーサーをペンチで左右に振ると、細くなっている部分から鉛が折れて切れます。
これでスペーサーの中に鉛が鋳造出来ました。
このスペーサーの内部に鉛を流し込むと、鉄の円柱をそのまま使うのに比べ、1.3倍ほど重たく作れます。
たった1.3倍ですが、上記の通り0.5g程度の差でも泳ぎに大きな差が出ますし、密度が高いと飛行姿勢もより安定します。
このままではイモネジを通した時のバリが残っています。
私は旋盤を持っていないためヤスリで整えるのもありなんですが、卓上フライスに旋盤チップを噛んで疑似旋盤として使用し、バリを飛ばします。
ついでに鉛を切り離した面も整えます。
きれいになりました。
なお、なぜイモネジを入れる必要があるのかというと、キャスト時の荷重というのは結構大きく、接着剤などを用いても内部の鉛がスペーサーから少しずつズレて飛び出ます(鉛は接着しづらい素材なのです)。
この飛び出た鉛が少しずつ変形し、最終的には内部の外壁に擦れて抵抗になり重心移動しなくなってしまうのです。
スペーサーを用いるのも鉛の変形を抑えるためです。
他に良い方法がないか色々検討したのですが、現状ではこのスペーサー+イモネジ+鉛鋳造の形が安定しています。
ちょっとコストがかかるんですが…。
さて、鉛鋳造時に使用したスペーサーを固定して立てるためのコレ、スペーサーの内径に合わせた溝になっていますが、この溝の深さにも理由があります。
溝にスペーサーを固定して鉛を鋳造したため、スペーサー側の底は鉛が流し切れていません。
この溝は1mmタイプ、2mmタイプありまして、ここにピッタリはめ込めるネオジム磁石を入れます。
マグネット重心移動システムなのです。
市販ルアーの円柱型の重心移動システムのオモリは、真ん中に穴が空いているドーナツ状がほとんどかと思います。
これは重心移動する際、外壁に擦れて抵抗にならないように。や、ボディ接着時に接着剤に巻き込まれないように。など、様々な理由があると思います。
私の重心移動システムでは鉛を用いているため、ドーナツ状の中空構造は鉛が変形してしまうので使用出来ません。
またそのままではボディ接着に巻き込まれる可能性が高いので、ストローでスペーサーを保護します。
ストローはハサミでカットすると、断面がどうしても斜めになり都合が悪いです。
ストローの内径に合わせた円柱を用意し、卓上フライスにデザインナイフを噛んで断面の水平を出します。
旋盤があればもっと楽なんですが…。
ストローに蓋をしないとボディ接着に巻き込まれます。
また仮にボディに浸水した際、重心移動システムが密閉されていれば、ウッドボディではそこまで大きな問題にはなりません。
そのため蓋をします。
蓋はストロー内径と外径に合わせた段差形状をCNCで削り出します。
片方はマグネットテープから削り出し、重心移動のマグネット固定として使用します。
お尻(リアフック)側には衝撃吸収目的でスポンジを入れます。
画像ではかなり厚いですが、使用していると半分くらいに圧縮されていきます。
実際にルアーに入れるとこんな感じの重心移動システムになります。
重心移動オモリの本体側にネオジム磁石を入れていますが、以前はネオジム磁石はボディ側に固定していました。
この場合、磁力が強いネオジム磁石ではフロントフックが引っ付いてしまい、釣果には差はなさそうなものの、ちょっと気になっていました。
フェライト磁石だとフックが引っ付かないちょうど良い保持力なんですが、フェライト磁石は個人で買うにはほんのり高いのです。
またφ5mm厚2mmのネオジム磁石は0.3gくらいあるため、飛行姿勢の観点からも現状はオモリ側への固定になっています。
固定側がマグネットテープになっていますが、過去にはブリキ板を入れていたこともあります。
保持力はブリキ板のが高いのですが、くっつきすぎても微妙なのが難しいところで、現在はマグネットテープにしています。
肝心の重心移動の使用感ですが、球体型に比べると戻りは悪いです。
なので着水後、ラインテンションがある程度かかった状態で1度ジャークやトゥイッチを入れる方が安心です。
私はウェイトを戻すクセがついているので問題ないのですが、仮に「売る」となると、ちょっと難しいかもしれませんね。
余談ですがシマノAR-Cのバネは発想は素晴らしいのですが、キャスト後1秒以内にウェイトが戻るため、ウェイトが最後までルアーのお尻に残らず失速しやすいです。
それでも固定ウェイトに近い重心移動システムとしては素晴らしいので、真似したいメーカーはかなり多いのではないかと。
私も何度かチャレンジしたのですが、シマノAR-Cと同じバネ係数のバネは普通には売っておらず、バネの自作はとても難しい&工場に発注するにもウェイトごとの細かな違いなど揃えるのは無理。と諦めました。
自作ルアーなら、ダイワの一部ルアーが採用している末端側に短いバネを入れ、衝撃吸収&ウェイト戻しのサポート程度が良いと思います。
ただ上記の通り、バネ係数が高いとキャスト直後にウェイトが戻ってしまい、特に風がある日はルアーが失速します。
着水までウェイトがお尻に残り、着水直後にウェイトが勝手に戻るのが理想ですが、ルアーという大きさに制限があるモノでは難しいですよね。
メガバスのベアリング入りのは使ったことがないので詳しくはわかりませんが、普通に考えて個人で作るのは無理ですよねぇ…。
以上、かなりマニアックな内容でしたが、こんな感じでかなり手の混んだ重心移動システムを使って自作ルアーを制作しています。
これ以上を求めようとすると、スペーサーを真鍮パイプから切り出したり、タングステンを成形出来る工場に発注するくらいしかないと思われるので、自作ルアーとしての円柱型重心移動システムとしては限界に近いと思います。
- 2018年8月31日
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