MORETHAN EXPERT AGS 76L/ML-SMT インプレ

  • ジャンル:釣り具インプレ
今回は久々に長いぞ(笑)

何せ人生初のブルジョアロッド。

払った分はネタにしなくては(爆)


っつか、ホントは書くかどうか悩んでいた。

何故なら、竿に求める物は人それぞれ。

故に、偏見に凝り固まった私のインプレが必要なのかどうか。

それに、世間には一般的な視点からそういうのを書くのが上手い人も沢山いるわけで。

てなことで、こういう竿を買う人はどんな事書いてるのかちと調べてみたら…


誰もいないw


おいおい、この竿人気ないのかよ(汗)

ただ、逆の考え方すれば、普通の人は使いたがらない竿癖が、俺にとっては良いだけか。

ならば、今後ますます使いたがらないようにインプレしたろうかと(笑)


という事で、超ミクロなマニア視点しかない人間のインプレで良ければ、お読みください。

但し、これは「PEライン」で「トップ(本当の曳波w)ルアー」のみの使用を前提とした場合の物です。

ナイロンライン使用の場合は、全く視点が変わりますので、その点ご留意下さい。
(つか、ナイロンなら竿の仕事の殆どを糸がやってくれるので、性能諸々は全く気にしないでOK)



先ずはセレクト時。

購入時ログに簡単に触れたが、何より気に入ったのが竿の入り(曲がりではない)。

どういう基準かを、今回はちと詳しく書いてみます。

皆さんも竿購入時には必ずやると思いますが、天井に竿先当てて曲げてみる。

その際、手首の返しだけで先が入るのが重要。

どんな竿でも入るんだけど、そこに「力」が掛からない事。

無意識に手首を動かした際に、抵抗が無い(竿の存在を感じない)といったとこか。

つまり、手首への反発を全く感じない状態で竿先が入るってのが(俺にとってのバチ竿の)理想。

んで、これだけだと竿先だけ柔らかくした竿ならば他にもあったりする。

そこから軽く手首を返した時、竿の1/4~1/3位までがスムーズに天井に「ベタベタッ」と張り付くのが重要。

これが竿先だけ柔らかくした糞竿だと、(大概第二ガイド)に入った瞬間抵抗値が変わる。

また、バチ対応を謳っていても、抵抗が強くて張り付かないのもある。

そりゃ、無理やり曲げりゃどんな竿でも付くけど、「無理無く」ってのが重要。

そこからさらに力を入れた際、継ぎ目を中心にベンドカーブを描けるか。

理想としては前後対称に曲がって欲しいので、ここでマイナスポイント発生w

そしてここからが重要。

これ以上曲げると店に怒られるので(笑)力を緩めて戻すが、その際「反発しない」事。

いや、どんな竿でも反発はするのだが、イメージで言うなら「反発」で戻るのか「形状記憶で戻るのか」。

大概の竿は竿が元に戻る以上の力で戻ろうとするが、この竿は元に戻る分だけ戻る感じというか。
(実際にはそういう事はあり得ないので、あくまで自分の感覚ね)

言うなれば「バネ材」なのか「形状記憶合金」なのか、ってとこ。


ここまでの基準の根拠を簡単に。

竿先に関しては、使うルアーが全て表層に浮き、かつ水を僅かしか受けない為に引き抵抗が殆どない。

但し、波の動きには思いっきり影響を受ける。

竿先に抵抗が無い(=竿先の動きによる感度が無い)と、そういう部分をある程度は無視出来る上に、吸い込み時の反発(=違和感)が減る。

そしていざ魚が食ってきた場合、「オラ食ったぁ~っっ」か「ふいぃぃぃっっしゅ!」と叫びながら鬼フッキングをする。

基本バイトの感触ではなく捕食音でフッキングする為、その場から鰓洗いスタート(爆)

この時に反発が強いと、大概身切れ起すか即バレしてルアーがこちらに吹っ飛んでくる(汗)

フックアップしてから3秒以降は「めんどくせー」「早くバレろ」と思うのだが、その3秒間だけは至福の時。

それを味わう為にはフッキングしなきゃ良いのだが(爆)、フッキングを含めての3秒が大切なのよ。

んなもんで、無駄に反発の強い竿(未だにこういうのが業界の主流だが)を極端に嫌う。

その点、この竿はカーボン99%の癖に粘りがある感じなので、気に入った次第。

因みに、だ。

竿先だけで「吸い込み対応」とかやってる糞竿の場合、少し引き抵抗のあるルアーを使うとその部分だけが曲がってしまう。

となると、吸い込み時にはそのストロークは限りなく0になるんで何の意味も無いのよ。

ところが、全体的にしなやかなロッドの場合、全体で曲がってくれるから、いざって時の吸い込み代が残る。

そんな事も判らずに竿先を売り文句にしてるメーカーってのは、竿に無知なだけか現場で使ってないかどちらかでしょ。

これから竿を購入される方は気を付けてw


ただ、こういうロッドだと、とにかく竿が折れやすくなる。(竿先ではなく、大体逝くのは第二~第三ガイド)

無理な抜き上げ然り、強引なキャスト然り(あ、これも俺だけか(爆))

ところがコイツは、トップガイド側は非常に細かいピッチでガイドが入っている。

となると力が分散する(はず)なので、ファイト時に先端だけの極端な曲がりが起こらず、抜き上げ時の折れ耐性も上がると思う。

これは買ってから気付いたのだが、トップ~第二ガイドまではチタン、第二~第三ガイドは補強のカーボンが入っている。

金属ならば(金属疲労を起こさなければ)折れにくいし、強度もあるはず。

負担の掛かる部分にそういう材質を使ってなお、このしなやかさを出せてる所が凄いなと。

また、グリップトップにちゃんとテーパーが掛かってる。

ガッツリ握る方には関係ないのだが、私は必ず人差し指をグリップトップに乗せる。

特に秋のトップゲームだと指先でアクションさせる事も多く、その際にグリップトップが太いと非常に操作しにくい。

良い悪いは別にして、例えばAPIAの竿はグリップトップが四角いイメージだが、コイツは三角。

この辺りも、繊細な操作が必要な港湾の釣りが判ってるな、と。


という事で、簡単ではあるが購入理由を書いたとこで、お次は実践編。


実際にキャストをし、2日で20匹以上の魚を掛けて感じた事。


「この竿、釣りが下手になる。以上!」


…とやったら怒られそうなので、もう少し詳しく。

先ず、掛かってからの竿は自分のイメージそのまま。もう素晴らしいの一言。

小さい魚でも、(硬く感じたバッド部も)綺麗に曲がってくれるのが、イメージ以上だったが。

まあこれは、竿を触った時点で判っている事だから良しとして、驚くべきは魚が針に掛かる前後。

勿論弾かれるバイトはあるにせよ、「オートマできっちり入り、きっちりフックアップする」。

これまでだと、捕食音に合わせて送り込んだりタイミング合わせてフッキングしていた作業(?)が一切要らない。

捕食音が出た瞬間には、もう針掛かりしてる感じ。

しかも竿の追従性は、これまで使ってきたどんな竿よりも良い。

そして恐ろしいのがその感度。

「バチの釣りには感度は要らねえ」というのが私の持論。

理由としては、決して沈めないのでルアーの動きは全て目で追える。

捕食の瞬間も目と耳で判別出来るので、竿は掛かってからのサスペンションになってくれさえすれば良いと思ってた。

事実、これまでその釣りを続けてきて人並み以上には釣れてるわけで、何の問題も無かったし。

ところが今回、それが間違いだった事に気づく。

ある時、見た目には特に何の変化も起きてない中「ん?」と感じる違和感があった。

反射的に軽く竿を煽った瞬間「ドバドバッ」とw

コイツはそのままバレたが、簡単に言えば、見た目では全く変化が無い中でも実はルアーを咥えてる(か触れてる)事があると。

煽らなきゃ、そのまま離したか、反転したかは今となっては判らない。

ただ、これまでの竿であればこの変化には気付かないし、そういう食い方があるとは判らなかった。

これを知れただけでも、ン万円払った価値はあったかな、と。(スイマセン、見栄はってます(爆))


とまあ、良い事ばかり書いてると俺らしくないので、短所もw


先ずキャストだが、これまでの竿に比べ、若干左にズレる。

オーバーヘッドで投げる分には、全くブレ無く飛んでいくのだが、自分の投げ方はスリークォーター。

すると、バッド部の戻りが早いのか、ティップの曲がりのせいかは不明だが、やや先に飛んでしまう。

それとキャストスピードとルアーウェイト・形状・重心とリリースポイントと垂らしの長さのマッチングが非常にシビア。

物凄く気持ちよく飛んでくれると思ったら、次のキャストはヘタレたり。

軽く投げたら飛ぶくせに、フルキャストするとショートしたり。

軽いルアーは飛ぶのに、重い(っつっても10g無いけどw)ルアーはショートしたり。

この辺りは竿慣れするまでは仕方ないのだが、通常なら20~30キャストもすれば修正出来るのが、この竿は出来ない。

方向性はある程度修正出来たが、飛距離に関しては2日投げても安定しなかった。

それと、きちんと曲がるのだが、バッド部はやはり硬い竿。

竿ブレの収束が異常に早いのも一因かと思うが、非常に振り抜けが早い分キャストスピードは上がるが、手首への負担が半端ない。

軽く投げても飛ぶ竿なのでそうすりゃ良いのだが、自分の性格上それが出来ない(爆)

ひたすらフルキャストを繰り返してたら、手首が死んだ(泣)

ただ、重量で死んだ訳ではないので、これは慣らしていけば大丈夫かと思う。

それとこれは高感度故の弊害かも知れないが、8本撚りなのにガイド擦れが気になるようになった。

これまでは4本撚りだと「ザラザラしてんな~」位だったのが、8本撚りでも「ああ、ここのコーティングが少し剥げてるな~」となる。
(因みに、ライトコーティングラインです)

糸が軋んでいるのが判るというか。

それが1キャスト毎に感じるので、集中出来なくなるw



とまあ、ファーストインプレッションとしては、こんな感じ。

実は使う前に店に行き、詳しい店員(別名まこぴー)に最も気になるガイドについて聞いてみた。

すると、実物のサンプル的な物を弄らせて貰い、かなり強い事が判ったのでこの点も気に入った。

あ、因みに「ふいぃぃぃいっしゅ!」とやると、やっぱりルアーが吹っ飛んできます(爆)

魚が掛かれば柔軟なのだが、やはりここは硬い竿、良い子は素直に竿に任せましょう。



高いだけで全く判ってない糞竿が氾濫するこの業界ですが、この竿はホントに「シーバス釣りが判ってる」竿だと思う。

釣りに求める物は人それぞれですが、「楽しみながらきっちりと釣りたい」方には、値段以上の価値があるかな、と。

勿論所有感だけで竿を選ぶ方も居るでしょうが、所有感も充分満たされますので(笑)



後はいつ折れるかだけだ!(爆)

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