梅雨も明けずに数日は心地良い涼しさが続いている関東地方北部。


週末に絡んだ日勤中は先日ようやく仕留めた清流鱸にテンションが上がり一度だけ一時間の川残業。

しかし現実は再びの渇水…

なんとか好敵手だけが相手にしてくれた。

そして日勤最終日の昨晩は休日前の無制限川残業を考えていたが、仕事中に腰を痛めてしまい厳しい状況に…

無制限とはいかないが少しだけならとコルセットを腰に巻いて結局は仕事帰りに大河に直行する…

とりあえずは前日の晩に好敵手を仕留めたポイントに入る。

増水からの渇水の際には居残りの個体が残ると思われる実績ポイントだが前日同様の好敵手らしいバイトのみ…
粘るような釣りでは無いので一旦岸に上がり腰痛もあってか帰ろうか迷う中、あと一カ所だけ廻ってみる事に。

此処も居残り組が残ると思われる実績ポイント。

増水〜平水では攻めるのが難しい流速なので増水後の減水モードの際には毎年数本の本命を拝ませて貰っているポイント。

まずはシャローランナー〜ミノーのローテーションで実績のある攻めと流し込み。
数十投とキャスト距離や撃ち込み角度を変えて攻め続けるが何の反応も得られぬまま時間だけが過ぎて行く。

最初のポイントでの開始から二時間程経ったのと腰の痛みも限界といった感じにそろそろ納竿するかと考え始めたと同時に最後に軽く水面遊戯でもとペンシルポッパーをセットする。


一昨年の晩夏の深夜に水面遊戯でランカーを逃してるこのポイント。
実績的にはシャローランナー＆ミノーでの釣果が殆どだが可能性は０では無い。
しかし実績のある疑似餌達を投げ倒した後のポイントだけに感覚＆遊び程度の気持ちでペンシルポッパーを対岸からこちらに向かって流れが入る筋に向かってアップクロス気味に撃ち込む。

渇水といえどもそれなりの強い流れにペンシルポッパーはあっという間に流されて行く。
流れに負けないように若干強めのアクションでドッグウォークを始めた直後”バッコーン”とド派手に割れる水面と同時に絞り込まれるロッド。
独特の真空捕食音と乗った重みで直ぐに本命と確信。
手前に走って来た相手とのテンションを保つ為に一気に巻き上げると感じる長めの首振りストローク。
悪くは無いサイズだと思った直後に激しいテールウォーク。
見えたシルエットと割れた水面の音からして７５クラスの自分達スズキサイズは間違い無い。
掛かり所は分からないがフックも新品＆完全ストライク的な水面爆発にガッチリ喰っているだろうと心に余裕のあるやり取り。
しかし、時折ドラグを唸らせる相手を去なし続けた直後に”フッ”と抜けるテンション。
なんとまさかのバラし…

「うわ〜っ、マジか…」

一人闇の大河で思わず声が出る。

あれだけシャローランナーとミノーを撃ち込んだ後の闇の水面遊戯一投目での反応に驚きながらも流石に次は無いだろうと思いながら再び同様の位置に撃ち込みながらの攻め。

先程水面が割れた位置よりも少し上流側で再び”バッコーン”とド派手なストライクと同時に絞り込まれるロッド。

”また出たっ！？”

今度のヤツもサイズ的には７０前後の良型フッコ〜スズキサイズと悪くは無さそうなサイズ。
暴れん坊らしく派手にテールウォークを繰り返し水面を割りまくる。
先程のバラしもあり、少し勝負を急ぎ過ぎたのかパワーの余った相手は手前で鰓洗いを連発。
見えた口元にはリアフック一本掛かりのペンシルポッパーが振り回されている。

”ヤバい、バレそうだ…”

そう思いながらグリップランディングの態勢に入ったところで吹き飛ばされるペンシルポッパー…

”あっ、あぁ〜〜っ………”

なんと再びのバラし…

流石に落胆する中、次を期待して攻め続けるがその後は何も起きずに終了。

あまりの腰の痛さと精神的な落ち込みに険しいエントリーポイントを四つん這いになりながら崖を上り離脱…
流石にこの腰痛と翌朝の雨という天気予報に早暁は休みだなと思い自宅に帰って風呂に入って鎮痛剤を塗りシップを貼ってベッドに入る。


しかし派手な水面爆発が忘れられず結局は夜が明ける前に一旦目が覚める…


ベッドから起きるのも辛い位の腰痛だが痛みを押し殺して用意をし車に乗り込み大河へ向かう…

ここまで来ると川気狂いとかいう次元では無いような気がする…

靴下を履くのも勿論だがウェーダーを履くのもやっとの状況でどうにか準備完了。

準備に時間が掛かり東の空は既に明るくなって来た。

勿論狙いは数時間前に水面遊戯で本命を二本掛けたポイント。

再び魚が入って来ていれば勝負は直ぐだろうと余計な事は考えずに夜と同様の攻め。
間違いが起きてくれと願いながらの攻めを繰り返すがやはり何も起きない…
やはり個体数は圧倒的に少ない海から遥か上流の完全淡水域、数時間で他の魚が入って来る事なんていうのは稀な事だ…

ボイルも何も起きない静かな水面は弱い雨の波紋だけ…


そしてようやく夜に掛けた位置よりも下流側まで流し込んだペンシルポッパーに”バシュッ”とアタックがあるが乗らず…
本命か大虎か分からないような感じのバイトだった。


そして夜が明け時間的には３０分程のゲームで終了。

先日の増水以降それなりに気配を感じる様になった清流鱸。
しかし気付けば獲ったのは一本のみで既に４バラシ…

毎度の事だが今季は水況だけでは無く運にも見離された…
本当に腕も無ければ運も無いのを実感した一夜となった。

そしてこの腰痛に折角の休日だが清流鱸探しの為に大きく動く事は難しそうだ…