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16'純淡水域川鱸 ”九死に一生を得る…”

  • ジャンル:釣行記
台風通過後の巻き返しの強風が止む事無く吹き続ける中、用水路での”大陸薔薇鱮遊戯”
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そろそろ稲刈りも始まる時期。

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用水路も水を抜かれて数週間。
日に日に元気が無くなって行く…

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この釣りでは必殺的な自ら研いだ”研ぎ針”を使用。
減水により渋くなって来た最近の用水路としては良い釣果。
やはり研ぎ針効果か…

”今夜の本命猟りは久しぶりに休むか…”

そんな事を思いながら娘が学校から帰宅する前に納竿。

けど日が落ちて来ると落ち着かなくなるのはシーズン中毎日の事。
そして結局は大河へ向かう…

最終章連釣六日目。
毎年この時期だけはラストスパートの勢いで大河を駆け巡る…
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私用によって今夜も日付越えのスタート。
前日からの強い風が未だ吹き荒れる。

今夜は昨晩は反応を得られなかったが好印象な今季のシャローフラットポイントは勿論、他にも二カ所を廻る作戦。

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最初は闇の水面遊戯ポイント。
もしかしたらという思いで入っているが、やはり此処は完全に抜けてしまったようだ…

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次はシャローフラットポイント。
昨晩以上の強風と水位低下に先日まで好調だったポイントも無反応…

次は図太い流速MAXの流心と砂礫シャロー帯が絡んだポイント。
平水より若干高い水位的に狙いの筋に入れるか微妙なところだが向かうだけ向かってみる。

平水〜減水であれば目視出来る地形変化による流れのヨレも平水より約20〜30cm高い水位によってはっきり確認出来ない。
更に北西からの強風により水面も荒れている為に物凄い流速になっている。
狙いたいシャロー帯を撃てる位置まで入水するのも厳しい感じだが注意しながら幾筋も越えて撃てるポジションまでなんとか辿り着いた。
長く続いた増水によっての大きな地形変化は無さそうだが通常このポイントを撃つ水位よりも約30cm高いだけにとにかく流れが図太い。

ポイントの状況的にセットしたのは飛距離重視でこの強風下でもキャスト可能な青物用のヘビーウェイトのシンキングペンシル。
これを沖のシャロー帯にフルキャストしドリフト&ターンで狙いのブレイク付近に流し込む。

強風&激流の中での難しい操作をなんとかこなし狙いの位置に流し込むと”コンッ、コココッ…”と遥か沖で明らかなバイト。
流速MAXのこのポイントの攻めで出る本命バイトはこのような感じが多い為、相手は多分本命の清流鱸。
乗らないバイトに急いで回収し再び同様にフルキャストで流し込むと”コッ、コッ、コッ…”と喰いきれない追い食いのようなバイト。

”こっちのポイントでも乗らないパターンか…”

”掛けて獲るなら彼方の方が間違い無いか…”

そこで一昨年の最終決戦で極太清流鱸を仕留めたのと同様の”地獄針仕様”のシンキングペンシルにルアーチェンジ。
青物用ヘビーウェイトシンキングペンシル程の飛距離は望めないが充分飛ばせるだろうと思いながらのフルキャスト。
そしてほぼ狙いの位置に着水しロッドを立てながらラインスラッグを取って流し込むと”コンッ”と一発だけ遥か沖から伝わる明確なバイトに一気に巻き合わせを入れると重みが乗った。

”良しっ、3投目で仕留めた!”

すると沖を流れる図太い流速MAXの流心で”ズババババーッ”と激しい鰓洗い。
割れた水面の音と重さ&引き味からして良型は間違い無い。
その後は流れに乗って下流に下りながら”ゴン、ゴン、ゴンッ”と激しいヘッドシェイクを繰り返す。
そして時折流速を超える様なロケットダッシュにドラグも唸る。

”地獄針だからフッキングは大丈夫だろう…”

そう思いながら焦らず自分も流速と足元に注意しながら下流側に下り相手との距離を詰めて行く。
そしてようやく寄って来た相手をヘッドライトで照らし出す。
見えた魚体はこの時期らしい体型の明らかなランカーサイズ。
やはり予想通りの地獄針は完璧フッキング。

あとは激流の中でのランディングのみ。
砂礫とゴロタのブレイクラインに注意しながら更に沖に出てグリップランデイングを試みる。
トレブルフックでは無い為に躊躇せず下顎にグリップが入った。

「良し獲ったぁ!」

嬉しさに深夜の大河で思わず一人歓喜の声。
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とりあえずは写真をとデジカメを忘れて来た為にこの写真をスマホで撮影をした直後に事件は起きた。

ランディング直後の立ち位置は流速MAXの流心手前の砂礫ブレイク。
そこから撮影する為に岸際のシャローに撤退しようと動いた直後に足元の砂礫ブレイクが一気に崩れ落ちた…

”ヤバイっ…!”

そう思った時は既に激流に揉まれ目の前に広がるのは漆黒の荒れた水面…
ゲームベストの浮力で浮いてはいるがここから先はそれなりの水深。
既に足が付く様な水深では無い。
そして流速MAXの流心にどんどん引き込まれながら下流に流されて行く…

転倒などによる落水や軽く流された事は何度かあるが今夜は平水+30cm程度の増水モードに流速MAXの流心付近での転倒。
以前から此処で何かをやったら一番危険と思っていたエリア。

”これは流石にマズいぞ…”

パニック状態の中、鮎師である叔父から教わった言葉を思い出す。

”流された時は無理に泳がず力を抜いて流れに身を任せろ。そうすれば自然と緩流帯と浅瀬に流されるから…”

その言葉通り無理な体力を使わず流れに身を任せる。
しかしウェットスーツならまだしも履いているのはブーツフットタイプのウェーダー。ウエストベルトが締まっていても徐々に水が流れ込んで来る。
そしてゲームベストに入れてあるルアーケースも最初は浮力として手助けしていたようだが、徐々に浸水しているとみえて浮力が落ちて来た…

自分が今居るのは日本一の流域面積を誇る大河の流心のど真ん中…
泳ぎも得意では無いし、もしかして本当に”死ぬ”のかも…
そんな思いが頭の中を駆け巡ってきた。

「死にたくねぇ〜よっ!」

本気で叫ぶが此処は深夜の漆黒の大河の流心。
誰にも聞こえる筈が無い。

そして迫り来る恐怖に自然と家族の顔が浮かんで来た…
良く言う走馬灯みたいな感じを始めて味わう。
そう思っている時に若干だが上流側に自分が動いている事に気付いた。

”反転流か…”

どうやら流心からは抜け出たようで反転流に入ったようだ。
しかしこのまま待っていたら再び流心に入ってしまうような状況に意を決して岸に向かって泳ぐ決心をする。
未だに離さず持っていたロッドも辛かったら離そうと心に決め必死で泳ぐ。

”息切れしていく中、薄ら闇に見えて来たのは岸際のオーバーハングブッシュ。

”彼処まで泳ぐぞ…!”

隣県側はサンドバーのシャロー帯が続くが此方側は岸から急深なエリア。完全に岸まで行かなくては足は付かない。
そして無心になって必死に泳いだ。

”あと少し、あと少し…”

そして岸際のブッシュに手が届く位の位置まで来たが急深な地形の為にまだ足は付かない…
まさに藁をも掴む思いでブッシュを掴むが”ブチッ”と千切れてしまう。
そして最後の力を振り絞って岸際のブッシュの根を掴んだ。

「助かったぁ〜!俺生きてるぞぉ…」

そのまま岸に這い上がりロッドを放り投げ立ち上がると全身から”ジャーッ”とこぼれ落ちるように流れる大河の水。
そして気付けばグリップに付いていた清流鱸は外れる事無く自分と一緒に泳いでここまでやって来た…

水の溜まった重いゲームベストを脱ぎ捨てとりあえずは写真でもと思うが防水カバーの壊れていたスマホは水没にて既に電源が入らず…

物凄く下流に流されたように感じたが100m〜200m程度だったのかエントリーポイントにもどうにか戻れるような条件だった為に一旦その場に置ける物は置いて車まで戻りウェーダーを脱いでタオルで全身を拭いて水気を切る。

その際に車載されていた現在はミュージックプレイヤーとして使用している過去に使用していたスマホを持って行き撮った一枚が唯一の画像。
充電がされていなかった為にこの一枚でバッテリーOFF…

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83cm、4.4kgとこの時期らしいボディのランカーサイズ。
この後は蘇生もする事無く元気に大河の流れに帰って行った。

吹き続ける北西の強風が全身ずぶ濡れの体を更に冷やし震えが止まらない状況に急いで車まで撤収し暖房を付け最低限の片付けをしてようやく帰宅。

そして家に帰って見る家族全員の寝顔。

”生きてて良かった…”

そう思いながらシャワーを浴びた後にベッドに入る。
しかし目を瞑ると浮かんで来るのは目の前に広がる漆黒の大河の水面…
今後、軽いトラウマになりそうだ…
流石に興奮して暫くは寝付けなかった。

そして秋晴れの朝に昨晩の後処理…
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スマホの延命処置は効くのだろうか…

そんな訳で本格的に大河で清流鱸を狙い始めてから約23年。
大河での釣り自体は小学生の頃からだから約35年という経験の中で初めて生命の危険を感じた釣行となってしまった。
もしライフジャケットを着用して無かったら泳ぎの得意でない自分は確実に死んでいただろう…

全国の様々な河川で鱸だけに限らず様々な魚種を狙うアングラーが居ると思うがライフジャケットは必ず着用するよう心掛けて貰いたいと思う。

自分の為だけで無く家族の為にも…

追伸
先程、水没対応の修理業者に依頼したiphoneの修理が完了し残っていた画像を追加添付しています。

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