また笑って釣りをしよう。

生まれて初めて釣った魚は、はてなんだったか・・・?

釣り好きな父の影響で確か釣り堀だったかな。外房のマダイ?、伊豆のニジマス?
覚えていないだけで他にも釣りをした経験はあったと思っています、が、思い出せない。
 
ハッキリと覚えている限りでは
漁師であった祖父の船に揺られ初めての沖釣りに臨んだ小6の夏休み。

食卓に並んだ鯵とカワハギ、その殆どは祖父によって齎されたもので自分が釣った魚は僅かだけど、盛り盛りな武勇伝を交え「どう?どう?」とドヤ顔で囃し立て、肝醬油で食べたカワハギの刺し身は特に美味かったのを覚えています。

二児の父親となり覚え始めた疑似餌で初めて釣った魚は"鯖"でした。
帰省先の西伊豆の漁港からワゴンセールで手に入れた12gのスプーンをジグ代わりに投げていた。

初めての"鱸"
夏(鯖釣った年)に始め半年釣れず、秋を経て真冬の ららぽーと裏。靜ヘッド7gとR32で52cm。半年の間クリっクリの丸坊主でも釣りを辞めずに真っ昼間よくぞ釣ったもんだと


馴れないベイトのキャスト練習、サミーで鯰が釣れたっけ。こんな近所で鯰とは、その後バスが釣れ雷魚も釣れました。


釣り人の最初の魚
それは魚種それぞれ一度きりしかない特別な存在ではあるけれど"あの魚"はとりわけ特別な存在なのです。


2019年の夏のこと、初めて渓流魚を釣りました、ブルックトラウトです。

日本では千葉と沖縄、渓流魚がいないのは両県だけらしく四六時中シーバスマンな自分には渓流魚は縁遠い魚、そう思っていました。

立ち寄った書店でふと目にとまった雑誌を手にとりパラパラと頁を捲ったときです。

野性味溢れる精悍な顔つき、それでいて色彩豊かな模様を現したヤマメの姿に見惚れてしまったのだ。

魚の美しさは言わずもがな釣れた魚に敬意を表すよう被写体が一層引き立ち映える構図で撮られた"魚"が主役であるその写真。

ときに宝石とも比喩される渓流魚、その言葉を体現しているかのように見る者の心を奪うのには充分な理由がそこにはありました。


※余談ですが この写真を見た以後、いわゆる"物持ち"を撮ることはなくなりました。
あくまで主役は"魚" 。そうでありたいと考え、自分の代わりとして魚とともにタックルを添え撮るようしています。
 

いつしか渓流というフィールドで渓流魚を釣ってみたい、そう思うようになります。

未知のフィールドであること、自分の中で抱くトラウト釣りの敷居の高さ、そして幼少期のトラウマ(樹海で迷子)から独りその世界へ踏出せず月日は流れ、憧れはいつしか胸の奥で燻り熱を失いつつあることにすら気付かないほどでいた ある日、友人から1枚の画像が送られてきます。

なんとなんとヤマメです。
このとき久ぶりに人の魚を見て羨ましいと
そう思いました。

普段からベイトタックルで魚の付き場を探す釣りを好む私の釣スタイルを知っている友人曰く、

「絶対ハマるね」

そう言ってニヤリと怪しく笑うのだったw

フツフツと再熱する思い。
矢継ぎ早に質問を浴びせ揃えた道具と装備とで 、そのときを迎えようとします。


生茂る木々と苔に覆われた倒木のあいだを縫うよう流れる川、じわりじわりと得も言えないウェットゲーターの感覚、見慣れないカウボーイな毛鉤師達。

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目に写るすべてが新鮮で
ソコとアソコ、怪しいよね?

軽快に歩みを進め夢中で竿を振ります。

行く先先に宝箱があるけれど上手にアプローチをしないと中身は空っぽ。

気配を絶ち決まった会心のキャストで箱に手を掛けると宝石の様な渓流魚の姿がそこにはあるのです。

竿先で感じる躍動

縮まる距離

逃すまいと伸ばす手

フッ、と抜けるテンション

心の底から溢れる叫喚

あと少し、けれど遠い

手が届きそう、でも掴めない


釣りをしてきて これほど悔しいと思ったことはありませんでした。

地団駄をリアルに踏むほどにwww

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ドラマのような経緯を辿って念願の渓流魚をその手に納めたのは夕刻間近。

薄暗い森の中、歓喜に綻ぶ二人の顔。
友人は肩の荷が下りたでしょうw

ハイタッチとともにあのとき交わした握手を いつまでも忘れない


いつかの飲み会で「渓流魚を釣りたい」と声にして、あれから随分と時間が掛かってしまいましたね?

盛大に背中を押してくれた貴方の存在なくして、積年の思いは結実に至ってはないと思います。

ありがとうありがとう

その後も友人と共に竿を振る機会があり思い出の魚達を手にする。


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初めてのイワナ。


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初の単独で臨んだ渓流釣行では初ヤマメ。


暗い報道ばかりで先の見えない深い闇の中、心が沈み気味ではあるけれど明けない夜はない

またいつか

握手を交わしたいね

あのときのように

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