ナマズ神が降臨した週末遠征

Monsters Pro Shopのメインページ(http://www.monstersproshop.com)が、3月のサイトオープン以来初めての大リニューアルに成功しました。デザインが一気にスタイリッシュになり、SHOPも新たに作り直し、気分一新です!

やっと少し落ち着いたので、今月中旬の楽しすぎた週末遠征を備忘録として書き記します。

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金曜日の夕方。いつもより少しだけ早く、渋谷のオフィスを出て新幹線に乗った。

品川駅の中は人でごった返し。
東京・金曜・帰宅ラッシュのトリプルパンチで、当たり前のように指定席は完売していた。窓口で自由席のチケットを買うも、ホームの中まで大混雑だったので、椅子取りゲームは早々に諦める。新幹線を若干ナメていたことを反省しつつ、京都までの二時間ちょっとをN700系のドア付近で、車窓を眺め続けた。

京都駅に着くと、そこから電車に乗り換えてさらに移動。大荷物で満員電車はキツかったが、辺りも暗くなった頃、ようやく目的地にたどり着いた。

程なくして、古くからの友人 中西くんが、酷使しているはずなのに不思議なほど新車の匂いがする愛車で迎えに来てくれた。彼は関西で絶大な知名度を誇る釣り人で、夜の防衛大臣の異名を持つ若きスーパースター ペスカトーレ中西である。これまで本州各所はもちろん、北海道、四国、海外、離島と距離場所関係なく一緒に釣りをして来た。そして関西のフィールドに遊びに来ると、いつも時間を割いてサポートしてくれる本当に心強い釣り仲間だ。

狙いの魚はビワコオオナマズ(Silurus biwaensis) 琵琶湖水系の食物連鎖の頂点に立つ大型魚。懐かしい話に花を咲かせながら水辺に移動し、始まった夜釣り。

月が反射し幻想的な水面に向かって、中西くんが世に生み出した名竿 エルホリゾンテ70を振り抜いた。この竿は”異例”といえるほど長い期間テストを繰り返し、こだわり作ってきた過程を見てきた。彼の人生とともに育ってきたこの道具が、いまや多くの人々に愛されるものになっているのは感慨深い。


もう5時間ほどルアーを投げ続けただろうか。激流の中で突然、生命感のある感触が伝わってきた。反射的にアワセを入れ巻き上げると、何かが釣れた。

暗闇の中うごめく魚は、本命のビワコオオナマズでは無い。ブラックバスでも無い。マナマズとはまた違うオーラを放っていたが、中西くんが「イワトコやー!」って叫んだ瞬間「まじか!?」ってなった。イワトコナマズだった。

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嬉しすぎる人生初イワトコナマズ。思いかけない出会いだった。

その後は一度のアタリも無いまま、”時合い”と言われる時間帯が過ぎていく。「今日のところは魚に勝ちを譲ってやろう」本命は釣れなくても最高の雰囲気の中、楽しく釣りができたので心から満足した夜だった。


翌日は京都観光しつつ、釣具屋にも行った。昨晩の釣りを反省してみると、持って来たルアーが少なかったことで、攻めきれなかった部分があったと感じていたので、久々にルアーに思いっきり投資した。相当気合が入っていた。

中西くんと合流し、腹ごしらえをして釣り場に向かう。一番行きたかった場所にはすでに釣り人が立っていたので、一歩引いたところから魚を狙う。
ルアーを投げ始めて一時間。いまだ反応は無かったが、この日は予感のようなものを感じていて、いつ来るかわからない大物の気配にずっとドキドキしっぱなし。

そして二時間が過ぎ、「そろそろいい時間帯かな?」と思った頃、ついに水面に反射する月の光めがけてぶん投げたルアーに、重い生命反応がのし掛かった。

間違いなく本命の”ビワコオオナマズ”が食いついて来たのがわかった。

糸が一ミリたりとも緩まぬよう、曲げた竿が一ミリたりとも戻らぬようテンションを変えずに魚を寄せる。興奮し過ぎて断片的な記憶しかないが、ピンと張った糸が大きな岩に触れそうになったのが見えて、水の中に飛び込んで岩を交わした。中西くんが一発でナマズの口をホールドしてくれたところで、緊張が安堵に変わった。腰が抜けたかのように、しばらくの間立てなかった。

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足元に横たわる巨体を見て、大きさにビビる。そして嬉しさがこみ上げる。

 

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中西くんあっての一匹、そして夢のような大物。これ以上ない美個体。

このナマズの育ちすぎた腹の中には、「どうやって食べたの?」って不思議になるくらい極太のウナギが一匹入っていた。重量感もすごい。


この魚に初挑戦したのは、もう8年以上前。夜行バスや鈍行、調子に乗って乗り回してたアメ車など、あらゆる手段で仙台からこの魚を求めて通っていた。

一週間(しかもお盆の時期)釣り場にこもって、この世のものとは思えない変なものまで見え始め、精神錯乱したんじゃないかと自分自身が心配になった時もあったが、その先で手にした70センチちょっとのビワコオオ”コ”ナマズに感動し、次は絶対ビワコオオ”オオ”ナマズと釣ってやると思った数年越しの夢の魚がこの一匹だった。本当に震えるほど感動した。

この写真の撮影直後にリリースしたのだが、

・手は十分に濡らし、温度を下げてから魚に触る。
・撮影時、魚を水から出すのは一瞬だけ。
・フィッシュグリップでアゴを貫通するような持ち方は極力避ける
・エラに水を十分に通し、呼吸を整えてからリリース

上記のような最低限のケア術を、ビワコオオナマズに挑む釣り人全員(それ以外の魚も同じ)、徹底的に実践してほしい。これは個人的な意見だが「生態系の頂点に立つ生き物ほど、数が少なく環境に対応するスピードも遅いため、滅んでしまうのも一瞬だ」と思っている。今回一匹の魚を傷つけた分、その償いとしてここに書き記した。一人でも多くの人に見てもらって考えてもらい、一匹でも多くの魚が無駄に傷つかなければいいな、というのが本音。

ビワコオオナマズ・河川の釣り…について知っておいてほしいこと。
http://pescatorenakanishi.blogspot.jp/2015/09/blog-post_9.html?m=1

ちょうど”時合い”のタイミングに入ったところだったが、この日、これ以上は求めずに釣り場を後にした。


イワトコナマズ、ビワコオオナマズと釣り上げたら、24時間が経過する前にもう一種釣っておきたいナマズがいる。

さっき拾った小さめのルアーを改造して用水路巡りを開始。
「この時期に水面引き波系ルアーはちょっと時期外れじゃないか?」なんて思ったのも束の間、釣り竿が曲がった。中西くんが知り尽くしたナマズポイントを巡ってくれたおかげで、時間内にマナマズまでゲットすることができた。

ナマズハットトリック24達成…!

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マナマズもいいサイズ!今年ラストになるであろうトップウォーターゲーム。

何をやるにも楽しくて、見るもの全てがキラキラしてた 今思えば”青春ど真ん中”を謳歌していた頃の仲間と、タイムスリップしたような懐かしい気持ちで最高の釣り、最高の休日を過ごすことができた。中西くん本当にありがとう!

間違いなく今年一番充実した週末の出来事でした。

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イワトコナマズ  
ロッド:エルホリゾンテ70 
リール:クラド301E 
ライン:Avani castingPE SMP 4号(リーダー50lb)
ルアー:ノーマン

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ビワコオオナマズ
ロッド:エルホリゾンテ70 
リール:クラド301E 
ライン:Avani castingPE SMP 4号(リーダー50lb)
ルアー:スポット

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マナマズ
ロッド:エルホリゾンテ70 
リール:クラド301E 
ライン:Avani castingPE SMP 4号(リーダー50lb)
ルアー:拾ったルアーを即席で改造したやつ

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