突撃後記 *釣りじゃないっス

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* すいません、クソ長いっス(苦笑

ワタクシの所有してる物の中にすこぶる煩わしいアイテムがある。
人用のモノサシ である。
これを所有している事が負担でしかたない。

人用といっても、いけ好かないヤローにこっそりあてて、
その「人物度」を測って嘲ったりするようなもんでは無く、
ましてや釣れた魚風に地面に寝そべり、その横へモノサシあてて
「デカイの捕ったどー」とか書いた画像をフェイスブックに投稿して
「いいね」してもらうようなもんでもなく、
相手と自分の間に置き、相手が自分に対して望んでいる正確な距離を測定する為のモノサシ。

同じ相手でも状況によりその「望む距離」が変わるので、
その時その時で正確な距離を測定する必要がある。
ヒトタビ測定し損なってしまおう物ならば、
その人は風景と同化してしまい、自分の人生に「人」として、
「関係する相手」として、その姿を表してくれなくなるのだ。
夏目 岩石だか落石だかいう人が、とかくこの世はなんとやら と詠んでいたけども、
まったくもってなんとやらだわ。

生きていく上で人と関係していく事は必要不可欠。
利己的に生きる事が許される現代において、
そのモノサシの精度が後の人生を大きく左右したりする。
そんな事を考えるとモノサシ所有が面倒でしかたないし何より怖い。
でも捨てられない。

気が付けばワタクシのまわりには「有益な人」との関係が沢山。
それだけ自分が利己的に生きてきたことを表す。
なんだかなー・・・。

3年前に初めて大隅にお邪魔をしてたろう君のお世話になった。
昼ごろに分かれ、堤防からルアーを投げたくなり単独で漁港に行ってみた。
漁港の横のだだっ広い駐車場であろう場所に車を止めた。
車から竿を出してる時、白い軽トラが現れてワタクシの車の隣に90度向きを変えて止めた。
降りてきたオッチャン2人に挨拶し、この場所に車を止めて大丈夫かを尋ねた。
挨拶を返してくれた後「そんな向きで車とめたらダメだろ。軽トラの向きと合わせなさい」と叱られた。
「どこから?」と聞かれ福岡と答えると、無遠慮にゲラゲラ笑われた。
余程の物好きに見えたらしい。
まぁいいか。

どう見ても向きを合わせる必要などなさそうなくらいスペース有り余る場所だった。
人や車もほとんど見当たらないし、向きを変えた事で生まれる利点があるようには思えなかった。
しかしながら地元の人が作っているルールなら、お邪魔している身のワタクシが従わないわけにはいかない。
「すいませんでしたー」一言謝罪して車を止め直し、堤防へ向かった。

しばらくして堤防を見回してみると、さっきのオッチャン2人も堤防で釣りしてた。
漁港の人かと思ったらどうやら釣り人だったらしい。
そのオッチャン、ワタクシの堤防釣りのイメージとはとても似つかわしくないバズーカ砲みたいな竿を出していた。
関わる気は無かったが、あまりにも「あまりにも」な竿なので、近寄ってターゲットを尋ねた。
狙いはアラなんだと。
こんなとこでアラが!?しかも堤防からって・・・面くらってると
「福岡の人間は魚釣り知らないんだな~。ちゃんとした魚釣りしなさいよ」
またゲラゲラ笑ってやがる。

ストレートは危険だが、半歩ほど踏込み効かせたジャブ程度なら、、、
「オッチャン達はその道具がちゃんと機能する腕もってるんですか?」
帰ろうと思った。
ジャブを打って気が紛れたし、なにより以降に良好な会話は望めないはずだ。

「がははははははは!」

聞こえてきたのは豪放磊落な笑い声。
この人達には「のりしろ」がある。

人間関係の構築って紙でサイコロ作るようなもんだと思ってた。
失言や失態は許容という糊をもって「のりしろ」に収められ、
自分と相手、辺と辺をつないでゆく。
つなげたら転がって、六がでたら賞賛し合い、一がでたら一緒に笑い飛ばす。
それで万事OK!
その関係が有益、無益は2の次だった。
現実は全然違うけども、人間関係ってそんな感じだと思っていた。
そんな追憶の中にある「のりしろ」がこのオッチャン達にはあった。

堤防の上で3人、1時間程雑談に興じた。
3人とも笑いっぱなしだった。
別れしなに電話番号を聞かれ、連絡先を交換した。
滅多に出てこれないし、時間も限られるので再会は難しい。
相手もわかっているけど、ノリで聞いてくれてるんだろう。
思ったのはその程度。

翌日朝は別の漁港で釣りをして帰路についた。
熊本のパーキングで一休みしてる時に電話が鳴った。
オッチャンだった。
「もう帰りついた~? 熊本か~ 気を付けて帰りなさいよ~」
帰りついてすかさず無事帰宅の電話を返した。
「次は何時帰ってくるの~?」
これは郷を離れた同郷人に向ける言葉だよな。
そう思うと凄く嬉しくなった。

それからちょくちょく電話をいただき、
「何時帰ってくるの~?」と問われる。

去年はバーベキューに呼んでいただいた。
遠慮なく食いまくった(笑

今年は突撃初日の夜に皆でご飯食べた。

モノサシなんか必要ない、気持ちを裸にフルチンの心で接せられる人たち。
もちろんたろう君はじめ、たろう君を介して知り合った人たちも。
素晴らしいジャマイカ、鹿児島の人たち。

ワタクシの釣り道具はなかなかうまく魚を手繰りよせてくれませんが、
上等な人々は直ぐに手繰り寄せてしまう道具のようです。
良い道具じゃないか。

ビバ大隅!ビバ鹿児島!

いつもワタクシに付き合ってくれてありがとうございます!
また次もモノサシを押入れに突っ込んでフルチンハート引っ下げて差向いたいと思います!
出来るだけ地元の方に迷惑が掛からぬよう尽力いたしますのでどうぞよろしくお願いいたします!

鹿児島っていいね!

釣りっていいね!

お後がよろしいようで。
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オッチャンの表情が全然楽しそうじゃないけど、皆楽しんでたからね(笑

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