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禍福は糾える縄の如し
(かふくはあざなえるなわのごとし)とは、
人生をより合わさった縄にたとえて、幸福と不幸は変転するものだという意味の故事成語です。
不幸を嘆いていると、いつの間にか幸福となり、幸福を喜んでいると、また不幸になる、ちょうどそれは「より合わせた縄のように表裏が交互にやってくる」ということを表しています。
感染病に心を悩まし、外出を控えたりている方が殆どだと思います。 人生不幸ばかりではありません。
希望を持って生きて行きましょう!
▼ 島くらしのススメ【0尾目】其の二 離島転勤は天国か地獄か
- ジャンル:style-攻略法
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離島への転勤は、天国なのか、地獄なのか?
何も無いから、あるべきものが其処には在る。
これはある一部の人間には、天国だし、ある一部の人間には、地獄でもある。 島には何もないと言う人には、まず地獄であろう。 ある事に気が付くまで、自分も其の内の一人であった。
この物語は、便利な土地でしか、暮らした事の無い自分が、如何に島の生活に溶け込んで行ったかを綴る物語である。
自分は転勤族である。 世間からは社畜と言われる。
異動命令があると、住み慣れた土地を離れ、見ず知らずの新たな土地で根を下ろす。 まるで、タンポポの綿毛が風に吹かれ、落ちた土地で根を張るように。
今まで釣りを始める切っ掛けはいくらでもあった。
鹿児島、佐賀、神奈川、石川県と、海岸沿いの地区に異動して来た。 特に鹿児島の九州赴任時は、法人契約した賃貸物件が超S級ポイントが点在する海を見渡すことが出来るリゾートマンションだった。
近くの波止では、真っ昼間に近所の爺さん婆さんが、所狭しとサビキで、メッキを釣っていた。
しかも
鈴なりで(笑)
婆さん「唐揚げにすると美味しいよ」
確かあちらの言葉では、メッキをエバと呼んでいた。 10~12cmのアジに似た見慣れない魚は成魚で、それ以上成長しないもの思い込んでいた。 成魚になると180cm近くまで育ち、水鳥までも捕食してしまうそうだ。
爺さん「兄さんもやってみなよ?」
婆さん「そこの釣り具屋で、安いサビキセットあるから、それで十分」
結局、釣具店にすら行くことはなかった。
餌のアミ海老の臭いに抵抗があるとか、仕事が忙しいとか、汚れるのは嫌いとか、何かと理由を取り繕い、今の自分を正当化して、チャレンジする機会を自分で潰してしまった。 人は自分に対し時として甘くなる。
そもそもアウトドアは苦手だ、大人になり虫や汗ばむ暑さが益々嫌いになった。 苦手意識から一歩踏み出す勇気が持てなくて、自分の視野を狭くしてしまう。
九州赴任時から始めていればと後悔している。今、考えれば非常に勿体無い事をした。
釣りを始めたのは、2013年7月の香川県小豆島に赴任時代である。 今となっては釣りは、生活ルーティーンの一部と断言出来るまでに至った。 歯磨きや風呂に入らず寝てしまうと気持が悪いのと同じく 釣り をしないで寝ると、納まりが悪く落ち着かない。 世間からすると釣りは、マイナージャンルの趣味の一つと思われるが、島民の釣り好きにとっては、生活の一部であり、人生の一部と言える。
其れまで釣り自体を自分の中で軽視していた。 価値を見出せなかったので、自分でチャレンジしてみようとは思った事がなかった。 もっと正確言うなら、釣りを野蛮人の趣味と決め付けていて、何処か下に見て小馬鹿にしていた節があると述べた方が適切だと思う。
汚ない 臭い
これは一般的な釣りに対するイメージだろうと思う。 これは何も間違いではないと思う。
実際には、
汚れる 匂う 暑い 寒い だと思う。
否定的な意見を列挙したが、それを大きく上回る喜びがあるからこそ、
釣り人は存在し続ける。
自身の置かれた環境の変化というものは、何か新しい事を始めるには良い機会なのだか、自分はそのチャンスを尽く不意にしてしまっていた。 次の新しい土地で新しい事にチャレンジしようと反省するのだか、 「 安定 」 「 安心 」 の中に身を任せしまい従来の殻を脱せずにいた。 毎回、転勤の度にこの負のループの繰り返しである。
何故、釣りを始めたかは、簡単に纏めると 島に何もないから なのだかが、それだと言葉が足りない。
何も無いから、在るべきものがあるからである。
島には都会のように便利な生活は、望んでもお目に掛かれない。 しかし、便利な生活は、街へ出れば何処にでもある。 恵まれた自然や平穏で静寂に満ちた暮らしは、他所では簡単に見つけることは出来ないのも事実である。
物質的に豊かな生活が上質な人生なのか?
個人的な意見を言わせて頂くと、答えは完全に NO である。 この事は、島内外での生活を経験して、初めて分かる事なのかもしれない。 島には日本人が忘れかけた心使いや思いやりが残っている。
もしかすると、物質的豊かさを手に入れるために、我々日本人は、本当に大切なものを犠牲にしてきたのではないだろうか。 戦後米国GHQの統治下に置かれ、大量生産大量消費の価値観を植えつけられた。 そもそも此れが間違いの元ではないだろうか?
離島生活を天国と感じる人は、少なくとも何もないから幸せと思える人である。 何も無いからこそ、あるべきものが其処には在る事を感じ取れる人である。 幸い自分が赴任した3年間で十分理解し、島の生活を最大限満喫出来たで、自分は幸せな人間である。 考え方を変えればこの3年間は、
会社から給料と賃料を出して貰いながら、リゾートしていたのも同然である(笑)
今は、同じ手口を使って、
宮古島に行く野望を秘めているのは内緒だ(爆)
香川県小豆島に赴任する前は、石川県の金沢市に赴任していた。 香川県に赴任が決まった時、小豆島について色々と赴任前に下調べをした。
準備が良いのではなく、ただただ不安で仕方なかった。不安を紛わす為なのか、事前情報を掴んでおく事で不足の事態に対処し易くしたかったのか自分でもよく分からないが、恐らくはその両方からだと思う。
前述した赴任先以外にも、今まで長野県の松本市、福島県の福島市、東京都町田市と各地へ赴任経験があり、地方都市の赴任先で馴染む自信はあったが、街中で育った自分にとって、不便な離島で生活する自信が無かったからである。
離島という環境は、四方が海に面していて、物理的に空間が遮断される。 夜21:30以降は、フェリーの便が無いため、自家用ボートを所有してない限り、近くの都市とは行き来出来ない。 まず、此の条件が不便さを感じさせるのだが、生活する上でそれ程必要ない。
確かに毎月の会議に出るため、高松空港経由で関東の某所に通うため片道6時間掛かる。 帰りは羽田発の最終便になるのだが、毎回フェリーの運行スケジュールを気にしていた。
買い物は?
食事は?
余暇の過ごし方は?
今、考えれば馬鹿な心配をしたと笑って居られるが、その当時は真剣だった。 引っ越しの道中は、期待よりも不安に支配され、憂鬱な気分だったのを覚えている。
それでも、前向きな自分が居て、
離島でも何とかなる
と自分に言い聞かせていた。
フェリーの道中、頭の中には
ドナドナが流れてた(笑)
しかも
ループ再生状態(爆)
いい加減気が滅入るので、無理矢理心の中の 「 停止ボタン 」 を押すのだか、忘れた頃に再生されている。 困ったものだ。
金沢市から香川県小豆島へは、京都、大阪、神戸を経由し、姫路港から小豆島福田港に降り立った。
姫路港の寂れた雰囲気から察しは着いていたが、小豆島福田港フェリーターミナルなのに何も無い事に衝撃を受けた。 東京の晴海埠頭のフェリーターミナルとは、天と地程の違いだ。 大概フェリーターミナルは、不便ではあるのだか、想像を遥かに超えて来る。
ターミナル敷地の片隅に設置された自販機が異常に目立つ。 目立つ理由は、沢山並んで設置してあるとかでは無くて、 「 ポツン 」 と置かれているので余計に目立つのだ。 本来ならば自販機が設置されているのを有難がるべきなのだか、当時の自分には余裕が無い(笑)
まず、下船する数人の乗客とわずかな係員以外に
人の姿を見かけない(笑)
当たり前なのだか、平日昼間なので子供は学校へ、大人は仕事へ行っている。 働く人の姿をもっと見かけてても不思議ではないのだが、本当に人の姿を見ない。 今は春の走りで観光シーズンはこれからなので、旅人の姿も無い。
街並みと表現するのが正しいかは分からないが、杉の板を火で炙り、防腐加工された板を外壁として打ち付けた小さな民家が、港のお土産屋を中心肩を寄せ合っている。 島の古民家は、皆この古ぼけた様な外装は、海と山と人とを繋ぐ慈悲深さがあり、どこか牧歌的な雰囲気を醸し出している。
町並みを興味深く眺めていると、ある曲が脳裏に流れ出した。 大学時代の友人がカラオケでお箱にしていた 浜田省吾の 「 Money 」 という曲である。
その曲のあらすじは辟易そいた田舎暮らしに嫌気が差し生まれ故郷を捨てて、都会で金持ちを目指すという曲である。 その歌詞に 「 この町のメインストリート僅か数百メトール... 」 を不意に思い出し、口ずさんだ。
が... 数百メートル無いよ(笑)
数十メートルじゃねえか(爆)
野球のボール遠投したら、集落を越せる。キリッ
目的地の小豆島土庄町までは、カーナビのルート検索をしたところ、南まわりと北まわりルートの二択しか表示されない。 敢えて遠回りの南ルートを選んだ。 少しでも繁華街を通り、実際の生活をイメージしたかったからだ。
後日知ることになったのだが、カーナビの北回りルートを選んでも、風景は大して変わり無かったのだが...。
車でいくら走れど、片道車線の山道の葛折りが幾ばくか続く。 左手には瀬戸内海の播磨灘が、時折木々の合間から垣間見る事が出来た。
6キロ程走ったが、信号機が一つも出て来ない。車両もすれ違わない。マジか!?
正に 大自然‼︎
ちょっ‼︎
こんなの望んじゃないんだよ。 益々不安が募るばかり。 ここまで先に述べた数人の観光客と係員以外、人一人居ない(笑) 後に気付くのだが、野生の鹿と猪、猿が非常に多い。
トンネルを抜け、さらにカーブを過ぎる。 さらに歩みを進め坂手の馬越辺りに差し掛かると、住宅と商店街が散見出来た。
待望の最初の信号機発見‼︎
続いて
第一村人?発見!!
どこかのTV番組みたいだな(笑)
しかし、
マジ、超~嬉しい(笑)
人の姿を見かけるだけで、安心する不思議。
島に信号機すら無いと、変な先入観が刷り込まれてた。 此れは2012年頃、テレビで放送されていたビックダディーの特番が原因だ。
当時のビックダディーの住まいは、島の北側だと記憶している。 良く言えば、本当に島らしい風景が残るエリアだ。 悪く言えば、信号機すら無い。
理由は分からんが、兎に角、文明社会に再び出会えて、安堵したが、不安も増した。 普段なら何処にでもあるはずのコンビニやガソリンスタンドが無いのだ。 土庄町の法人契約した物件所在地の近辺に着いたのだが、GoogleMAPでさえ正しい住所が表示されない。 生まれて始めての経験だった。
近くの空き地に駐車し、物件を探したが、それらしい物件が見当たらない。 超~ボロい倉庫らしい2階建物件はあるのだが、香川県小豆島土庄町○○ 502号 というメールで送って貰った住所から、5階建て以上の建物を探した。 通常ホテルや賃貸物件の部屋番号の百の位は、階数に該当する。 101号なら一階、201号なら2階、301号なら3階…という具合である。
該当する物件が近隣に無いため、うろうろ探しまわしていたら、オニギリさん此処です!と社員に呼び止められた。
なんと、先程最初に見つけた
超〜ボロい2階建物件(爆)
物件を取り囲むように膝の高さにブロックが配置され、その上に白いメッシュフェンスがあるらしいのだが、蔦が目いっぱい絡みつき、アスファルト舗装されていない箇所は、まだ春先なのに肩の高さまで成長していた。 築15年以上は経過しているだろうか。 後に島を離れる解約時に分るのだが、実際には海風に当り、外壁の風化が早まっただけで、築8年程度でした。 入居時の風呂場の鏡は、水道水に含まれるカルシウムの固着汚れで白濁し、自分の顔すら写らない(笑) これはアルミホイルで磨き新品同様にした。 便器は黒ずみ汚れが媚びりついている(笑) この汚れは、洗剤とサンドペーパーで全部ピカピカに磨いた。 退去時に無駄な修繕費を取られるのもしゃくなので、スマホで入居時の写真を撮影した。 清掃の甲斐もあり、退去時に不動産屋が 「 今まで綺麗にお使い頂きありがとう御座いました 」 だってさ。
古い物件とは事前に伺っていたが、久しぶりに
許容範囲を超えてきた(爆)
後で聞いたのだか、そもそも賃貸物件が少ない上に、空きが少なく。 同じボロさならば、少しでも生活が便利な立地にしたらしい。
島での夢の生活オワタ!!
初日から早くも暗雲が立ち込める。
この先どうなる事やら、将来が心配だ。
今までの転勤を繰り返した経験上、古い賃貸物件はアブラムシとかムカデとか出るから嫌いだ。 幸いアブラムシは一度見かけただけで済んだが、ムカデは出ることなく過ごす事が出来た。
だけれど、
ある朝目を覚ましたら、
磯蟹が床に落としたパン耳食べていた事に驚いた(笑)
ここ二階なんですけど!?
どこから入りやがった???
蟹を発見したときは、流石に実家に戻りたくなったが、 今思えば蟹もフナ虫もゴキブリも同じ(笑) 特にフナ虫の円らな瞳可愛いよね?
それでも、立地に関しては生活には便利で、小さくはあるが、二つのショッピングセンターに挟まれ、近所にはオープンしたてのコンビニや飲食店まである。 おまけにフェリーターミナルも徒歩で移動可能で、高松市内まで高速艇を使えば25分。 下手な日本の地方都市の端に住むより全然便利だった。 其の上、窓を開ければ海が眺められる事は、大い気に気に入った。
心配は安堵に変わり新たな悩みが生まれた。
休日は何して過ごせば良いのやら?
引越しの荷物を開封し、生活を落ち着かせる。 自分は社畜の鏡なので、引っ越す前は3日間、引越し後は2日間あれば生活する準備が整う(笑) 慣れているのもあるが、当時から自分は生活用品を余り持たない今流行りのミニマリストであり、生活用品の管理方法に引越しをスムーズに進める秘密がある。
新しい職場に慣れつつ、休日は買出しついでに観光をして島を巡った。
エンジェルロード、寒霞渓、醤油蔵、
映画村、大阪城記念公園、瀬戸内芸術国際の展示アートの数々、オリーブ園、二十四の瞳。
だがしかし、新天地の観光は、
2日間あれば十分足りた(爆)
赴任初月度の3月中旬にして、
既にやる事が無くなった(爆)
観光地たる観光地は既に訪問したし、島内の殆どの飲食店で既に食事をしてしまった。
観光ガイド掲載の観光地を行きつくした時の絶望感(笑)
我、退屈極まる。
つづく
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- 2020年2月17日
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