絶不調の浜名湖。
イヤ、私の腕の問題も多大に影響しているのだが。
回りの仲間からもイイ声が届かない。
ということは、私がヘタなワケではない。
きっと。

そんな中、コンコンとベイトの修行。
ガキの頃やってたバス釣りをフラッシュバックさせながら。
ベイトシーバス。違いはキャスティングにある。
ボートや小河川なら話は違って来るのだろうが、基本ロングキャストになる。
当然アキュラシーも乱れるワケで、この点については、ベイトでやる意味があんのかと、少しばかり切なくなったりもする。

それでは私が可哀想なので、ベイトでの利点を探す。。
最大の恩恵は、太いラインが巻ける。
コレは私にとって最大の利点。
太くても、飛距離にたいした影響がない。
17エクスセンスですと、3号が100mも巻けないが、サーフで使うわけではないので十分なのである。
後は、ロングリーダーへのストレス減。
高切れの悩みがかなり緩和。
先日のログのコメントで教えて頂いた。

ロッドにもよると思うのだが、投げるルアーによっては、スピニングよりも飛ぶ。

そして、最大の恩恵は感度。
ニブイ私にはとてもありがたい。
前当たりとでも言いますか、いわゆるキスバイトがよく分かる。
コンコン。
コレが良く発生する日は、あんま釣れん。
チヌも同じ様にコンコンが分かりやすい。
スピニングより鮮明。

只、今使ってるロッドが固くて良くバレる。
未だにノーキャッチ。
いや、自分がロッドに寄せてかないとね。
悪いのは、ロッドではない。

そして、コンコンとロッドを振ったが、今日もフラれた。


お？
足元にドーマンの子供。
コンな所にもおるんやな。
釣れない時は、こんなことが嬉しかったりする。

そして、帰り道。
長時間のウェーディング。私は高確率でコンビニのトイレに寄る。
腹が弱いのだ。

最近はトイレバッティングが多く、空いてると小さなココロのガッツポーズをする。
釣り人は、よりこの傾向が強いではないか。

そしてこの安堵感の中、事件は起こった。
腰を下ろして、2分位しただろうか？
扉の下に人影がチラチラ、ソワソワ動くのが見える。

何か気が散る。

そして、次の瞬間。
コンコン！
？！
何だ？

....コンコン！

何者かが、ノックしてくる。

内カギは閉まっている。
当然、外の表示も赤のはず。

まだ、開始2分。
コッチだって、出るわけにはいかない。
因みに私はチマタでは長グソで有名。

そもそも、トイレのノックというのは、昔々にトイレの鍵が内側の独立式になっており、不親切にも赤い表示も表に出ておらず、あきでも扉が閉まっていた。
その為、利用者は扉をノックし
「入ってますかぁ」などと、やさしめの声で確認をしヨウをたしていた。
コレは、釣り場に入るときのエチケットにも共通する。
まさか、マナーが悪いアングラーが最近多いのは、このシステムが無くなったのが原因か？

いや、今はそんな話はどうでもいい。

沈黙の時間が流れる。
額にはじんわりと、油汗だろうか部分的に湿度があがる。
息を殺して壁を見つめる。
張り積めた空気が密室を埋めていく。

そして、3度目のコンコン。

きた！
向こうも本気だ。


確認の為のコンコンでは無いことは、じゅうじゅう承知。
急かしてるんだろ？
しかし、私もまだ5回裏くらい。
コールドゲームにするわけにはいかない。

そして、私は反撃を決意する。

「入ってまーす。」

...何を言ってるんだ私は。
今のは逆ノックが正解だったのでは？
釣り同様、瞬間的に答え合わせをする。

すると、人の気配が消え安息の時間が訪れた。生の声が良かったのか？
よかった。メテオ並の攻撃力があったのだな。でも何か、便意も止まってしまった。

まぁイイ。

そそくさと身支度をし、トイレから出る。

と、男が扉横にたたずんでいる！
うお！
マジでビックリした。

犯人は、コイツだ！

いや別に彼は悪いことはしてない。
が、身構えてしまった。
大切な何かを失ってしまったような表情。
そして彼は、力なくトイレに消えていった。

戦いは終わった。
仕方なかった。お互い譲れなかった。
私にもう少し余裕があれば、彼はまた違った光景を見ることが出来ただろうに。
振り返り、扉にむかって私は2度3度小さくうなずいた。


日常に潜む、小さな人間模様が映し出された出来事だった。

皆も、釣り場では声をかけようね。