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釣り場を守るのはマナー

記録的な猛暑や大雨で、例年よりも、ややロースタートとなっているように感じますが、夏といえば『夏休み』、夏休みと言えばみんなが大好きな『レジャー』


我々が日々楽しんでいる『釣り』も一般的にはレジャーの一つ。

楽しみ方は人それぞれですが、ついて回るのが『マナーが悪い』とか『モラルの欠如』といった言葉。

今回はレジャーにまつわるマナーやモラル、その概念、そして釣り場を守る、という事について考えてみたいと思います。


 




【マナーとは】


そもそもマナーとはどういったことを指しているのか?


『一人ひとりが他者を気遣い、不快な気分を与えないように行動をする事』と言うのが根本的な概念となります。


一方で、明確な法(ルール)とは異なり、"テーブルマナー”のように既に定型化され、広く定着している場合もありますが、

それすらも、日本と欧米では異なるように、個人や地域で価値観や考え方による差異が現れやすい、曖昧なものとも言えます。


また、左利きの人は苦労したかもしれませんが、お箸は右、のような様式美に過ぎない、道具の利便性としてはどちらでも良い筈の物が、強制力を発揮してしまう問題もあります。



さて、釣りに例えるなら、


・ 30m下流側にいたはずのアングラーが、何食わぬ顔で距離を詰めてくる。
・ 不用意にビカビカと周囲をライトで照らす。


など、『実害はあまり無いがハッキリ言って不快だし、たび重なると超ストレス(ムキー)』といような事例をよく聞きます。



こういった軽微な事例では、双方、あるいは片方が『ここはひとつ大人になって』相手の立場を思い計るか、話し合うかで(釈然とするかしないかは別として)解決または回避出来るように思います。



ですが、マナーとはルールではありません。


特に釣り人同士の場合に、絶対的な正しさ、という物は存在しません。

この為、自分の正しさを押し付けるのではなく、それをされると私は嫌なのです、不快になるのです、だから止めて下さい、という、あくまで意思表示を行い、判断は相手に委ねる物となります。

高圧的な態度で相手に要求するのは違います。


一方で、誰かに言われて、そんなの知るか、と思った事がある人ほど、最後まで読んで下さい。




【対してモラル(道徳)とは?】


法以前に、人が認識する正しい事と悪い事の分類や判断であり、『社会の大多数によって共有し守られるべき判断基準』といえば良いでしょうか。

この為、直感的であり、殺人のような共通性や一貫性が高い事例から、トロッコ問題が有名ですが、回答者に一貫性が無い場合もあります。



法律や条例のように明文化されているルールとは違っている点でマナーと混同しがちですが、レジャースポットのゴミ問題などに代表されるように、

モラルに反した行動(多くの人が悪い事に分類する行動)をした結果、それが社会問題に直結し、ルール(法整備)化される場合が多いと言えます。


モラルの欠如とは、これは悪い事なのかを考えない、悪い事をしてはいけない、という意識の欠如と言えます。


この為、モラルの欠如により起きる行為に対しては、ゴミのポイ捨てや、迷惑(違法)駐車等が、法律(条例)で禁止されている様に、より多くの幸福を実現するために、立法や、行政などが対応を行う事もあります。





【マナーが悪くて閉め出し】


また、個々が、マナーの概念を持たずに、他者の迷惑を一切、考慮せずに行動を続けると、どうなるでしょう。



7/27付の京都新聞にこんな記事が。-以下引用-

 
水上バイク閉め出し 彦根の琵琶湖岸、異例措置

滋賀県と彦根市は8月2日から、同市松原町の琵琶湖岸で水上バイクの閉め出しを始める。けん引する車が入れないよう、入り口を9月末まで封鎖する。

《中略》

水上バイク利用者のマナーは悪い。一帯の湖岸は静かに徐行する必要があるが、早朝からエンジンの爆音を響かせる人が後を絶たない。湖岸でバーベキューをしてごみを散乱させたり、火の後始末をせず、ぼやになったことも。狭い道に路上駐車が相次ぎ、住民は車を走らせるのに不便だという。

県と市は地元自治会から2016年に要望を受け、対策を検討。

マナー改善をレジャー客に求める活動を続けたが、効果が薄かったことから、試験的な利用制限に踏み切った。

引用終り
引用元:https://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20180727000166



1,マナーが悪い(他者の迷惑を考えない)人達が集まり

2,その様な人達が集まった結果、モラルも欠如し違法行為が横行して

3,集まらない様に締め出す施策がとられた事例と言えます。




記事では『水上バイク利用者のマナーは悪い。』と断罪されてますが、迷惑行為を行わない様なアナウンスや地域との話し合いなど、最悪の事態を回避する為に関係者が行動したかも知れません。


しかし記事によると、「個々がマナー(他者への迷惑)を考えよう」という声が届かず、最終的には、ゴミの散乱や、ボヤ火災、迷惑駐車と、

モラルの欠如がもたらした、法律、条例などへの違法行為が多数確認されて、今回の決定がなされたと言えます。



『音がうるさいから湖畔は徐行しよう』


全ては、人が不快な事は止めよう、という意識の欠如から始まったのはではないでしょうか。





【では釣り場はどうか?】


 



毎月のように日本各地で釣人のマナーやモラルを問う記事を見かけます。

最近の事例ではやはり、涸沼のキャンプ場周辺での問題が記憶に新しいかと思います。



涸沼の問題に関することの詳細は他の記事に譲りますが、我々が如何に注意深く行動しようとも、キャンプ場の来場者である『釣りを一切行わない人』から見た時に、

深夜の暗闇で意味不明の物音を立て安眠を妨害し、時に釣り針などの危険なゴミなどを落として自分の身内を危険に晒す釣り人は非常識な利用者意外ナニモノでもありません。



この事例では、もはやマナーの啓蒙、他者の迷惑を考えて下さい、というお願いではなく、モラルの欠如への対処として、悪い行為を止めさせる方法を実施する段階と進みかけた、と言えます。


先の項で述べたように、地域住民をはじめ水産業関係者や釣り以外の観光客の多数が迷惑を受けていると判断されたとき、行政は、悪い事を止めさせる義務により、介入します。


マナーの啓蒙とは、他者への迷惑を考えて下さい、というお願いであり、それを無視し続ければ釣り場はなくなります。





【他人を守る事が釣り場を守るかも知れない】


釣り場が無くなるたびに、多くの釣り人が涙を飲みます。

釣り人にはどうしようもない《ソーラス条約》などもありますが、多くの場合はその場所を利用した人々が残した結果である場合も多く存在します(ある意味自業自得なのかも)


直接的で明快な解決策はなかなか提示出来る物ではありませんが、他者に迷惑を掛けず、不快感を与えず、釣り場周辺の問題解決の一助を担う事が近道なのかもしれません。


そして、釣り場を守るとは、遵法(ルール)は勿論の事、もっとも近い釣り人同士から始まり、釣りをしない他の利用者、近隣で生活している人、人の営み、までを対象に、

他者に迷惑や、不快感を与えない事を考える、慮る、マナーの精神が第一歩目であり、全てではないでしょうか。






文 ナカヤマ
編 コウノス


 

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