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3代目 morethan Kamuy Tuxy登場!

アングラーの皆様、こんにちは。
担当の多賀です。
今週末は台風の週末になってしまいましたね。
予定がはっきりせず、悶々としているAM 5:00です。

さて、本日はmorethanシリーズのロッドのなかでも、異彩を放つ唯一無二のアイテム、morethan 121XH Kamuy Tuxyを紹介いたします。
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2019年1月に発売となったmorethanシリーズから遅れること半年以上。
今年の9月に追加されるかたちで、3代目のmorethan 121XH Kamuy Tuxyがリリースとなりました。

「カムイトゥクシー」というコードネームを持つこのmorethan。アイヌ語で、カムイは神、トゥクシーはアメマスを指す神聖な言葉なんです。
このカムイトゥクシーは、北海道のアングラーの方のプライドとなっているロッドで、ダイワにとっても、とても重要なロッドになっております。
3代目というところからも、その重みが伝わってきますよね。

今回は、そんな3代目の開発の裏話をご紹介いたします。
非常に長文になりますので、苦手な方は、製品サイトをご覧ください。
製品ページ:morethan 121XH Kamuy Tuxy


さて、開発の舞台は北海道の島牧。アメマスの聖地です。
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とてもきれいなところですよね。
ところが、このロッドが使用されるのは冬。
日本海から凍てつく風と波しぶきが押し寄せるシーズンです。

その風を切り裂き、遥か沖のサーフのブレイクにメタルジグを送り届けなければ釣果がでないのが海アメの釣り。
とてもストイックな釣りで、過酷そのものです。

カムイトゥクシーに求められる要素は「超遠投性、操作性、強靭性」、言葉では簡単なのですが、とにかく設計をするだけでも非常に困難を極めるロッドなんです。

その歴史は、
初代:投竿からの脱却。ルアーロッド化したことで、劇的に操作性を向上

二代目:さらなる軽量ブランクと、AGSなどの軽量部位を投入し、圧倒的な軽量性を追求

いずれのモデルも熟練の設計者と企画者が取り組んできました。
しかし、3代目ということで、単なる正常真価では面白くないとのことから、今回は若いスタッフで、このプロジェクトに挑むことになりました。

市場調査や主要関係者のヒアリングを終えたのち、企画をまとめて浮かび上がったコンセプトは……。

1.さらなる遠投性
島牧のサーフは、年々ブレイクが遠くなっているため、さらにジグを飛ばす必要性が生じています。

2.過酷な環境下での使い勝手
かじかむどころか、全身が凍り付きそうな中で行われるこの釣り。
キャストでタックルごと投げてしまいそうな状況になるほど。
些細なミスでキャストが大きくズレたり、バラシやすくなるのはもちろん、タックルの破損というリスクまでまとうのです。
その神経質なところを改善してほしいという要望でした。

結果、「最も飛距離が出せて、かつ強靭。最強のカムイを作ろう」というコンセプトで始まりました。

コンセプトは明確になったのですが、それからのアプローチが難航しました。
設計者どころか、企画担当の私ですら「矛盾している。普通に作るだけでは両立は不可能」といことに気づいていたからです。

なぜなら、カムイトゥクシーはもともと、超高弾性ロッド。
二代目は特に使い手を選ぶ次元まで極まっていました。
カーボンの弾性を上げて飛距離を稼ぐことはできますが、それではもう一つの課題を実現させることができません。
そのため、いかに振り抜きを向上させるかがテーマとなったのです。

最初のアプローチとして、morethan BRANZINO AGSで実績のある肉厚細巻ブランクを設計し、空気抵抗を減らす設計を試み、現場に持ち込みました。
同時に開発が進んでしたmorethan WISEMEN AGSなどで、かなりの実績を得られたいただため、それを流用して、ファーストトライにしました。

そうして完成したブランクは、ひとまわり細くなり、空気抵抗の減ったブランクでした。
そのため、最初のテストサンプルはジョイントも印籠継ぎでした。
会社の近くのフィールド振ってみても、普通の人間が振る分には全く支障はありません。
二代目と同じ棒のように固いのに、振り心地が軽いブランクでした。

これはいいぞと思いながら現場に持ち込み、地元の最前線に立つアングラーさんに振っていただきました。
これは軽快なロッドですね。
ファーストインプレッションは上々。
本当の進化がわかるのはここからと、ジグのウエイトを上げたところ、鞭のようにしなったブランクは限界点を超え、ぼろぼろに砕けるように割れて折れてしまいました。

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私も設計者も「次元が違う」。
ひと言目に出たセリフはそれでした。

ベテランの設計者や企画者からも、あのロッドは別格と何度も言われ、現場で釣りも見てから望んだのですが、真のアメマスアングラーが求める領域がもっともっと高い領域のものだったのです。

企画は、白紙に戻りました。
何度も何度も打ち合わせし、設計、テストが行われ、やっと行き着いたブランクは全く別物となりました。

そのブランクがこれです。g5cbxjyc4gi4rubnvsx9_480_480-5192d11f.jpg
最外層にバイアスクロスを積層して、極限まで捻じれを抑制する「X45コブラシールド」を搭載しました。
これにより、パワーロスが極限まで減り、究極の振り抜きを達成しています。
また、2番節、3番節には復元力が強いアミ籠構造のカーボン、3DXを巻き、ロッドの復元がさらに早くなり、シャープに振れるように、補強構造も入れています。
さらに、ジョイントもすべて並継ぎにしたことで、さらなるパワーを身に着けました。
飛距離がさらに出るのに、2代目よりも扱いやすい秘密はこれによります。
また、このカムイに関しては、3DXに鎧の役割も与えました。
これによって、当て傷などにも格段に強くなっています。

また、ガイドはチタンSiCリングを採用。
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チタンはAGSよりも素材がしなやかなので、ピーキーなハイパワーブランクの、キャスト時のピーキーすぎるところにマイルドにする役割もあります。
今回は、そこも細かく調整して設計をしています。

そのガイドのセッティングも、飛距離のためにあらゆる形状、サイズの組み合わせをテストしました。
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また、上のテストブランクと見比べていただけるとわかると思うのですが、リールシートなども初期プロトから見直しました。
異常な負荷がナットにかかるため、緩みやすいアップロックではなく、ダウンロックに変更。
ナットも、手袋をしていても閉めたり緩めたりしやすいサイズ、デザインを採用しました。
逆付けでも握りやすいVSSから、DPS仕様に変更しています。
このロッドらしく、武骨な外観処理を施しています。
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デザインも、実用性にとことん特化。
そして、挑んだ最終テストでは、無事に魚も釣れて終了。
その結果、このような製品に仕上がりました。

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リアグリップが大型化しているのですが、これは、脇挟みにも、股で挟んでリールを巻くスタイルのどちらにも対応できるようにした結果です。

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また、テストの後半からは、発売になったばかりのセルテートのLT5000番のプロトをシークレットで使用していました。
セルテートHDを使用されていた方が、セルテートLT5000に持ち替えられた場合、使用するリールの自重が3/4になり、スプール径も変わるので、慎重にバランスを吟味しました。

3代目カムイはハイパワーな構造とガイドの金属化と、EVAの延長で大きく重量が増えてしまっているのですが、
最軽量の二代目カムイが252g + セルテートHD 3500SH 405g =657gに対し、
最強の三代目カムイは326g + → セルテートLT5000D-XH 295g=621gですので、
タックルトータルで36gの軽量化になっております。

とはいえ、バットがしっかりとして穂先が軽いので、軽快性はそれ以上に感じていただけると思います。

圧倒的なパワーとラインキャパの確保が必要な方は、ソルティガ3500、4000番もフィットするように重量、ガイドバランスを設定しています。

今年の9月、シーズン前になんとか三代目の発売にこぎつけました。好評で品薄になっているとのことで、胸をなでおろしております。

海アメシーズンはこれから。
圧倒的なポテンシャルの新morethan 121XH Kamuy Tuxyを、ぜひ、店頭でご体感ください。

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