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大塚 涼奨

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少年とライギョと怪魚。

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自分にとっての"スーパーマン"って誰だろう?
子供の頃の憧れの存在は何だっただろう?
…あの頃の純粋な気持ちはどこへいってしまったのだろう。





















季節はすっかり夏になりました。
いつの間にか梅雨は過ぎ去り、セミの鳴き声も聞こえてきます。



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色んな生き物が動きだす大好きな季節。
やっぱ夏は楽しいよね。












釣りと魚が繋げる"縁"ってのは不思議なものでこれまでも色んな方面の方々と繋げてくれました。
これまでもこれからもそういった出会いは大切にしていきたいものです。












で、
今年に入り、ある男の子と出会った。



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雨にも負けず…風にも負けず…
自分にも負けず…?





『どーしてもライギョを釣ってみたい!』
と、ライギョを夢見る男の子。
そして怪魚や怪魚ハンターである小塚さんのことも大好きで、魚以外にも虫や爬虫類などまで詳しい。
そして自然のものへ対して物凄く優しい。
とにかく釣りや生き物への情熱は半端じゃない。







その子の存在を知ったのは僕が小、中学校の頃に釣りに通っていた池に毎日来ているヘラブナ釣り?笑のおっちゃんからの電話。

「毎日ライギョを釣りに来てる小学生の男の子がいる。なかなか釣れないから教えてあげてくれないか。」
って。


小学生の男の子がライギョ??難しいなぁ…と、思いつつ面白がって会いにいってみた。







そうすると、小さな男の子が体に見合わないガッシリとした道具を頑張って振っている姿があった。


話を聞くとライギョが釣りたくて釣りたくて去年の夏からひたすらに他の釣りには目もくれずお母さんに連れてきてもらってライギョ釣りを頑張っていたらしく、
道具も自分なりにしっかり調べて両親に揃えてもらったらしい。


そして「なんでライギョなの?」と聞くと
『カッコいいから!』
と、ストレートすぎる回答だった。


しかし、ライギョ釣りに対しても安易な考えて釣ろうとしているわけではなくちゃんとした強いロッドとアブのリール、極太PEにフロッグと自分なりに勉強して挑んでいるという。
お母さんも「自分に見合った道具にしたら…??」と言うが『それじゃダメなんだ!』と魚へ対する"礼儀"までしっかりと分かっていた。

身体の小さな小学生には道具だけでも重くて満足に飛ばせないし、いざ喰ってきたところでフロッグでのフッキングも決まる分けない…
けど頑張ってる。




お母さんも「なんでこんなにこだわるのかしら…こんなに毎日釣れなくてなにが楽しいのかしらね…他のおさかな狙えばいいのに…苦笑」と、半ば呆れ果てながら頑張る息子を見守っている。



いやいやいや、カッコいいよ。僕からしたらこんなに諦めずに飽きずにやっていることは本当に格好いい。







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ライギョ釣りの合間。小魚釣りも大好き。
MX-0を貸すとクチボソをずっと釣り続けてた。




















"毎日"ってのは単なる表現ではなく、本当に来ていたらしい。

学校は??
って思うところだけれども…



どうやら生まれつき身体が弱いらしい。
見た感じも小学6年生にしては小さい。

そして臓器関係の手術や入院を何度も繰り返しているとのこと…
だからなかなか学校に行けずにいた。





なんなんだよ。そんなんで毎日毎日釣れるかも分からない魚を諦めずにあんな重い道具を振り続けていた…なんて。
と思うとぐっと心に刺さる物がある。



そのくらい
「大好きで魚で一番カッコイイ!」夢のライギョに会いたい気持ちが伝わってくる。






だからあんなに色々な事が詳しかった。
自由に動けない入院中の時間も多く、家にいる間もずっとインターネットや本などで勉強していたとのこと。


ちなみに事の発端はテレビでたまたま見た小塚拓矢の海外釣行だったらしい…
だから目標であり夢の存在は小塚さんだった。
それまでは釣りに全く興味がなく、両親や身の回りにも釣りをする人間は居ないとのこと。


なので完全に自分から興味をもって、自分自身で調べて独学で釣りや魚のことを勉強して頑張っている。
周りに影響されて流されたわけではなく、自分作り上げた目標だった。




ビックリするくらい海外の魚のことや釣り道具のことまで本当に詳しいし、
僕の海外の釣りのことや、今まで釣ってきた魚の話をするとキラキラした目で真剣に聞いてくれる。
こんなに純粋に魚を愛する釣り人に久しぶりに会ったな…そんな気がした。



そして将来は『怪魚』を釣りたいとのことだ。
一番釣りたいのは東南アジアに生息するトーマン。

だから"ライギョ"なんだね。








なんとかしてこの子のを応援してあげたい。
ということで小塚さんにこの事を伝えた。

そうするとすぐにメッセージ入りのフロッグ"バトラクス"を送ってくれた。(冒頭の写真)

次世代の若者だけには?笑 優しい小塚さんは流石だなと思った。全く知らない少年になのにも関わらずfight!というメッセージと、大人と比べて力のない小学生でもできるだけフッキングするようにチューンされていた。


















・・・




" 縁 " ってのは不思議なもんだ。


なんだろ?こういうのって引き付け合うものなのかな?と。
偶然と偶然が重なって生まれたこの出会いは、彼にも僕にも刺激になる繋がりになりたいなと思っている。

たまたまテレビを見ていて興味をもって、たまたま通っていた池のおっちゃんと仲良くなって、たまたまおっちゃんと僕が知り合いで、たまたま僕と小塚さんが知り合いで…

まさにライギョが繋げた友達の輪だ。












とにかくここまでアツく、純粋な釣り人に遭えたのは本当に久しぶりだった。





あの頃の情熱はどこへいったんだろう…
あの頃の純粋な気持ちはどこへいってしまったのだろう…

そう思わされる。




いつの頃からか釣りは
「結果が全て」になってないか?
「誰かに自慢したいだけ」になってないか?

好きになればなるほどいつの間にか
「ストレス」に感じることが多くなっていないか?
周りの人間の釣果が気になって気になって仕方なくなってないか?




改めて気づかさせられた。

『釣りは楽しく自由に』

このブログのプロフィールにもずっと書いてあるこの言葉をもう一度考えさせられたよ。








僕もいろんな魚や生き物を追いかけているほうだけど、やっぱり頑張って頑張ってみつけた
『最初のイッピキ』
ってのは他にはない喜びがある。

一魚種一回限りのその感動は一生忘れられないものとなる。


そして誰にも自慢できなくたっていい。
自分でそれが嬉しければ、それでいいのだ。














さて、今日もうまーーーいこと言ってお母さんを説得して釣りに出かけてるのかな??笑



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いつかきっとかならず釣れてくれるよ。



おわり
























7年前…

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こんな魚イッピキを釣る為に3年かけた。
当時この魚を釣った日本人は少なく、情報もまるでなかった。興味を持ったのは19歳の頃か。SNSももちろん発展しておらずインターネットにでてくる数少ない情報と現地での情報収集、そして友人達に助けられて…やっと手にできた。


でも今やこの魚は"普通"となった。
誰でもいけば簡単に釣れる。楽勝。引かない。安くいける。場所も調べればでてくる。

そんなことを言われるまでになってしまった。
あの人はこんな魚になんで何年もかかったんだろう?そう、思われたりもするだろう。
当時は誰も興味を持たなかった魚なのに。
嬉しいような…残念なような…
いざ答えが分かってしまうとイッピキの価値ってこんなに下がってしまうのかな。とは思った。
でも僕はその数年間のあいだいろんなことを我慢して時間も金もかけたけど、心から楽しかったと言える。


一ついえることは。
たった一匹釣るために何年かかろうが、釣れた魚が小さかろうがなんだろうが全く恥ずかしいことじゃない。
自分でその時嬉しければそれでいいんだ。
それはどんな魚種でも言える。一方のひと達にとっては普通であることも、一方のひと達にとっては普通じゃないんだ。


だから少年は今が一番楽しい時間だし、最高の感動が待ってるはず。



羨ましいよ。


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