【keep　casting　story】 BACK All Right !!

幸い筆者の周辺では大きな被害は無かったものの
久しぶりに鹿児島本土を直撃した台風。
そんな台風一過の話。

県河川情報システムを確認すると
平水時程ではないが大増水は落ち着き
ダムの放水も通常時まで落ちているようだ。

この日のテストで最近の忙しさも一段落
２週間ぶりのホームへと車を走らせた。

道中、崖崩れにより迂回する箇所があり
台風の爪痕を目の当たりにする事に。

ポイントへ到着。
大増水は落ち着きつつあるが
まだ圧し濁り共に強く残っている。
橋脚の裏には段差が出来
ヨレた乱流が音を立てている程。

通常なら一級ポイントとなる橋脚も
強い流れに晒されて機能していない。
となれば狙い目は手前のシャローに伸びる
瀬からのヨレと明暗がクロスする１か所。

とはいえシャローも強い流れが走っている。
この一歩手前の状況ならば
水を押しすぎない
ヨレヨレ、グラバーHI89S、ニーサンで
ダウンクロスに攻めるという手が常とうだが
現状を考えると
ダウンクロスでは水を受け過ぎてしまう上に
ポイントを通過するのは一瞬である。
加えてこの濁りの中
その一瞬を捉えるのはシーバスも容易ではない。
この状況でゴッツァンミノー125Fを選択。

ポイントに対して垂直に立ち位置を取り
ダウンで明暗上流へと投じる。
ベールを返し、ジャークで水を噛ませると
再度ベールを開けてバックで流していく。

バックドリフト

人差し指でラインをコントロールし
ルアーを後方へと送りこんでいく。
時折ラインを押さえて見せる時間を作る。

ゴッツァンミノー125Fならば純淡域において
デッドフローティング～デッドシンキングであり
最初のジャークでレンジを決めてから流せば
その泳層をキープする事が容易であるため
バックドリフトにもレンジという要素を付加する事が出来る。

平水時だと頭を下に向けるドリフト（自発的に下るベイト）がナチュラルに食わせる一つの手ではあるが、増水時に流されまいと抵抗するベイトを考えれば至ってナチュラルな流し方かもしれない。

「スッ・・・スッ・・・」

人差し指からラインが零れていく感触が

「ｺｯ…」

という違和感に変わった瞬間
ハンドルでベールを返しロッドを大きく煽る！

激流の中、大きな飛沫を上げながら
シーバスが抵抗を見せる。
完全なダウンから魚を抜いてくるのだが
苦労する割にサイズは伸びない。

ゴッツァンミノー125F
（ハッピーレモン）

しばらくすると
下げ潮が届き流れは一層速度を増す。
橋脚の表側でも水が流れを巻いて音を立てるように

手前のシャローもヨレが太くなり
チャンス到来かに思われたが
アタリが途絶えてしまった。

サイズのチャンスかもしれない。
今までよりさらに奥、暗部の中まで
バックドリフトで送り込む。

「ス…ススッ…スッ…スッ・・・」

エッジを押さえポーズを入れる。
ラインの先が「フッ」と横へ走りダートした感覚。

巻き取りを開始した瞬間

ガツン

とロッドを引っ手繰る衝撃。
同時にのされて一気に魚が下る。
ロッドを起こしカウンターでアワセを入れる。
それでもなお激流に乗ったまま
魚は下流へと走っていく。

このまま耐えた所で向こうは
流れに乗っているだけなので消耗は見込めない。
ドラグを締め込みフルパワーで回頭させる。
頭がこちらを向いた瞬間
一気に巻き取り、主導権を握る。
頭が下流を向かなければ走られる事は無い。

ようやく激流から引き剥がしキャッチ

76㎝

ゴッツァンミノー125F

(ハッピーレモン)

これからの時期台風豪雨で増水する機会も増えますが
地元の河川災害情報等を参考にしながら
チャンスになる増水とピンチの増水を見極めて良い釣りを！！

鹿児島県河川情報システム⇒http://www.doboku-bousai.pref.kagoshima.jp/bousai/index_menu.html

【タックル】
ルアー：ゴッツァンミノー125F(ハッピーレモン)
ロッド：風神Zフロウハント８８ML
リール：11ツインパワー4000
ライン：東レシーバスPEpowergame ＃1.5
　　　　　　ジギングリーダー25lb