がまかつ:トレブル14

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 20世紀のシーバスプラグの純正フックは、錆び対策でカドミウムコーティングされたものがほとんどでした。淡水用のフックに比べると針先が甘く、現在から見ればこんな針先でよく釣りをしていたなーと逆に感心しそうなレベルです。

 私は、少しでもキャッチ率を上げるために、がまかつのバラ売りトレブルに交換していました。がまかつトレブルフックは、淡水用の細軸のトレブル11から順に、12,13,14,そして16というように順に太軸になっていくラインナップでした。シーバス用であればトレブル12もしくは13といったところで十分なのですが、大型狙いであればトレブル14を選んでいました。ちなみにバラ売りトレブルフックは5本入りでトレブル13までは350円+税、トレブル14は100円高い450円だったかと思います。現在普及しているセンターバランスではなく、針はまとめた2本に1本を溶接している構造です。

 現在のPEライン+高弾性のシーバスロッドではトレブル14のような太い軸は逆にフッキングの妨げになりそうですが、20世紀当時はPEラインはまだ一般的ではありませんでした。グラス素材の混ざった弾性の低いロッドにナイロンライン4号(16ポンドテスト)に10号程度の太さのショックリーダーをダブルラインとオルブライトノットで接続していたラインシステムだったので、とにかく力ずくでフッキングを決めに行くようなイメージがありました。だから針は太い方が無理が効いたのです。

 現在は特殊コーティングのハイパーシールドが主流のがまかつですが、このトレブル14は、かつての刀鍛冶が戦争のなくなった江戸時代、釣り針作りに転身して兵庫県の地場産業を支えるまでになった伝統の針作りの技術がうかがえる素晴らしい逸品です。針先のからカエシに至るまでのラインは、まさに日本刀を思わせます。当時の鋼材の質もよかったのか、針先の耐久性もかなりよかったです。錆さえ気をつければ長期間使えました。ハイパーシールドは、確かに針先の鋭さは特筆ものですが、化学反応を起こして全体が黒ずんでくるのと、トレブル14に比べて硬いので折れる心配がある、そして価格が割高であることがネックですね。30年前と現在のフックは、進化というよりは設計の方向性が違っていたということかもしれません。

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