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「異端ナルモノ」その名はゼノモーフ

  • ジャンル:日記/一般
みなさま。ご無沙汰しております。
 
 このたび実に数年ぶりの新作となるロッドを発表させていただくことになりました。
 
 SNSやイベント、雑誌記事などではチョコチョコ出しておりましたが、ついに完成しました。
 
その名は「ゼノモーフ」。

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 本来は地質学で周りとは異質な「他形」という意味をもつワードですが、世界的にはある映画にでてくる、とある可愛いらしい生物?のほうが有名です(笑)。
 
しなやかで・・・
強靭で・・・
音もなく忍び寄り・・・

そして・・・

獲物を一撃で屠る。
 
そんなイメージにぴったりの「怪物」に仕上がりました。
 
 
全国を周る中で自分がテーマにしている
「シーバスアングラーがどこまでやれるのか?」という命題を追究し続けてきた10ftクラスのロッドになります。
 
今回はこの新作についてご紹介したいと思います。

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 SPEC:
シリーズ名:Eradicator
正式名称: XENOMORPH BIGCHAP(ゼノモーフ ビッグチャップ)
型番:EXMS1001MMH-TZ
ブランド:ABU Garcia
メーカー:ピュアフィッシングジャパン
Length:10ft 1inch
Power:Ⅿ-MH
Luremax:~50g
Linemax:~pe2.5号
Price:\75000+税
 
《2018年限定生産モデルになります》
 
発売は9月頃を予定です。

サーフや干潟、河口部などで飛距離を出したい時に欲しいロングモデル。



しかし、ウェーディング時の操作性を考慮してショートグリップ化。

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操作性やキャストフィールは9ftクラスに近い軽快性を追究した”セミロングコンセプトモデル”になります。


 
 
それでは各部のご紹介をしていきましょう。
 
➀TAF製法
 
ピュアフィッシングジャパンの独自製法であるT.A.F 製法。
端的にいうと、「通常の半分の厚さのプリプレグを倍の量巻く」ことでより強度をアップする製法である。
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実はバスロッドでは実現していて、(くわしくは下のリンクを見てもらうとして)、今回はこの製法を使うことで、より強度とトルクを高める方向にロッドを作製しました。

http://purefishing.jp/fantasista/taf
 

②素材

各部のパワーや反応速度に応じて5種類の素材を採用。
 
●30tカーボン(中弾性) :ベースとなるのは強度、バイトに対する吸い込み抵抗を重視した30tカーボン。
 
●36tカーボン(中高弾性):次の40t、55tにつなぐためのつなぎ的役割を果たす素材。自転車のギアに例えると変速ショックを防ぐための中段ギアみたいな感じ。
 
●40tカーボン(高弾性):軽くてパリッとした張りのある素材。ロッドのだるさを排除して、振り抜けの良いブランクスに仕上げるうえ、感度を増幅する。水の抵抗感や水圧を感じる釣りが多い自分にとっては外せない素材。ただし値段が高い。
 
●55tナノカーボン(超高弾性)
3rtdrpnvcguijp8khs9d_480_480-5310e444.jpg:シーバスロッドではほとんど使われない超高感度の素材・・・のナノカーボン。ファイト中のラインの接触などギリギリの状態で相手の挙動を感じ取るための神経のような役割を果たす。値段はさらに高い。
 
●アラミド繊維:
o3ua578t8npxkw2tpy8w_480_480-f06bdd9f.jpgケブラーの素材となるアラミドの繊維。下の素材の特性を活かしつつも強靭性をもつ補強素材。よくあるカーボンクロスの補強と違って、繊維が360度に展開しているため、どの方向で曲げても均一の抵抗感で粘る特性を持つ。曲がれば曲がるほどゴムのように戻す力が増す。そのためカーボン素材の限界を超えた状態でも曲げこまれた分だけその威力を発揮する。
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今までの作品同様に、自分の手掛けるロッドは完全にオリジナルのパターンで作られていく。
なので莫大な手間とテスト時間と開発費用が掛かってしまい、マーケットありきの開発では合わなくなる部分も多い。

「納得いくまで徹底的にやってください。」

というPFJ社担当のS氏とT氏の言葉とアツい想いに応えるべく、北は東北から、南は沖縄まで濃密なテストを数年に渡って徹底的に繰り広げさせてもらいました。

●ありがちなブランクスの流用やマンドレルの使いまわしとかでなく、サンプルごとにマンドレルも一から作り出す。
 
●原価や開発の手間、テスト期間のリミッターは設けない
 
●ありとあらゆる国産素材を片っ端から試させてもらう
 
という厳密なモノ作りのもと

最終的には5種類の素材で組成するというシーバスロッドでは異例の組みあわせに至ったわけです。



これをABUの最新技術のTAF製法(従来の半分の厚さのカーボンを倍の密度で巻く)によりそれぞれ性格の異なる素材を複雑に緻密なバランスで組み合わせることができるようになったのも大きいです。

結果的にシーバスロッドでありながら20~30kgを超える巨体のアカメやオオニベといったモンスターとも互角に戦えるパワーと柔軟性を両立させることができたわけです。



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       宮崎サーフの怪物オオニベ。



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       動画撮影中に飛び出した高知のアカメ



6cpuuvjtgh3wcf6nxa2j_480_480-baf6f8cd.jpg      新島サーフで手にした砂ヒラ90cm



h5w4bw9am7cxxrytrd74_480_480-19b143c3.jpg       
     秋田のテトラ帯から引き出した97cm

こんな感じで日本全国でひたすらテストを繰り返し、各地で実績を残してきました・・・

 

もちろん外装にも徹底的にこだわりました。

●チタンフレームガイド:
idk3u8nodwrefjcmekud_480_480-94972988.jpgトップはラインの消耗を抑えるためSic。
それ以外はトルザイトリングガイドを採用。
シーバスロッドではあまり使われないスモークカラーのT2モデルを採用。
 


●オリジナルリールシート:
7sjo4fzhj3jtyhzuxmvf_480_480-ff5d6f51.jpgカーボン柄のオリジナルリールシートを採用。ブラックのイメージでありながら、それぞれ質感の異なるパーツを組み合わせている。

 
●ハイマニューバグリップ:
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LBを使う「緩急自在」のファイトを展開するため、より操作性に長けたホールド感を出せるグリップ形状。
 

●ハイマニューバグリップエンド:
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ショートグリップでありながらロングロッドを鋭くキャストできるように、キャストの際の引き手の動きも考慮したグリップエンド形状を採用。

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これにより、ロングロッドでありながら、ブレの少ないキャストが可能になり、サイドキャストをはじめ、あらゆる角度のキャストでも弾道が安定しやすくなる。
 

●スケールマーカー:
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 グリップエンドから80.90.100cmのところにスレッドのよるマーカーを設置。これにより足場が悪い場所やウェーデング時などにメジャーを出さずに釣れた魚のだいたいのサイズを瞬時に計ることができる。
 

●フェルールマーカー:
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 暗い時間にロッドをつなぐ際に目視で確認しやすいように、フェルール部にマーカーを設置。とくに他モデルと混同しないようにティップ部にはモデル名を表記。


 
●ホール・プレート・デヴァイス:
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セパレートグリップのような体でありながら、グリップ部のたわみとネジレを防ぐ剛性感を増すパーツ。兵器のような独特の雰囲気を醸し出す。
 

 などいつも釣りしながら頭のなかで考えている、さまざまなアイディアを実体化させてもらいました。
 
ただの魚釣りの道具ではない・・・あくまで最前線での”兵器”としての機能と存在感を追究したモデル。


そのため、通常の倍の量のカーボンシートを必要とするTAF製法にくわえて、国産の素材30、36、40t、55tナノカーボン、アラミド繊維、そしてオリジナルパーツの数々と高価な材料のオンパレード。
 
そしてサンプルはすべてマンドレルからその都度制作という全くのオリジナルブランクスを作製した。

結果、膨大な数のサンプルをはじめ、開発費用は掛かっている・・・ハズ(汗)。
 
まさに採算度外視のフルチューンカスタムとして、
ひたすらに性能を追究し続けたゼノモーフというロッド。

「シーバスタックルでどこまでも立ち向かっていく・・・」
異端児のための異端なる存在のロッドになりました。
 
発売は9月。

それまでに備忘録としてこれまでのテストの結果などもおいおいアップして参りたいと思います。
 
 

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