黄金郷

幼い頃に山に登った事があるだろうか?本格的な登山などではなく無邪気な冒険の延長線上で辿り着く大人からすれば小高い丘のような場所。しかし子供からすればそこは頂上も見渡せぬ立派な山であり探究心を満たす場所であったはずだ。少し成長し免許を取り行動範囲が広がると道なき道を車で突き進む事で探究心を満たす。その先に目的など無かったがその瞬間は何ものにも変えがたく楽しいものだった。

昨晩は久しぶりにスズキを狙い川へウェーディングした。かつての記憶を頼りに駆け上がりや沈み瀬があるであろう場所を流していくが反応は無い。小さなベイトはいるがボイルも無く虚しいキャスト音だけが響き渡る。たまに食ってくるのはやはりセイゴだけ

20260516_001008_Original.jpeg真面目に向き合わぬ者には魚も答えてくれないのか結局この夜スズキを手にする事は叶わなかった。

翌日トップチヌを狙いつつ地形を把握しようと同じポイントに入る。

この場所は潮が引くと遥か遠くの浅瀬が干上がり小島となる何時もその小島を眺めつつカヤックでも使ってあそこへ渡れたならきっと夢のような体験ができるに違いないと叶うことの無い妄想をしていた。この日は大潮ということもあり釣りをしているとあっという間に潮が引き出し何時ものように小島が現れた。またしても辿り着けない場所への妄想をしつつキャストしているとある事に気付く島へと続く浅瀬があるのだ。「これはもしや、、、」と思いつつ眺めていると見事に小島へと続く道が現れる。恐らくここ数年の地形変化で渡れるようになっていたのだろう子供の頃のあの山へと続く道を行く気持ちと同じ感覚を抱きながら小島へと渡る。

島の周りは浅瀬が広がっておりトップチヌには絶好のポイントに見えたがルアーへの反応は皆無でチヌの姿すら無い。

しかしそれでも良いのだあの遠くから望み続けた場所へ辿りついた嬉しさに浮き足立ち無駄に写真を撮ったりキャストもそこそこに島を歩き回るこんな感覚いつぶりだろうか

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ポイントとしては何処までも遠浅で地形変化も乏しくスズキには良いポイントとは言えないかもしれない。しかしそれで良い此処へ辿り着けたという満足感に浸れた事が何よりも嬉しいのだ

20260516_132154_Original.jpeg黄金郷は遠くから眺めるこそ輝く 近くへ行くと光を放つのは黄金では無く太陽の光だったのだと気付くのだ。この場所は黄金郷では無かったがあの頃の小高い山と同じ輝きを放っていた