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ルアーリペイントのすゝめ


ルアーのリペイントについて書いてみようと思います。中古ルアーを探して釣具屋を巡回して、お買い得品を探す事は誰でもやるとは思います。シーバスルアーなんか高いし中古で済むならその方が良い。しかしながら、値段はアリなんだけど塗装が剥げてるのがなーと悩む方も多いハズ。ルアーをリペイントできればそんな悩みも解決しますが、実際それってどうなの?というハナシをアレコレ紹介します。


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まず、手順としてざっくり説明すると

❶ルアーの塗装を剥がして塗装面を下地処理する

❷ブランクにプラサフを吹き下地色を乗せる

❸ホロシートを貼りシートの段差を埋める為にコート剤を塗ってサンディングをする

❹カラーを乗せてトップコートを吹く

そして硬化し、完成となります。

プラモとか触っている人はもうこの時点でヒジョーにめんどくさいと察しが着くかと思います。色を乗せたりトップコートの作業は10分もあれば終わるのですが下地処理をキチンとしないと落とし損ねた塗料が浮き上がったりして汚い仕上がりになります。

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塗装作業をする場合「どれくらいのサイズの物体を、どの塗料を使って塗るのか」から必要機材を逆算します。平面で面積の広い車を塗るならスプレーガンが必要だし、小物程度であればエアブラシで十分です。ですから、ルアーの場合はエアブラシで良いわけですね。


次に注意するのは「塗料は何を使うのか」という部分。サクッと言ってしまうと「ラッカーを使うか、2液性ウレタンを使うか」で別れると思います。その他にもアクリルや水性もありますが塗装の強さや溶剤との相性を考えればこの選択肢は無視して大丈夫です。ウレタンは値段が高く圧倒的に強度もあり、発色も良いのですが硬化剤を混ぜた時点で硬化が始まり賞味期限が短く扱いが難しい。


ラッカーは安価でシンナー混ぜるだけなので取り扱いも楽だし、たくさんのカラーを用意出来るのでレパートリーも増える。という事を考慮するとカラーリングだけラッカーで行い、トップコートは2液ウレタンというのが安価で実用性のあるチョイスです。


理想を言えば全て2液ウレタンで行うのがベストですが、安さと仕上がりの良さを考えたラッカーと2液ウレタンの二刀流が昨今ではスタンダードな方法論だと思います。


つまり用意するコンプレッサーはウレタンが吹けるだけのエア圧を持ったモデルであった方が良いです(細かい作業はエアを絞れば良いだけなので)


ほかのトップコート材としては一液ウレタン(釣具屋でよく見かけるやつ)なんかもあったりしますが黄変して片田舎のサービスエリアの小便器みたいに汚く変色するんで個人的にはあまりオススメできません(黄色くなると釣れる説もある)



他にも意外と試して良かったのは「ニトロセルロースとUVレジンの混合液」でした。作り方はニトロセルロースとUVレジンを1:1で混ぜて作ります。エアブラシで吹く場合はこれにシンナーで2倍希釈します。使うシンナーはウレタン用のものが望ましく、原材料にアルコールが使われていないものです。アルコールは硬化を阻害するのでふやけたりします。


塗ったら軽く曝気してシンナーを飛ばしてから紫外線ライトなり太陽光なりで固めると…これが美味い具合に良い仕上がりになります。レジンはなるべく高価なものを使うと良いですが、100円ショップならキャンドゥのレジンが良かったです。ダイソーのものは硬化しきってもベタつきが残ります。


これの良い所は30分も有れば実戦投入できるだけの強度が出るところです。クリアーの透明感も申し分ありませんしかなり強度もあります。しかし「割れ」には弱いので、魚の口につけたままコンクリートの上で暴れられたりすると…。原価もとんでも無く安いトップコートなのでダイソージグなんかには良いんじゃ無いでしょうか。あとはサーフ用のルアーとかね。



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兎にも角にも、塗装を始める前に元あった塗装を剥がさねばなりません。これが本当に死ぬほど面倒くさい。耐水ペーパーでシコシコ擦るなんてやってられないのでケミカル使った方が良いです。


それに耐水ペーパー使うとウロコ模様の溝が消えちゃうことがあります。特にダイワのルアー。ダイワっていうか製造しているのはジップベイツだと思うけど。ウロコ模様の意匠とかルアーを丸裸にした時の内部構造(特に重心移動)とかね…まんまだもの。特に塗装の食い付きが尋常じゃない。剥がす時にイラつくルアーなのですぐ分かります。


この手のルアーから塗装を綺麗に剥ぐときはIPA(イソプロピルアルコール)でふやかすと作業は大分楽になります。あまり漬けすぎるとヒビ入ったりするので、経過観察しながら行うと良いです。


漬け時間はメーカーによって全然違うのでよく観察しながらやった方が良いかと。1番剥がし安いのは当然アイマのルアー(笑)


IPAはビールでもないしエタノールでもない溶媒です。これに漬け込んで、ふやけた所からワイヤーブラシで撫でるように擦ると塗装面を綺麗に落とせます。細かい箇所は歯ブラシでも良いですね。IPA単体だと剥がすの大変なのでブラシはあったほうが効率的です。通販でも買えますが、実店舗だとカーショップにあるガソリン車用の水抜き剤でも大丈夫です。



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ソラリア100Fのリペイント。メタリック系塗料を使うと、ホロシートを使用せずともこれくらいの色合いをだせます。シルバーで全体を塗ってから、上からクリアーオレンジとメタリックグリーンを乗せています。下地処理をきれいに行う必要性はこのルアーのベリー部分を見れば分かると思います。これはフックサークルです。綺麗な仕上がりを追求するならフックサークルの凹凸をパテで埋めたり、ペーパーで研いだりして処理する必要性が見えてきます。


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ソラリア85Fです。これも同じくシルバー系にメタリックグリーンとクリアーイエローを使用しています。ベース色として発色・配色の関係上シルバーの出番が多いわけですがオススメはガイアノーツ(ラッカー)一択です。下地の隠蔽率も発色も他のメーカーの商品に比べ、頭ひとつ抜けた性能があります。

ペイントの腕というのは技術と言うよりほとんど「塗料が均一に下地を隠蔽し、均一に発色するか」という部分が全てであり、つまり「塗料の性能」が雌雄を決します。




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これは釣り仲間から頼まれたスウィングウォブラー145の修理。ウォブラーはワイヤースルー構造なので多少欠けてもパテ埋めすれば問題ありません。

破損ルアーでも構造によっては修理して再利用できます。重心移動を搭載しているモデルは内部に問題がある場合リペアは難しい事が多いです。

浸水してウェイトボールにサビが回っている場合(マグネット式の重心移動はウェイトボールが鉛に鉄を混ぜて磁性を持たせた合金で出来ている)などはいくら止水処理しても重心移動は動きにくいし、再び浸水する事が多いです。




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続いて、ぶっ飛び君たち。アイシールは一応ジャンプライズの公式HPから買えます。やっぱこのルアーはマグマ系のホロが映えますね。縦のレーザーホロの方がフラッシングが水中で透過しやすいので好きなのですが、やや安っぽく見えます。



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P.D.Gのスキッドスライダー。ホロシートの貼り方を少し書いてみます。まず今回のリペイント で使っているシートはオフィスアクセルのものです。シートの粘着力が凄まじいので、再びリペイント するかもしれないルアー には少し小細工しておくのがオススメです。下地処理をしたルアーを一回ニトロセルロースにドブ付けし一層膜を張ってから、上にシートを貼るのがオススメです。

またリペイントするときに粘着剤がブランクにベタベタくっ付いて処理がかなりめんどくさくなるのを防げます。

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クリアーホロです。シートの切り出しは型紙を作るか、一発貼り付けしてデザインナイフで整形するかと言ったところですが型紙を使う方が失敗は少ないです。


ホロを貼り付けるとバックとベリー側に段差ができます。段差を残したままカラーを乗せると仕上がりが汚くなったり塗装強度が落ちるので、水性ウレタンコートSH×8〜10ぐらい(濃度による)ドブ付けし、その後にサンディングして整えます。



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はい。ホロが透過しませんでした。最初っからやり直しになります(笑)カラーを乗っけてトップコートで完成ですが…クリア系はカラー乗せるのが難しいですね。酒飲みながらリペイント はやめた方が良いかもしれません。




以上。まあこんな感じでとんでもなく面倒臭いので損得だけで考えるなら正規品買った方が良いです。でも損得だけが大事ならそもそも魚なんてスーパーで買えば良いじゃんって話になるわけでね。

最後にアニメ界のレジェンドである宮崎駿さんの名言で今回の記事を締めさせて頂きます。

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