いま私は、、、
もとい、我々はUtopiaを求めている。
夏となれば多くの男子が一度は心躍らせた事があるであろう昆虫採集。
そのターゲットは黒や赤茶色の色彩をしており、
其々が個性に富んだ鎧を身に纏っている。
またそれが何とも言えない格好良さである。
見つけた瞬間には30手前の大人が一瞬で小学生に戻ってしまう位、嬉しさで心が弾む。
時を遡る事1週間ほど。
出勤時に家の玄関を開けてすぐのライトに
ノコギリクワガタ♀が飛来しているのを発見。
この時はそういう季節になってきたんだな〜
くらいに思い隣の森へリリース。
そして仕事終わりに帰ってくるとまたもや
ノコギリクワガタ♀が落ちている。
朝と同じ個体か?流石に違うよな?
と思いつつ写真を撮り再度リリース。
翌日、仕事から帰ると次はコクワガタ♂が飛来。
飼育ケースを持ってるわけでも無いので
これも写真を撮ってリリース。
そして翌朝。
何とノコギリクワガタ♂中型。
(これも出勤前なのでリリース)
シーズン開幕を確信。
ここまで数が飛んで来るならそろそろ山に捕まえに行ってもいいんじゃないか?と上司に仕事終わりに探索しに行かないかと持ち掛ける。
いくつか近場の山や公園をピックアップし探索計画を立てる。
何ヶ所か回ってみるが、意外と付く木がない。
湿気や陽当たりといった立地は悪くないのだが、管理され過ぎていたり逆に茂りすぎて入りようが無かったり。
ネットで探せば幾らか情報出てくるのだろうが、やっぱり皆んなが知らないUtopiaを見つけたいと思うのは釣りもクワガタ捕りも一緒なわけで。
上司も私も地元民では無いので本当に一からの探索だが、その分きっと見つけた時の感動は得難いものだろう。
ようやくノコギリクワガタ♀を1匹見つけたが、
樹液など関係なく付いている単発。
仕方なく今回は帰宅する事に。
そして、家の玄関の前。
いつもの灯りの下で動く赤茶色(笑)
ノコギリクワガタ♀捕獲。
そしてドアの奥5m程の所にも。
これもノコギリクワガタ♀。
山に行って1匹に対し、家のドアの前2匹。
何とも言えないが嬉しい事には変わりない。
飼育ケースを翌朝買う事にし、就寝。
翌日も仕事終わりに探索場所を決めながら話して帰ると、階段にてノコギリクワガタ♂捕獲。
う〜ん?とりあえず探索には行こうと決めて
先日と違う山へ行くもまたもや付く木がない。
ライトはAmazonで売ってる100万ルーメンを謳った爆光ライト。(絶対そんなにねーだろと思うけれど、ゼクサスの1番高いやつよりは余裕で明るい)
もはや光線レベルなので、いれば見つけられる。
本当に付く木が見当たらないのである。
上司と数多のクワガタが群がる最高の樹液を出した我々のユートピアは何処にあるのか?とぼやきながら帰る。
そして探し回ったご褒美とでも言わんばかりに
灯りに照らされた壁に付くコクワガタ。
ここまでくると受け入れたくない事実を認めざるを得ないかもしれない、、、。
上司と私のUtopiaは家の玄関開けて5秒のライトかもしれない、という事を。
否。
諦めてはならぬ。
まだ夏は始まったばかり。
こんな簡単に見つかる所がUtopiaな筈がない!と心を奮い立たせて明朝も1人で探索に行くと心に誓う。
だってUtopiaとは直訳すると、
ここには無い場所という意味になるんだろう?
簡単には見つからない理想郷なんだろう?
そしてあけたドアの横。
ノコギリクワガタ♂良型とコクワガタ♂を発見。
脆くも心は打ち砕かれたのであった、、、
おしまい。
P.S.
それでも僕は獲りにいく。
まだ見ぬUtopiaを求めて。
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