やはり寒い冬の釣りはラーメンから始まるのである





暖冬と呼ばれるにふさわしい気温の高い冬だったせいか
気づけばソウルフードである家系ラーメンを暫く食べていない事を最強寒波の到来と共に思いだした。

ならば食べねばならぬという結論にいたり、
上げの時合いを放棄し店の戸を引いて一言


「固め濃いめ多めで」


出てきたラーメンのスープを一口
口一杯に広がる塩トンコツの深い味わい
それを追いかけるように口腔内を蹂躙するニンニクの風味


昨年春、うっかりエイに刺された際もその晩はここのラーメンに癒されたものだ


ここで鋭気を養い厳しい寒さに負けず強い意思を固めるのだ


むさ苦しい男の集団から少し離れたところで聞こえる鈴の音のような清涼感溢れる声の主達には一切心動かさず

一心不乱にラーメンとライスを飲み干し店を後にする





さて、鋭気を養ったところで実釣と行きたいところなのだがどこもかしこも時合いを逃した後という現実に頭を悩ませる


潮位的に入られるポイントは限られるが新たな時合い発見のいい機会なので気になるシャローを撃っていく


やはり微々たる流れに加え波っけもほとんど無しだと流石にメンタルブレイク寸前


ショートバイトひとつという苦戦っぷりに火がつき撃ちながら半島を回る決意を固める



何ヵ所目だろうかそろそろ風のリミットも近い事だし腰を据えたいところ



一か八か見てみたかった場所に入りまずはジグ単で少しだけ巻いてみるが可愛い子のあたりすらない

この場所の今年の傾向からして入る魚は少ないがアベレージがいい


流れ弱くジグ単だと上手く漂わせられない為
ルアーの浮力でレンジを上げ、魚の方に気付いて貰う作戦に変更


                「シャローマジック50」

シャローの平磯にベストマッチ
もはやエサ並みの釣獲力を持つスローシンキングミノー


付け替えた一投目

沖のストラクチャーのショルダー部分

フワリフワリとそこを漂い通過するルアーに啄むような生命感

ここからが駆け引きである

いつまで追わせられるのか？
いつ合わせるのか？


その見極め次第ではショートバイトで終わってしまう

数度の啄みバイトの末僅かながらインテのティップが入り込む

そこを逃さず極々スイープに合わせを決め
その重量感を感じる

手前で突っ込む力強さ

ライトを点けフックの位置を確認
テール一本薄皮一枚のフッキング

無理はできないがいなし続ける余裕もない


一か八か強引に寄せ水面にネットを差し出すその瞬間






外れた




とっさにネットを水から上げる



手に伝わる重さはネットだけのそれではない

一か八かの勝負に勝ったのだ



プラグでの一匹目はでかい

やはりこの地域ではその予測は概ね外れてはいないのだろう


愛知県内での自己記録フィッシュだった







誘惑を絶ちきり今日この海へ立って良かった


広大な大海原へ悠々と泳いでいくメバルを見てそう思うのだった

tackle date
ロッド : Fishman beams inte 7.9UL
リール : SHIMANO アルデバランBFS XG
ライン : 東レ メバリングＰＥ 0.4号
リーダー : 山豊テグス フロロショックリーダー 
ルアー : aquawave シャローマジック50