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村岡昌憲

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Area16  ~利根川の最初の一滴 その1 ~

Area16 - Stage1 ~利根川の最初の一滴~


2009年9月2~4日 群馬県 利根川 イワナ





最初に

今回の釣行記は、一つ間違えば不謹慎な形となります。

が、源流釣りの怖さ、そして難しさをしっかり伝えることを目的に書いてみました。

一つの啓蒙の仕方として、様々な表記、感情表現をご容赦くださいますようお願いします。















自分にとって源流イワナといえば、釣りキチ三平である。


竜神滝や双頭など何度も登場するイワナのシリーズに胸を躍らせ読んだ子供の頃。


物心ついた頃から海の釣りをやっていたからか、海水魚を狙うシリーズより想像も付かない源流のマス類のシーンばかりが記憶にはっきりと残っている。


そんな源流イワナの60センチを釣ることを目標にし始めたのはいつからだろうか。

多くの釣り人に聞いても、そんな大きいサイズは今の日本では秘境中の秘境にしか生息していないと言われ、そんな秘境に行こうにもどうやったら近づけるものかと思案するばかり。

憧れを軽く抱いたままで、毎年様々な川の源流に数回出向いたが、釣れるのはせいぜい40センチ止まりだった。






源流イワナがターゲットとしてはっきりとした形になり、行動として動き出したのは今年からだ。

この春から、山の師匠を見つけ、師事しながら山岳技術を身につけていた。

スズキ釣りの回数は大きく減ったけど、新たな世界に挑む充実感に包まれた日々。





そして、今回、利根川の源流に挑んだ。

利根川を選んだ理由は流域面積日本一の大河川であること、利根川の水は、江戸川、荒川、隅田川、多摩川に流れ込み、東京湾のスズキを釣っている僕にとって、利根川の源流というのはルーツを探る旅になるということ。

そして、その最上流にはイワナの60cmオーバーがいるに違いないという仮説=妄想。

パーティーは3人。山師匠の深瀬氏と、通称山ちゃんこと山下氏。

山ちゃんも源流大物に憧れるテンカラ師。

湖の源流部から山頂まで5日間の登攀。

半年以上前から準備とトレーニングをして備えてきた。






集合場所となる関越道六日町ICのジャスコで、装備や明日の昼までのお弁当を買い込みパッキング。

アルペン用80Lザックがバッツバッツになるほどの荷物。

重さも30kg近くあり、これを背負って歩くことを考えるだけで、これからの大変さに気が引き締まる。


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ロッドは、アングラーズリパブリックのパックロッドを選んだ。

クワトロ601S。それをプラダンでケースを作って移動しやすい形に。

リールはキャスティングで買った1500円くらいのもの。

おそらく川の遡上中に水に何度も浸かるので、リールが水没するのは防げない。

その場合は、安いリールの方がギアの間にクリアランスがあって水が入っても壊れないのだ。

と言うか、最初から壊れてる(失礼)ほうがその性能が続くという水没あるある。

グリスを厚めに打ち込んで油切れにだけ備える。

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新潟県の六日町の十字峡に僕の車をデポする。

そこから師匠の車に全員同乗して、関越トンネルをくぐって群馬県側の水上へ向かう。

カーナビの地図に出る二つの登録地点の遠さが、これから始まる旅のすごい行程を物語っていた。

向かったのは奥利根湖(矢木沢ダム)。

夜はゲートが閉まっているのでこのゲートの前で仮眠を取る。



そして夜が明ける。

朝7時にボートを降ろす。

ボートは釣り人向けの渡船業者をチャーターした。
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舗装工事をやるとかで大きく減水した奥利根湖。



下のダムの写真の赤い現在地がダムサイト。そして右上に指差しているところが利根川源流のインレット。

ダムサイトから先は一切、人も住んでいないし、道すらない。

左岸(ダム出口に向かって左)を歩いていくと2日かかるので、ボートを利用して渡船するのだ。

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奥利根湖で渡船サービスをしている高柳氏によって船は快調にダムの奥へ。

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「渇水してっからよぉ!ずいぶん手前になっちまうぜ!」

高柳氏が軽快な調子で叫ぶ。




進む先は風も無く静謐で美しいダム奥部。

自分たち以外は誰もいない。

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普段より1kmほど後退したところで、僕らは降ろされた。

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「気をつけてな!途中は電波が入るところは無いよ。山頂に出る直前くらいに携帯電波が入るから必ず俺に一報入れてくれ。」


高柳氏の慎重な姿勢。

それもそうだ。このダムの奥の奥。

ただ大自然しかない世界。

ここからが山岳渓流である。

何かあったら・・・、そう考えるととても怖い。








でわ、行ってきます。

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こうして3人の利根川源流を目指す旅が進んでいく。

しばらくは河原歩きだ。

顔を上げれば景色はため息が出るほど美しい。

重いザックを背負って、淡々と登っていくのみ。

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どうせ後で全身ずぶ濡れになるのに、なるべく濡れないところを歩いてのも沢登り師あるある。



出発して30分でシッケイガマワシと呼ばれる難所に入る。

ゴルジュと呼ばれる岩盤が両岸に垂直に迫るエリアで、僕らの登攀を阻止している。

そういったエリアは川の中を遡上できないのでどんどんと高巻きして回避していく。

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高巻くとは、滝やゴルジュの手前からどちらかのサイドの斜面を登って突破すること。登攀ロープなどを駆使していく山岳技術が必要だ。


高巻いたあと、うまく河原に降りられる時もあれば、

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ザイルを使って懸垂滑降で降りてこないといけないときもある。

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国土地理院の地図は全員がジップロックに入れて持っている。

1時間に一度くらい、地図を取りだして現時点の位置を確認する。

川の大きな合流点では本流がどっちかを必ず確認した。

師匠によればここでの思い込みで遭難がたくさん起きる(起こした)そうだ。





そしてこの日の大一番。通称、巻淵。

白龍のように白くうねりながら水が落ちる淵は水深も深く、透明感のある青さがとても美しい。


高巻きするにもここはオーバーハングが激しく不可能。

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オーバーハングした岩盤の下部を横にへつりながら大きな淵を渡る。

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こういった名所を突破するととても安心する。

事前に先の開拓者の手記で読んで知っているので、現時点の位置の確認にもなるからだ。

ここまでは間違っていない。という確信を背中に背負える安心が、目の前に続く困難に打ち挑む意識に変わる。
 
 

更にどんどんと登っていく。

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軽装備の人や単独行、日帰り渡船の人などはこの山岳装備が必要な巻淵を突破できない。

だからここから上は人が立ち入ることがとても少ないから、きっと魚影が濃くなると読んで、竿を出しながら進んでいく。

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しかし、水が澄みすぎているせいか魚の姿はほとんど見えない(涙)





やがて越後沢出合いに出る。利根川源流最大の川の合流地点。

河原が広いのでここで今夜はビバークする。

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高台のわずかなスペースにタープを張る。

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師匠が教えてくれたのは、眼下に拡がる広い河原はビバークするためのものではなく、就寝中などに上流部に雨が降った際の水位上昇が緩やかだから必要なのだと。

狭い谷の中では雨が降ると水位が一気に上がり、撤収と片付けができずに機材が流されて遭難することが多いらしい。(たくさんしたんですね、と言いかけた。)



焚き火をして冷えた体を温めながら夕食の準備。

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僕はと言うと、数ヶ月前からの山岳トレーニングの成果もむなしく、初日からかなりバテていた。

とにかく荷物が重いのだ。

30kgの荷物を背中に背負ってゴロゴロした石の上をひたすら歩き、崖にへばりつき、高度にして500m近くを登ってくるのだ。

これがあと4日も続く。

少しでも荷物を軽くしよう。

持ってきたビールは4本。毎日1本の缶ビールを楽しみにしていたのだが、荷物の軽量化のために今日のうちに3本飲んでしまう。



 

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焚き火はなぜ美しいのだろうか。

携帯の電波はもちろん、あらゆる通信手段が塞がれた山岳地帯に3人しかいないという状況。

不安、希望、期待、恐怖。

圧倒的な非日常感。

他の2人はとても陽気だ。

そんな笑顔を眺めながら、静かで、優しい炎を見つめ続けた。


 ~ 利根川の最初の一滴 その2 ~ へ続く


 

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