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関根崇暁

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BlueBlue.jpg 「背中に背負う蒼色は鳥から見た海の色」 「お腹に抱く蒼色は魚から見た空の色」 「BlueBlue 海を愛する人へ―」 「Where's your Blue?」 ima_banner.gif 株式会社アムズデザイン運営のima公式web site。シーバスルアーkomomo,sasuke等の紹介。ルアーテスターの釣行記、コラム等も掲載。

古のタックルボックス(道具箱)

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アムコ・プラノに続く、タックルボックスのメーカーはこのオールド・パル。

今回はそのタックルボックスの御話。

僕がこのタックルボックスに出逢ったのは、小学生の低学年の頃、しんちゃんという幼馴染の釣り友達が持っていた。

僕が子供の頃は満足にブラックバスなど居なかったから、ナマズや雷魚が唯一のゲームフィッシュだった。

学校の授業が終わった夕方には、小川へ行き釣れもしないのにルアーを投げて遊んでいた。


時は1980年頃、ルアーブームのハシリの頃、若い人は知らないだろうけど、ルービックキューブっていう立体パズルが大ブームだったりした時代。

当時のルアーフィッシングのタックルは高級品で、殆どが舶来物。
国産のルアーは殆ど模造品でしかなかった。

しんちゃんは一人っ子だから、何時も良い道具を持ってた。様に見えた?のかもしれないけど、僕はこの魚のマークの付いた道具箱が羨ましかった。

「これタックルボックスっていうんだ」としんちゃんは自慢げ?に僕に見せてくれたのを覚えている。
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それがどんな中身だったのかは良く覚えていないけど、とにかく「凄い道具」にしか見えなかった。

これどこに売ってるの?「街の釣具屋だよ、お父さんに買ってもらった」としんちゃんは答えた。

そのころは、近所にはルアーを置いてある釣具屋が無くて、しんちゃんに聞いた15キロほど離れた街の釣具屋へ母に無理を言って車の運転をお願いして買いに行くことにした。

家の手伝いをして貯めた小遣い、たぶん数百円を握り締めて、スプーンやスピナーを買うのがやっとだったけど、それでもルアーを手にする事が出来るだけで嬉しかった。

そんなしんちゃんとの釣りも交流も途絶えてしまうが、思い出した様に中学生の頃になり、またバスを少しやったりした。それでも、また高校受験の時期になるとお互い釣りに誘わなくなり、またぷつりと途絶えたままになった。

そして、その街の釣具屋へも足を運ばなくなり。

スミスやへドンやバグリーの置いてある、隣町の釣具屋へ通う様になり、バス釣りを専門としていた友達との交流ばかりになった。

やがて、何時しか僕は大人になり、車に乗るようになり、大好きだったバス釣りの熱も冷めて、トラウト一辺倒になる。

やがてオールドスプーンに興味を持ち、子供の頃に良く買っていた街の釣具屋の事を思い出した、ある秋、大人になった僕は、子供の頃みた店構えよりも小さく見える街の釣具屋へ出掛けた。

店の自動ドアが開くと、店番のおばちゃんが「いらっしゃい~」と声を掛けてくれる、若かったおばちゃんは少しお婆ちゃんに近づいたけど、店の雰囲気は当時のままだった。

突然、おばちゃんは僕に話しかけてくる。

「あれ?子供の頃、お母さんに連れられて良く買いに来た子だよね?」

何と20年も経ったのに、おばちゃんは僕の事を覚えている。

これに嬉しくなって、気を良くした僕は、子供の当時買えなかったルアークロコダイルにサラマンダー、レトケにオークラ等を片っ端からレジに積んで行く、まさしく大人買いである。

そして、レジ横のタナの上、手届き難そうな場所に、埃に塗れながらもそっと置かれたダンボールに入ったままの茶色いタックルボックスに目がとまった。

それはOld Pal のロゴである、留め金にバスの挿絵。

次の瞬間、初めてルアーに触れた事、しんちゃんとの全ての記憶がフラッシュバックした。

僕は気が付けば予定もしてなかった数万円の買い物をしていた。

でもそれは、釣り具、ルアーを買ったのではなく、自分の想い出を買ったのである、原体験を再び手に入れたのである。

僕は古い道具ばかり持っているけど、オールドタックルの収集家では無く。

釣り人生で関わりのあった全ての物を残しておきたいという収集癖がある。貧乏性で捨てられない性格なのに、懐かしいものは欲しくて堪らないという困った癖がある。

原始の時代、人は道具を手にして狩をした、そして、僕らは竿を手にして釣りを始めた。

釣り道具を整理整頓するのには、タックルボックス(道具箱)が必要である。

釣りの想い出を整理整頓するには、古いタックルボックが必要である。

箱を開ければ、何時でも昔の自分に逢えるのだから。




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