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関根崇暁

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BlueBlue.jpg 「背中に背負う蒼色は鳥から見た海の色」 「お腹に抱く蒼色は魚から見た空の色」 「BlueBlue 海を愛する人へ―」 「Where's your Blue?」 ima_banner.gif 株式会社アムズデザイン運営のima公式web site。シーバスルアーkomomo,sasuke等の紹介。ルアーテスターの釣行記、コラム等も掲載。

東京湾 利根川東遷事業と遡上魚達 その4

利根川や東京湾、利根川東遷事業に纏わる釣りの彼是をシリーズでお話しています。

前回は、霞ヶ浦の未来を皆様に考えて頂きたく書かせて頂きました。

 

今回でシリーズ4回目です。

 

4回目は、2回目で鮭になって頂き産卵した、卵のある場所、利根川の中流域からスタートします。





利根川東遷事業は前回で完成していますが、その後も人々の水辺の整備、水路の整備は続きます。



それは現代でも。


 




前回、前々回と、大変ご好評頂きまして、ありがとうございます。

 


お礼といってはなんですが、お願いがございます、ご無理なお願いかもしれませんが・・・・


 

お礼になってナイダロ!と怒られてしまうかもですが・・・・

 






あ、今度は卵から孵ったばかりの鮭っ子になって下さい(笑)







という事で 一緒に利根川を下ってみます。


どうですか?準備は良いですか?

 

おなかの横にはパーマークがありますか?少し栄養袋の脂肪が重いですから、この水通しの良い瀬の石の下で尾びれを、力いっぱい、めいいっぱい振ってください。
 

今は多くの仲間達が泳いでいますが、再び此処に戻ってこれるのは一握りの命です。

貴方が目を覚ますまでの冬の間に、大きな音を立てて4WDの車が数
台この瀬を渡りました。



残念ながら、多くのお友達達は、流され潰され、居なくなってしまいした。




流されると、大きな口をあけてウグイさんや、ニジマスさんが狙っています。


でも、彼等を恨んではいけません、そうやって命は巡るのです。

ほら?上からも大きな嘴のサギが、生まれたばかりの貴方達を狙っています。




春の大雨を待って、旅を始めましょう。



小さな命は、生まれながら、生き残る為の闘いを強いられるのです。


川原に菜の花が咲く頃、雨が降るたびに山の雪は溶け出し、白く濁った雪解け水が流れて徐々に川の水位が上昇してきます。





「雪代」ユキシロです。



さあ、この雪解けの流れに乗って海を目差します。



多少泳ぎが下手でも、川の流れに身を任せておけば大丈夫、何処かの海に出られます。



下流には肉食の魚達が居ますから、群れの隊列を崩す事無く、一斉に泳いで下さいね。





やがて利根大堰に付きました。

 


残念な事に堰は閉じられ、上から水かチョロチョロとこぼれているだけです。



下流の工事か、何か人間社会のトラブルで堰が一時的に閉じられてしまいました。



仕方なく、ここで一晩過ごす事にします。

 



翌朝。



あれっ???


目が覚めると、様子が変です、深くて暗くて、勢いがある太い流れになっています。



どうやら、貴方は武蔵水路に引き込む水に乗ってしまったようです、「やばい!大変だ!」仲間たちも、必死に上流を目差して戻ろうとしますが。


利根大堰付近の空中写真(1986年撮影) 改修工事前利根大堰である。 ウィキペディアより抜粋

ところが、この強い流れに逆らっても、流されるだけの様です。




仕方なく、諦めて流れに身を任せる事にしました。

前世での人間の人生でも良くある事だったと独り言を言いってみます。

ところがお友達の鮭っ子達は不思議そうな顔で貴方を見ています。

愚痴は言うんじゃ無かった・・・と貴方は少し後悔しました。




やがて。


 



ゴォォォォォーーー!!! 大きな滝の様な音がして再びトンネルの様な暗い流れになりました。

ここは、サイフォンと呼ばれてゴミを取り除く設備の様です、大きな流木などは格子にひっかかり、下流にには流されずここで回収されます。

暗いトンネルは、この水路の上に川が流れている事を意味します、そう、ここは元荒川です。





元荒川、もとの荒川。 以前の荒川、利根川東遷と同じく、荒川もまた荒川西遷事業で入間川に継がれたという歴史があります、もちろん鮭っ子の貴方には関係の無い話ですので、人間に戻れた時にでもまたお話いたしましょう。
 


水路の流れに乗ったまま、どんどん下ります。


もう故郷の利根川は遥か彼方です、今は仲間と手を繋ぎ、いいえ胸鰭を繋ぎながらこの急流を下ります。


 


再び、大きな音がします、ドドドドドォォォーーンという激しい音で滝の様になっています。



しかし、逆らう力もありません。




目を閉じて息を呑み、その場をやり過ごすと。



利根川に比べると、一回り小さな川へ辿り付きました。


でも、この川、溝のように深く掘ってあり、一直線です、さっき潜り抜けた元荒川とは雰囲気が違いますね。


この荒川、元々は和田吉野川と言います、東松山市にある森林公園方面から流れてくる小さな川です。



ここで、利根川東遷事業のお話はおわりです。



どうもありがとうございました。



人々の暮らしと川は、どの時代も深い関わりがあります。
今の時代も常に手を加えられています。

治水に、交通、運河として、飲料水として、発電にも。

武蔵水路は、昭和39年のオリンピックの時代に埼玉県南部及び都内の水不足解消の為に整備された水路です、水路の合流点から下流は荒川の水は10~20%くらいでその殆どが利根川の水です。


サクラマスも鮎も鮭っ子の貴方も、この利根川の水に乗って荒川放水路へ運ばれ、海に落とされたのです。


利根川東遷事業で元々利根川だった流れが、古利根とか新利根とか
常陸利根とか北利根とか色々残っています。


都内ですと、中川などが利根川の跡ですかね。
幸手の権現堂川もその名残です。

利根川の洪水による決壊の跡としては、鷲宮町?の宝泉寺沼などもそうです。


JR武蔵野線の東浦和方面~春日部に残る湿地帯と田園や川も荒川や利根川の名残りです。

普段見ている何気ない景色に利根川や昔の川の流れを感じて頂けたら幸いです。











え?

 


鮭っ子のままだぞ???って。





そうです、次回は 東京湾 荒川西遷事業と遡上魚達 に続きます。

どうぞ次回をお楽しみに。






 

■利根川東遷事業を詳しくしりたい方はこちら↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/tonejo/shoukai/2-2.htm


 

■武蔵水路と荒川の合流点 ライブ映像↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/arajo/realtime/live06.htm


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