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- ジャンル:釣行記
『今度の日曜日、空いてたらシーバスとマゴチ狙いに行きませんか?』
先々週半ばの事。
あの巣山技研の「ER」さんから嬉しいお誘いを頂いた。
これまでにも何度か乗船させていただいた“ER艇”。
行けば必ず釣らせてくれる、最高のキャプテン、ERさんが操舵するガイド船だ。
何せTOMMYがこれまでホゲッた事がないのだから、如何にキャプテンが凄腕だという事がご理解いただけるかと思う(笑)。
もちろん「行きます!」と。
ただ今回は、そろそろ本格的な釣りへとデビューさせてやりたいと思っていた息子の「行誠(こうせい)」も引き連れて。
今年9歳になる行誠は、これまで管釣り、餌釣り、エギングを少々やった程度ではあるが、それぞれニジマス、チャリコ、マダコと、糸を垂れれば必ず釣果に恵まれて来た。
ルアーを投げさせるにはもってこいのタイミングだ。
「行くか?」
「行くっ!」
飛び上がる様に即バイト。
続けて・・・
「パパが釣った事ないマゴチを釣ってみせる!」
ちっ、生意気な・・・。
そう。
TOMMYはこれまでマゴチを釣り上げた事がない。
幾度か狙ってみた事はあるものの、どうも相性が悪いのか、釣れた事がないのだ。
『捌いてみたい』
ずっと心の隅にある、料理人としての小さな願望。
(あの、平たい体のどこから包丁を入れるのか。平目と一緒なのか?
いや、五枚に卸すなんて聞いた事がねぇ。)
そもそも実物のマゴチを見た事すらないTOMMY。
「今回こそ必ず釣ってやるぜ!マゴチ!」
意気揚々とAM4時30分、ER艇に乗船。
今回は盟友の「ごっさん」も同船。
どうやら前回乗った際に狙った、秋の根魚で味を占めた様だ。
とは言え・・・・・・
(マゴチはそう簡単には釣らせてくれねーぞぉ?ケケケ・・・。)
ドッグを出港したボートは、大海原を目指して水面を跳ねる。
空は既に明るかったが、朝はまだ肌寒く、ごっさんも行誠も口を真一文字に結び、丸く縮こまっていた。
走り出してから5分。
一ヶ所目のポイントに到着。
「まずはジグでマゴチを狙ってみよっか」とERキャプテン。
寒さと初の大海原を前に、顔面蒼白になって緊張している様子の行誠(笑)。
とりあえずTOMMYが着ていたレインジャケットを着せてやる。
「パパ半袖だよ?寒くないの!?」
「パパは少しも寒くないわ(笑)。さぁ楽しもうぜ行誠!」
その後しばらく4人揃ってジグをしゃくってみるも、ここではERさんが良型のキスを釣り上げたのみ。
本命マゴチからの反応は得られず、早々に移動する。
お次はストラクチャー絡みのシーバス狙いへ。
ここでTOMMYは、まだキャストすらままならない行誠に、付きっきりでレクチャー。
しかし、ここのシーバス達は簡単には釣らせてくれない。
ラインギリギリ・・・もしくはピンに一発でキメないと確実に出てくれないのを知っている。
辺り一面赤潮で、海況が良くない事も少なからず影響していたかも知れない。
やはりこの日も出せずじまいであった。
「う~ん、シーバスは厳しいかもなぁ・・・。マゴチ行こうかぁ。」
(待ってましたぁ!)
ここからはジグヘッドにワームを装着して、本気でマゴチを穫りにいったTOMMY。
釣り方は、まずフルキャストしてボトムまで落とし、底を叩く様にチョンチョンと転がしながら、ボートで流して行くといった具合。
貪欲なマゴチの事。
きっといれば食ってくるだろうし、いなければ誘いを続ける。
延々とチョンチョンを繰り返しながら、広く探っていく。
ゴツゴツと、まるで魚のアタリかと錯覚する形状の砂地。
慣れれば魚とは違う事にもちろん気付くのだが、一投目から食ったんじゃないのかと勘違いしてしまった程。
「パパ~、これ魚じゃないの?」
途中、痺れを切らした行誠が言った。
「違うよ。底に当たってゴツゴツしてるだけだよ。」
「ふ~ん・・・そうなのかぁ。じゃあおしっこ!」
と、ロッドをごっさんに渡して後ろでジョボジョボとおっ始めやがった。
(まったく・・・・・・。もう集中力が切れやがったか。)
「あれ・・・?」
ロッドを渡されたごっさんが首を傾げた。
「どしたごっさん?」
「これ魚付いてね?」
「ウソ!?どれ・・・」
『グングングン!』
「うおっ!付いとるがな!」
思いっきりアワセを二度喰らわせ、
すぐさま行誠にロッドを渡す!
「慌てるな行誠!巻け巻け巻け~っ!」
TOMMYも、ごっさんも、そしてERキャプテンも大興奮!
そんな大人達をよそに、孤軍奮闘する行誠!
程なくして水面に姿を現した本命マゴチ!
「うぉ~っ!すげぇ!マゴチだぁ!」
歓喜の声を発するTOMMY(笑)!
バシャバシャバシャ!
「バカ!巻き過ぎだ行誠!」
一瞬バレてしまうのではないかと思う程、トップガイドにびったりとくっついたマゴチを、さっとネットで掬ってくれたERさん!
「やったぁ~!」
船中に笑顔が迸る!
いい顔してたぜ行誠!
その後、あまりの暑さからパンツ一丁にライジャケという、ゲイの様な出で立ちになったごっさんにも良型のマゴチが・・・!
結局TOMMYは、エイと良型のシーバスをバラシたのみ・・・。
そして帰港がてら最初のポイントにて、最後の望みを託す!
各々が思い思いにジグをしゃくり続ける。
TOMMY以外の魚を釣った三人は、どこか余裕すら感じる始末。
「パパ釣れないの~?」
「黙れ。ミラクルってのは最後に起きるものなんだ!」
そして無情にも「終わりますか・・・。」のキャプテンの一声。
この垂らした最後の一投で釣れなければ、ER艇初のボウズを喰らう事になる。
それも子供の目の前で・・・。
(ちっくしょ~!)
とジグをシャクっていると、ブルブルッと生命感が伝わった!
そのまま抜きあげると、ボトリと船板に魚が転がった!
「こ、これは・・・!」
白くピンクがかった美しい魚体・・・
(まさか!コイツはアナ・・・雪の女王じゃ!?)
「やった!雪のじょ・・・」
と声を発した途端、ごっさんがそいつを拾い上げ、
「あ~あ~死んじゃうよ~」と、写真を撮る間もなく海へポイッとリリースしやがった!
「ああっ!コノヤロー!何て事しやがる!せっかく食べようと思ったのにぃ!」
「嘘つけ!(笑)」
「アナハゼをジグで釣るとは、やっぱりTOMMYは違うなぁ!(笑)」
嬉しくなかった。
「プププ!」と横で笑っている行誠。
(まぁ皆釣れたし、楽しかったからいっか!)
よって、未だER艇ではボウズなし!(笑)
ERさんいつもありがとう!
またすぐに行きます!(笑)
ERキャプテンのログはこちら。
<a href="http://www.fimosw.com/u/ersuyama/3fjdoivii4mfr3?c=8">http://www.fimosw.com/u/ersuyama/3fjdoivii4mfr3?c=8
帰りの車中ではぐっすりと眠りに着いていた行誠。
約8時間もの間、頑張って竿を振っていたんだ、よくやったよ。
もちろん行誠が釣り上げたマゴチは晩飯の食卓へ。
マゴチは思ったより捌きやすかったが、骨だけが非常にごつかった。
今回は薄造りと湯引きで。
そんなマゴチを囲んで行誠の武勇伝を聞く。
「すごく楽しかった!今度はシーバスを釣りたい!」
やっぱり血筋は争えないな・・・(笑)。
また行こうな行誠!
- 2014年6月17日
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