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▼ 東北のロックフィッシュで勝ち抜くために Vol.1/3 [ 中嶋康文 ]
みなさんこんにちは。APIA ロックフィッシュ プロスタッフの中嶋康文です。今年からスタッフ ブログの形態が変わり、釣目ごとにより踏み込んだ内容でお届けすることになりました。もちろん私が担当するのはロックフィッシュカテゴリーとなります。私からは全3回に分けてBrute’HR新シリーズとなる開発真っ最中のモデルを紹介していきます。コンセプト、開発経過や進捗状況とともに、日進月歩のロックフィッシュシーンや新しいメソッドなども絡めて綴りたいと思います。
・Brute’HRシリーズ
まずはAPIAのロックフィッシュロッドBrute’HRが生れるまでのお話を少し…。 APIAさんとやり取りが始まった頃、あがってきたファーストサンプルに関して、話した時のことをよく覚えていますが、ロッドを作るとなった場合の製竿理論とそれまで自分が抱いていた概念に誤差があることを知り、その瞬間から自分の培った経験を信じて、メーカー側のプロにできるだけ具体的に、細かくわかりやすく伝えることに徹しようと決めて今に至ります。理論よりも、私に求められているものは、ロッドと向き合うフィールドワーク、現場での感触ですからね。こうしてトライエラーを繰り返して感覚的なところも表現してもらい出来上がったのがBrute’HRです。ロックフィッシュカテゴリーとして業界的には後発でありましたが、現場主義のAPIA色を出したロッドに仕上がりました。今ではシチュエーションごとに細分化し、全7モデルとなっています。
※東北のロックフィッシュの王様アイナメ。専用モデルBrute'HRは現在全7機種。
・ベールを脱ぐトーナメントパフォーマー TPシリーズ
前置きが長くなりましたが、本題である現在開発中のモデルについての話に移ります。現場主義はそのままにテスト中なのですが、実はこのNewモデル、今までのロッドとは仕様が異なります。 Brute’HRから派生した新シリーズ、その名もBrute’HR TPといいます。TPはトーナメントパフォーマーを意味します。東北、北海道を中心に行われているロックフィッシュトーナメントで勝ち抜くため、ロックフィッシュトーナメンターにアドバンテージを与える、より研ぎ澄ましたレーシングモデルです。トーナメントという制限のある状況の釣りで確実に匹獲るロッドをAPIA、そして私なりの表現で形にしようとしています。ラインナップは2本。77と92のスピニングです。すでにBrute’HRにはHARBOR VERSATILE 77MX(以下ハババ)、LONG EXPRESS 90MH(以下ロンプレ)というロッドがあるわけですが、まさに似て非なるもの。それぞれ詳しく解説します。
※ロンプレとBrute'HR TP。素材の違いは一目瞭然。
・TP 77M(仮)
既存モデルであるハババは、514前後のジグヘッド、ライトテキサスを本でこなす、というゴールを目指して作りました。漁港周辺で大型のアイナメが掛かっても安心してファイトができるようにバットは強く、ティップは入るがスウィープでアワセた時にテッィプの下で一旦止まり、自然にファイトに持ち込む。ファイト中は適度なドラグ設定で寄せてくるというイメージが形になっています。一方、TPの77のコンセプトは、さらに細やかなアプローチができる漁港フィネスモデルです。プラクティスなどでプレッシャーのかかったエリアであと匹と捻りだす…といったシーンを想定し、ライトリグでストラクチャーに対し、タイトに攻め込む。そして確実に掛けて獲る。まさにトーナメント仕様のロッドです。ハババよりもロッドが曲がり込みますので、より細号のラインでも勝負できますし、ドラグきつめの設定でもロッドが受け止め魚を寄せます。素材から見直し、軽量化が可能になったことで、グリップ部を短くし、さらにキャストアキュラシーと捌きやすさが向上しています。
※漁港の釣りに特化した77M。繊細なタッチでアタリを弾かず自然に掛ける。
・TP 92H(仮)
ロングスピニングというジャンルで異彩を放っているロンプレ。いわゆるブン投げ系ロッドではなく、20を中心としたミドルウエイトのリグを飛ばすロッドです。ヘビーウエイトをより遠くへキャストというロッドではなく、普段使うリグを遠くへ届けて、届いた先でリグを思い通りにアクションさせるという今までにないロッドでした。それに対しテスト中の92Hはヘビーウエイトをフルキャストできる、まさにブン投げ系。Brute’HRファンの皆様にとっては待望のモデルなのではないかと思います。現在のトーナメントシーンではプレッシャーを避けフレッシュな魚を狙う遠投スタイルが確立し、勝つために手の内にしたいタクティクスのひとつです。しかしながら、開発側の立場で言わせてもらえれば、ロングロッドは難しい。飛距離に特化しすぎるとロックフィッシュロッドとしてのユーティリティーが狭められます。飛距離を出したうえで、操作性を盛り込まなくてはならない訳ですから。これはロンプレの時にも注意した点です。まさに総合力が問われます。92Hはロンプレより、さらに飛距離が出るロッドですので、遠投した先でのアクションやアワセが思い通りにできるということが最大の肝の部分で、そのバランスの見定めに全力で取り組んでいます。77M同様に材料そのものが変わっていますので軽さも際立っています。もちろん軽けりゃいいって訳ではありません。強度テストも含め、今までのロッドの中で一番投げ込んでいます。完成した暁にはトーナメントシーンで即戦力となってくれるはずです。
※沖の養殖棚を狙ってピンポイントキャスト。力まず余力を残した一振りでもラインは軽々80放出。
Brute’HR TP。トーナメントパフォーマーという名にふさわしく、2モデルともに、かなり攻めています。私の考えるトーナメントロッドを具現化したい。言い方を変えれば、新たな釣り方の提案でもあります。最後の最後までやり込む妥協のない開発はもちろん、ロッドへの想いを伝えることまでが私の使命だと感じています。まだテストは続きます。ご期待下さい。ということで1回目はTPシリーズのイントロデュースでした。次回は初号機から紆余曲折のテスト経過などまた一歩踏み込んで述べたいと思います。
アピア公式ブログより転載
・Brute’HRシリーズ
まずはAPIAのロックフィッシュロッドBrute’HRが生れるまでのお話を少し…。 APIAさんとやり取りが始まった頃、あがってきたファーストサンプルに関して、話した時のことをよく覚えていますが、ロッドを作るとなった場合の製竿理論とそれまで自分が抱いていた概念に誤差があることを知り、その瞬間から自分の培った経験を信じて、メーカー側のプロにできるだけ具体的に、細かくわかりやすく伝えることに徹しようと決めて今に至ります。理論よりも、私に求められているものは、ロッドと向き合うフィールドワーク、現場での感触ですからね。こうしてトライエラーを繰り返して感覚的なところも表現してもらい出来上がったのがBrute’HRです。ロックフィッシュカテゴリーとして業界的には後発でありましたが、現場主義のAPIA色を出したロッドに仕上がりました。今ではシチュエーションごとに細分化し、全7モデルとなっています。
※東北のロックフィッシュの王様アイナメ。専用モデルBrute'HRは現在全7機種。
・ベールを脱ぐトーナメントパフォーマー TPシリーズ
前置きが長くなりましたが、本題である現在開発中のモデルについての話に移ります。現場主義はそのままにテスト中なのですが、実はこのNewモデル、今までのロッドとは仕様が異なります。 Brute’HRから派生した新シリーズ、その名もBrute’HR TPといいます。TPはトーナメントパフォーマーを意味します。東北、北海道を中心に行われているロックフィッシュトーナメントで勝ち抜くため、ロックフィッシュトーナメンターにアドバンテージを与える、より研ぎ澄ましたレーシングモデルです。トーナメントという制限のある状況の釣りで確実に匹獲るロッドをAPIA、そして私なりの表現で形にしようとしています。ラインナップは2本。77と92のスピニングです。すでにBrute’HRにはHARBOR VERSATILE 77MX(以下ハババ)、LONG EXPRESS 90MH(以下ロンプレ)というロッドがあるわけですが、まさに似て非なるもの。それぞれ詳しく解説します。
※ロンプレとBrute'HR TP。素材の違いは一目瞭然。
・TP 77M(仮)
既存モデルであるハババは、514前後のジグヘッド、ライトテキサスを本でこなす、というゴールを目指して作りました。漁港周辺で大型のアイナメが掛かっても安心してファイトができるようにバットは強く、ティップは入るがスウィープでアワセた時にテッィプの下で一旦止まり、自然にファイトに持ち込む。ファイト中は適度なドラグ設定で寄せてくるというイメージが形になっています。一方、TPの77のコンセプトは、さらに細やかなアプローチができる漁港フィネスモデルです。プラクティスなどでプレッシャーのかかったエリアであと匹と捻りだす…といったシーンを想定し、ライトリグでストラクチャーに対し、タイトに攻め込む。そして確実に掛けて獲る。まさにトーナメント仕様のロッドです。ハババよりもロッドが曲がり込みますので、より細号のラインでも勝負できますし、ドラグきつめの設定でもロッドが受け止め魚を寄せます。素材から見直し、軽量化が可能になったことで、グリップ部を短くし、さらにキャストアキュラシーと捌きやすさが向上しています。
※漁港の釣りに特化した77M。繊細なタッチでアタリを弾かず自然に掛ける。
・TP 92H(仮)
ロングスピニングというジャンルで異彩を放っているロンプレ。いわゆるブン投げ系ロッドではなく、20を中心としたミドルウエイトのリグを飛ばすロッドです。ヘビーウエイトをより遠くへキャストというロッドではなく、普段使うリグを遠くへ届けて、届いた先でリグを思い通りにアクションさせるという今までにないロッドでした。それに対しテスト中の92Hはヘビーウエイトをフルキャストできる、まさにブン投げ系。Brute’HRファンの皆様にとっては待望のモデルなのではないかと思います。現在のトーナメントシーンではプレッシャーを避けフレッシュな魚を狙う遠投スタイルが確立し、勝つために手の内にしたいタクティクスのひとつです。しかしながら、開発側の立場で言わせてもらえれば、ロングロッドは難しい。飛距離に特化しすぎるとロックフィッシュロッドとしてのユーティリティーが狭められます。飛距離を出したうえで、操作性を盛り込まなくてはならない訳ですから。これはロンプレの時にも注意した点です。まさに総合力が問われます。92Hはロンプレより、さらに飛距離が出るロッドですので、遠投した先でのアクションやアワセが思い通りにできるということが最大の肝の部分で、そのバランスの見定めに全力で取り組んでいます。77M同様に材料そのものが変わっていますので軽さも際立っています。もちろん軽けりゃいいって訳ではありません。強度テストも含め、今までのロッドの中で一番投げ込んでいます。完成した暁にはトーナメントシーンで即戦力となってくれるはずです。
※沖の養殖棚を狙ってピンポイントキャスト。力まず余力を残した一振りでもラインは軽々80放出。
Brute’HR TP。トーナメントパフォーマーという名にふさわしく、2モデルともに、かなり攻めています。私の考えるトーナメントロッドを具現化したい。言い方を変えれば、新たな釣り方の提案でもあります。最後の最後までやり込む妥協のない開発はもちろん、ロッドへの想いを伝えることまでが私の使命だと感じています。まだテストは続きます。ご期待下さい。ということで1回目はTPシリーズのイントロデュースでした。次回は初号機から紆余曲折のテスト経過などまた一歩踏み込んで述べたいと思います。
アピア公式ブログより転載
- 2019年3月5日
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