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伝説の地磯 と人は謳う

  • カテゴリー:日記/一般
その昔、この地では鱸の大漁が釣り人の勲章であり、一度その地磯へ向かえば、険しい地磯への道中と引き換えに、持って帰るのを躊躇うほどの大漁が約束されていたと言う。

その地磯は、こう呼ばれた。

「伝説の地磯」であると。





地磯へ1人で釣行する前には、必ず設けているルールがある。

竿を持たず、まず行ってみること。

平たく言えば「下見」だ。





時代の移り変わりと共に、次第に人の立ち入りが無くなったのであろうその山道を、1人、歩いてみた。





途中まで設置された遊歩道の階段はあちこちがガタツキ、異様にズレきった手摺は、最早原形を留めてない箇所も多い。

地すべりか何かだろうか。階段の段差も均一でない下り坂に泥が堆積し、脚を滑らせそうになるのをギリギリで持ちこたえる。

幅3m程の尾根伝いに薄暗い道を抜け、聞いたこともない鳥の声を聞きながら先へと進む。

遊歩道の名残であろう人の道に斜めに交差する様に、獣道が横切り、注意しなければ気づかないような、雑草の少ない段が、山側から谷側へとその空間を運んでいる。

苔むした岩の横を過ぎ、ほんの1面だけ日当たりの良い場所を通過する際、階段状に僅かながらの平面が山側へと続いている。

この地の民の、段々畑の名残であろうか。

この長い山道の、この階段状に平面が広がるエリアの、ほんの数メートルの間だけに生えている綿が、何かを私に感じさせる。

この山に、先人の息遣いを聞く。

荒々しくも静かに露出した岩肌から露が滴り、その下には、いつ置かれたのかもわからない石のプレートの上に小石が3つ並べられていた。

冷静でありながらも興奮を抑えきれない自分がいる。

何かとんでもないものに向かっていくような高揚感。

そして雑草に覆われた遊歩道の名残は、ある地点で私を海へと導く。

潮騒へと近づいているはずなのに、潮騒そのものが私へと近づいているかのような錯覚に陥る。

ここにも先人達の息遣いを感じずにはいられないのだ。過去に、こうしてやって来た釣り人がいる。その足跡が、今、私をこの場所へ導いてくれる。興奮と恐怖を抱きながら、蜘蛛の巣を掻き分けその跡を辿る。

遊歩道の終着点に辿り着く。ここから本当の地磯が始まる。

人が1人ぎりぎり通れるくらいの範囲に、まるで草が避けているかのような通路が見える。脚を踏み入れながら、その先にある急斜面に一瞬身じろぐ。

ここにも、誰がいつ設置したのかわからないロープが垂れ下がっており、ビンビン!とその強度と根本の安全性を確認したあと、背を谷に向けて降りていく。

刹那、眼前に現れる、傾いた太陽に照らされたまばゆいばかりの水面と、その波が幾年をかけて侵食した断崖絶壁。

ここか。

と、息を飲む。

身の安定を確保しつつ、その磯へと降りるルートを確認する。



伝説は、伝説のままでいてくれたほうがいいのかもしれない。

「あそこが伝説の地磯だった。いまはだーれも行く人はいないけどな。」
もう、それだけでいいのかもしれない。

しかし、降りると言っているこの体を止める頭を私は持ち合わせていなかった。

1歩ずつ岩肌にしがみつきながら下った自分の体が、とうとうその岬に辿りついた。

隣のワンドをうねる波が容赦なく浚う。根に当たる波がワンドの入り口に大きなサラシを形成する。


ここが、伝説の...


全身が悶えるような興奮に包まれながら、竿を持ってこなくて良かったと思う自分がいる。


この礒には、言葉では言い表せない、何かがある。


過去に、隣の磯から、今立っている場所を見たことがあったが、見るのとその場に立つのでは大違いだった。

その磯とは、距離にして5,60mほどしか離れていないはずなのに、こうも表情が違うものなのかと、ただただ圧倒される。

それは「伝説の地磯」という言葉が作った先入観なのだろうか。これまでの道中を振り返ってしまうが故の「この場所は特別」という思いなのだろうか。それとも、人間のもつ直感に由来する何かか。

ナイフの様にエッジの効いた岩肌を避け、ひと休みしていたところで、にわかにセットの感覚が短くなり、少し波気が大きくなった。



いかんいかん、と。



ここまで、ありがとうございました。
帰りもどうか無事に駐車場までお返し下さいませ。



そして、よじ登り、這い上がり、遊歩道へと引き返す。落ちる夕日は山道に明かりを届けてくれない。


もう少し遅れていたら真っ暗な山道に取り残されていたかもしれない。


猪が前を横切る。また少し歩くと、別の猪と目が合った。ごめんな、と呟き、猪が去ったのを確認して、もと来た道を辿り、日が落ちきる前になんとか駐車場まで戻ってきた。







畏れ多い。

こうしてまた自然に守られた。

人はどこまで動物か。

山は、海はどこまで人と在るのか。

「伝説」とは?何故伝説であるのか?







過去に、「自然は言語」と表現した事がある。


聞いてみたい。いつか聞かせてほしい。その声を。













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