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鱒に魅せられた男。

  • ジャンル:日記/一般

渓流と鱸釣りをしていた釣友に、数年前、桜鱒の話をした。



そのとき彼は、「俺にはまだ早いよ~」なんて言っていたこと未だに覚えている。

 

その翌年、私が釣った桜鱒の写真を見て、「やっぱり俺も釣ってみたい」となった。

タックルは、専用の物が無い為、「シーバスタックル」を流用して釣りをしてもらった。

情景や、スタイルを気にしなければ、タックルなんて物は何でも良いのである。

 

ただ、夢を追うのに形なんか気にしなくて良い。自由なんだという事。

その事で彼のこの魚に対する”敷居”がグッと低くなったのだろう。

 

この年は、教えた私を含め、桜鱒は秋田の河川で釣るのが一番確率がいいのだろうと考えていた。

だから、彼との釣りはその年数回だった。

 



だがしかし、翌シーズン。

秋田のみならず、密かに私が挑戦していた河川で奇跡的にも釣果をあげることができた。

「地元で夢の魚が追える!!」

 

これが分かったことで、彼がすっかり変わってしまった。

 

できる限り朝早く起床し、仕事前にロッドを振っていた。

そして、帰りも・・・・・・・

 

そして遂にこの年、そんな彼の情熱が結びつく時がやってきたのだが、残念ながら手にすることが出来なかったのだった。

 

そして迎えたシーズン終了。

 

彼は悔しかったと言っていた。

しかし、その眼は諦めてうつむいた目ではなく、闘志漲る眼だった。

 

そして迎えた今シーズン。

 

彼の意気込みは、違っていた。

 

ルアーも考えて替え揃え、ロッドもトゥイッチに特化した物をセレクト。

魚のランディングに必要なネットは、魚が映えるよう、格好良く映るようにと、ネットの色、フレームの色を考えに考えて選んだそうだ。

そして迎えた桜鱒解禁。

 

こちらは3月から釣りが出来る。

渓流と同時の解禁。

渓流もそこそこに少し早い、桜鱒釣行となった。

彼の情熱に後押しされた形だ。

 

しかし、そんなに簡単には出会えず、迎えた4月1日。

 

秋田県の解禁日だ。

 

日本海側で早めに解禁している所では、良い釣果が上がっていたため、自ずと期待が持てたが、彼は日程が合わず行くことが出来なかった。

釣るならこの日。

そう思えるほどのタイミングだった。そして私が釣果をあげた。

 



羨ましく、悔しかったと思う。

 

「何でだ・・・・・」

 

なんて思ったと思う。

 

次に桜鱒を狙えたのは、5月。



残念ながら、減水と、代掻きの影響をもろに受ける最悪なタイミング。

それでもダメと分かっていても必死に、ロッドを振り、アクションを付け、腕が棒になりながら頑張っていたのが、印象的だった。

 

渇水の今年、厳しくなる6月。

それを前に、地元で何とかと、私よりも先に朝ロッドを振っている彼がいた。

 



「夢を追うものは、常に情熱的でなくてはならない。」

 

 

そして、夕方も。

 

会いたくて、会いたくて会いたくて。

 

いつ訪れるか分からない。だけどきっと来ると信じて、キャストしていたんだと私は思う。

 

 

初めはぎこちなかったジャークやトゥイッチも、柔らかく動かせるようになり、狙いもよくなっていた。

 

 

 

そして、彼が何かを感じ一人で向かった「薄暮」のワンチャンス。

 

遂に桜鱒と対面することが出来たのだった。

 



 

会社に居た私に電話がかかってきており、折り返すと「やったー!!」と言う今まで聞いたことのない興奮状態。

 

嬉しくて嬉しくてたまらないと言ったところだった。

 

彼にとって最初の一本。

 

人生初フィッシュは、一生に一度しかない。

 

感動ものだ。

 

仕事もそこそこに会社を飛び出した私。

そして、祝杯ビールを買い、彼のもとへ。

 

喜んで飛び回っている彼を見て本当に私も嬉しかった。

こんなに人の釣果で喜び合える魚は中々いない。

 



ただ一つ残念な事は、せっかく買ったネットを置いてきてしまって、一緒に魚との写真が撮れなかったという事。

 

「また出会えるさ!」


彼はそう言っていた。



そして後日、現実となるのだった。

なぜだろう。この魚と言うものは、何かが噛み合うとあっさり釣れてしまう。


これもこの魚の魅力なのかも知れない。



彼の桜鱒人生は始まったばかり。


この情熱は冷める事はない。

また鱒を追って繰り出すのだった…


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