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ロッド開発の裏側~シークレット

こんにちは、ピュアの清水です。

今週頭、新潟でルアマガさんのトリプルコンセプト取材を終え、今大阪で少し時間が出来ましたのでブログ書いています。

ロッド開発の裏側を一部ですが、KR-Xシーバスを例にとってご紹介できればと思います。



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ここで、KRコンセプトガイドのおさらいを。
左端からYSGガイド#30、ノーマルKガイド#25、最新KRガイド#25となります。
見て頂けるように、一前昔シーバスロッドでスタンダードだったYSG#30とKR#25が同等の高さになります。
一番右端のKRガイドは高足なのがよく理解して頂けると思います。
要するに一番元ガイドは、ルアーの飛距離を出す上で、リングサイズの大きさが重要なのではなく、ブランクスからの距離(高さ)が重要だということ。同じ高さを得られるKRガイドは、リングを#30から#25にワンランク落とせるため、軽量化、感度につながるわけです。ノーマルKガイドは、リングサイズを落とすと高さが無い分、飛距離が落ちてしまします。サイズを上げればその分重量が増すデメリットが発生してしまいます。
よってKRコンセプトガイドは、ロッド性能の総合的向上に不可欠なガイド。総重量の大幅な軽量化を可能にしたのと同時にシーバスロッドに求められる飛距離の大幅なUPに成功している次世代のガイドシステムなのです。


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国内ガイドメーカー富士工業さんのカタログを見て頂ければ、各ガイドのコンセプト、セッティングなど参考になると思います。

我々開発者も当然、カタログを拝見し、場合によっては直接富士工業さんに、リールシート、ガイドに関する企画の提案、リクエストをさせて頂いております。
ブランクスの調子によって1本ずつガイドの数やサイズを含むレイアウトする必要もありますし、ひとつセッティングが間違えれば別物のロッドになったりします。
それゆえ設計者はブランクスの性能を最大限引き出すための努力をするわけです。まさにKRコンセプトガイドシステムと弊社独自のマイクロガイドシステムは、これ以上ないブランクスの性能を引き出すことに成功しています。
まず感度については第三者機関で従来より感度UP(振幅、周波数、減衰率など調査)していることを科学的に証明していますし、もちろん自重、軽さの面では大幅に軽量化されています。
その軽さからくる恩恵で飛距離UP、バランスUP、フッキング率UP、ライントラブル回避など、全てにおいて間違いなく進化しています。

ソルティーステージKR-Xシリーズは全てこの最新のガイドシステムを搭載しています。

ただしシーバスやジギングなど場合によっては、マイクロガイドシステムが適さない場合がありますので、そこはやはり各ジャンルで多用されるメインライン、リーダーラインに合わせて、ガイドリングサイズ径を決定していきます。



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続いて、こちらはVSSリールシートの断面写真。
左がNEWタイプのVSS#16。
右のリブが付いているのは旧タイプのVSS#16。
実はマイナーチェンジしたことをご存じでしょうか?
どちらも富士工業さんから併売しているのですが、NEWタイプの方が肉抜きされてより軽量化されています。
旧タイプはリブがあって剛性感はあるのですが、使用出来るブランクス外径に限度があるのと、重いのが欠点でした。
具体的には、前作のソルティーステージ・シーバスには、長く固いアクションのものは旧VSS#16サイズは、外径の問題から使うことが不可能でしたので、ワンランク上のサイズのVSS#17を採用しました。

ただ4~5年前からの傾向でグリップは細身が好まれるようになってきた事からNEW KR-Xシーバスは、全モデルともVSS#16を採用し、握りやすい細身シェイプを実現しています。(長くてもブランクス外径が大きくてもNewタイプのVSS#16は使える為)

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違う角度から。

こちらは右がNewタイプのVSS#16。
余計な個所は肉抜きされ、軽量化されているのが見てとれると思います。
KR-Xシリーズはシーバスに限らず、全モデルに最新鋭の改良された富士のVSSリールシートを採用し、軽量化を実現しています。



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こちらはセンタレス加工という様々な形状加工の例と、材料の種類の違いになります。
上からグラス、カーボン、織クロスカーボン。
余談ですが、グラス一つとってもUD(ユニディレクション・単一方向性)、樹脂量の違い、トン数の違い、ソリッド、チューブラ様々な種類があります。
UDは縦方向の繊維のみなので、潰れ方向には非常に弱いという弱点がありますので、縦横に走っているガラススクリュームで潰れ方向を抑えたりします。ただしこの場合はチューブラで成形する時のみで、ソリッドの場合、中身が詰まっていますので、UDのみでOKです。


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織クロスも、1Kから24Kまでの炭素繊維を、平織り、綾織り、朱子織など様々な織り方の種類があります。
場合によってはケブラー繊維をいれた織クロス(前作のソルティーステージ・シーバスに採用)もありますし、各金属繊維を入れるケースもあります。
4軸カーボンも6軸、またはケブラー入りの4軸も存在しますし、アルミのテープを入れた4軸も存在します。
4軸に使われているカーボンの弾性率も指定出来ます。
通常は24tの組み合わせですが、例えば縦横は24t、斜め45°、135°は40tにするとか、実は4軸一つとっても設定は設計者次第なのです。

ちなみに4軸、Xテープのカーボンテープを製造出来るのは、私の知る限り日本、国内のみです。
ですので我々は国内ベンダーから材料を仕入れて海外でコストを抑え製造するという話はよくあるケースです。
弊社製品は、メイドイン中国でも原材料は日本製使っているケースが多いですよ。
まぁ私自身、考え得る最高の道具を使いたいという基本概念があります。


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これはロゴのデザイン案。
ロゴもコスメにおいて非常なポイントとなるため沢山の案を出し、その中からベスト、コンセプトに合うものを選びます。
時には周りの方にヒアリングして多数決で決定する事もしばしばです。

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スレッド(ガイドの糸)の種類の一部。
スレッドの種類も数えきれないほどあるわけですが、(ゴールド一つとっても赤金、青金、シャンパンゴールドなど何種類もある)

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塗料の種類も半端ない。
何百通りからチョイスします。

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コルク、EVAも様々。
KR-Xシーバスは3Aの上級コルクを採用。
3Aをコルクを超えるS級もあります(^_^;)
S級はハイエンドのサーフスレイヤーに採用しています。

EVAは硬度は、バランスや、位置、グリップ力が必要な個所などによって変えたりします。
実は1本のロッドに複数の硬度のEVAが採用されているケースは、弊社ロッドでは存在します。

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こういったカモカラーも。

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竿袋も様々な生地から選びます。
自分が欲しいモノが必ず手に入るのが世界の工場、中国の凄さです。




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これは製品解説動画を撮った時の写真。
様々な工程、過程を経て、ようやく商品化されます。

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テストの一コマ。


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テストを邪魔される一コマ(笑)

真剣にシーバスを狙っている側で、アカエイを何度も掛けては邪魔するプロショップK's旭店の石毛店長...
しかも人のルアーを何度もロストする始末。
しかも1個は、その方のショップで買ったやつ!

ロッドのリール、ラインの強度テストにはなるけどねぇ~(^_^;)

しかし綺麗なベンディングカーブを描いているのが見てとれると思います。スムースな弧を描くために、ハイエンドと同等の印籠継ぎを採用しています。また強度を上げるために印籠棒には織クロスを最外層に巻いてます。

そんなKR-Xシーバスですが、先月末予定通りに出荷されました。
ちょうど店頭に並んでいますので、是非手にとってチェックして頂ければなと思います。

モデルによっては初回出荷完売になりました。
次の入荷も数が限られており、11月以降の見通しですので、シーバスシーズン見落としなく!

宜しくお願い致します。
清水でした。









 

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