夕闇の迫る頃、江●さんがインナーソールを取りに事務所に来ました。
彼は●●●タックルデザイン社の開発ですが、学生時代の３つ上の先輩でもあります。

新入生として夢いっぱいのサークル勧誘初日。
ワタクシは音研と釣りクラブの門を叩きました。
音研はまた今度に置いといて、釣りクラブのほうでまず、自己紹介用紙みたいなのを書きます。
先輩方の見ている前で。

『住んでいる所』迷わず『池田』と書きました。
先輩方から「江●さんとおんなじや!!」と声が上がり、かなりのどよめき。
『出身地』迷わず『長崎』と書きました。
また「江●さんとおんなじや!!」とどよめきが。

いったい江●さんて何者ですか？

そこに「あ！江●さん！」と声が上がり、やって来たのは大学生には見えないオッサンゴリラみたいな…

さっそく紹介され、その日は一緒に帰宅することに。
聞けばこの男、三年通って修得単位がたった『7』…ヤバい。普通一年で30～40ってところ。

縁があって一緒に帰ったりするうちに、
いくつかの違和感を感じはじめました。
★違和感１
夕方来て夕方帰る。
小川「あの、江●さんていつ教科選択の用紙出したんですか？」
江●「あ！出してないな。締め切り過ぎてるな！」
小川「出さないと授業受けれませんよ？」
江●「まあなんとかなるやろ」

…なるわけもなかったのは、言うまでもない。
この時点で来年の五年生一回生確定。

★違和感2
はじめての釣りを教わるとき。
江●「…こうすれば、こう釣れるからやってみたまへ。」
小川「ホンマや!!江●さんすごい爆釣ですよ！ねえ、江●さん！？あれ？何匹釣りました？」
江●「…ゼロ…」
これが毎回…。

★違和感3
ウエストポーチが体と同化している。
いまだに触ると怒る。
何回も『ダサい』とダメ出ししたのに外さない。
今日持ってみたら異常に重かった。

★違和感4
常におごる側
先輩「今日江●さんおごるからメシ行こう」
後輩&同期15人「ゴチで～す！」
見たら江●さん財布開いてるし!!

パチンコ&スロットでこれらおごりと学費をペイしてしまう有り様。

★違和感5
江●さんが下流に下ると、ほとんどの魚が群れで上流にあわてて逃げる。
まるでポロロッカの如し。
何度となく目撃。


結局ワタクシ二回生になるとき、江●さんは退学届出し忘れて『除籍』になってました…。