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上宮則幸

鹿児島県

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カワヌベ

  • ジャンル:日記/一般
爺 そきおらよそぁ!

俺 なぃがよ?

爺 カワヌベよ!

俺 ないよそぁ?

爺 目光りよ!

俺 やっでないよそぁ?

爺 投げんか!

俺 やっでどきよ?!

爺 そきよ!!


直後に掛けた。
テトラ際に走ったカワヌベは止まらず、ただおれは竿をタメてリールのスプールを抑えるしかなす術はなかった。


爺 走らんか!


言わんとする事がわかった。
魚と一緒に走ってを川岸を下れと言う。
おれはラインのテンションを抜いて走った。
ラインのテンションを抜くと魚はテトラ際にはり付いて止まった。
一瞬魚がテトラに化けたかと錯覚を覚えた。

魚の張り付いているテトラに乗って下を見た。

化け物がいた…

ゆっくりとラインを手繰る。
化け物は違和感を感じてテトラと反対側に身体を向けて、ゆっくりと浮上しながら、更にゆっくりと頭を振り沖に向かって泳いだ。

チリチリとゆっくりスプールが逆転を始めた。
おれはスプールを押さえ再度竿をタメた。

この時化け物がまだその身が頼りない一本の糸で繋がれている事に気づいた。

水面に踊り上がる巨体。
見た事もないド派手な水飛沫。
化け物は水面に顔を出したままエラを洗い、20メートル近く沖に猛進した。
あたかも暴れ馬を川に投げ込んだかのような暴力的なけたたましさ。

そうして突如として止まった。
おれはロッドをフルベンドして寄せようと試みた。
ングングと首をふる感触がするだけでビクともしない。

爺 すんな!寄すんな!

俺 ないごてよ?

爺 沖で好っなごさせんか!

全てはこの進言のお陰だったと言える。
数十分の後目の前に横たわったのは124cm25kgの化け物。

この川の覇王 カワヌベ 赤目だった。


もう10年程も前の話し。

あれから7回も同じような感動を味わったが、あのサイズを上回る赤目とは出会えてない。

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