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上宮則幸

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ありあまるもの

  • ジャンル:日記/一般

きっとこの工場には1000人以上の人が働き、それぞれの生活を何十年も支えてきていたのだろう。

この会社は負債を出すことなく計画倒産したらしい。

松下電器のテレビの外装やテレビ台が生産されていた。

残されていた在庫を見るに結構な高級機種の外装を作っていたらしい。

金目のものは業者に引き取られて、そうでないものは写真のように無残にもブルドーザーによって破壊され寄せ集められた。

それが四年前・・・

わたしの仕事はその寄せ集められた瓦礫の選別。

倒産前までは何かしら意味があったり、無くなればそれなりに困るようなものだったハズだが、ある日突然それらのものは溢れかえる無意味なものになった。

足元にシャチハタのついたボールペンが落ちていた。

ブルに踏まれて潰れている。

自分が持っている7000円のペンより高級なやつだ。

これを使ってた人はそれなりに大切に使っていたはず。

愛着だってもっていただろう。

あっちには業務日誌がほぼ完全な姿で落ちていた。

湿気にもやられていない革表紙の日誌。

丁寧に書き溜められていた。

これを書いたひとの仕事にかける想いはいかばかりか想像が付く。

高い志をページ毎に感じさせる日誌。

それをだれかが踏みにじって歩く。

心が痛む。

あふれかえるもの・・・

ものにもひとが思いをもって扱えば魂が宿ると思っている自分にはやりきれない光景。


そういえば・・・

ホームの常連さんの話。

その人は釣った鱸を全て持ち帰る。

大きいの小さいの関係なく鱸もボラも鯉も草魚もナマズも・・・

それを一口だって食べない。

以前は飼い犬のドーベルマンに煮て餌として毎日食わせていたが癌で死んだらしい。

今は餌にもしないし絶対に食わないけれど釣った魚全て持って帰る。

魚をどうしてるのか不思議に思って聞いてみた。

どうしているのでしょう?



こたえは「畑に埋める」でした。

その人は釣った魚を全てぶつ切りにして畑に穴掘って埋めてしまいます。

その畑には何かしら作物を育てているわけでもなく雑草を生やしているだけなんだそうです。

魚を埋める行為は一切何の意味もなすものではないそうです。

釣った魚は持って帰るもの。

食べない。

埋める。

そう決めているそうです。


悲しい人だなーと思います。

なんか今日は感傷的な気分なのだよ・・・

仕事の所為かな?

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