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『ジェノサイド』 高野和明作品のご紹介

  • ジャンル:書籍・雑誌
  • (読書)
fimo(勝手に)図書委員のkazu@食べる!です。


しばらく前に読んだものですが,今日ご紹介する本は,こちら!


高野和明 著  『ジェノサイド』





大きな書店に行くと,ほとんどの店舗で「今年はこれだ!」なんて大々的に紹介されていて,すっかり有名になっているので,御存知の方も多いかと思います。


以前に紹介した『13階段』で江戸川乱歩賞をとり,華々しくデビューしたわりに,いまいち有名になりきれない頃から大好きな作家だっただけに,あんなにもてはやされると,少々複雑な気分ですが・・・・


でも,この作品,確かに凄いです。


ミステリーとか,エンターテインメントという言葉を超越して,もはやノンフィクションではないかと思われるほどの緻密な取材力と重厚な表現力には,いつも驚かされます。


+++


ホワイトハウスで極秘裏に進められる謀略。

日本で進められる謎の創薬。

ポルトガルで難病と闘う親子。

コンゴで行われる虐殺。


+++


それぞれの場所で,最初は別々に進んでいくストーリーが,実に巧妙に,そして
重層的かつ複合的に仕込まれた伏線により,次第にその相関関係を現します。


精緻な構成の中で,その伏線に気付いたときの驚愕と歓喜たるや,筆舌に尽くしがたいものがあります。


圧倒的な重量感とスピード感で壮絶なシーンが描かれ,クライマックスに突入した頃には読む者の気持ちを完全に掌握し,そして,予想を越えた爽やかなラストが迎えてくれます。


(桐野夏生作品の「ざらっと」した読後感とは対照的です。)



ただ,どうしても一つだけ気になることがあります。


作品のメインテーマとタイトルが合致してないような気がするです。作者の意図を読みとれていないボクの理解不足かも知れませんが,その点だけが,ちょっとだけ残念です。


その点を差し引いても,決して読んで損のない一冊です。


休日に一気に読了することをオススメします。

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