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【離島出張釣行旅】トカラ列島中之島 〜トカラでのライトゲーム〜 後編

前編はこちら:【離島出張釣行旅】トカラ列島中之島 〜トカラでのライトゲーム〜 前編


 本来なら月曜日の深夜に鹿児島港を出て火曜日に中之島で一泊し、水曜日の名瀬から上る便で鹿児島へ帰る予定だったのだが、荒天の為水曜日の船は欠航し、滞在期間が丸一日伸びることになった。


"釣りが出来る!"と喜んだのも前日までで、延泊当日は朝から土砂降り。インターネットで雨雲の動きを確認するも、夕方まで雨は止みそうにもない。


トカラでの2日目は、そんな雷まで鳴っている悪天候でのスタートとなった。




■ トカラの呼び名が語る戦争の歴史


「あんた、十島(じゅっとう)ち、言うとや」


宿の女将さんは、十島村の島々のことを"じゅっとう"と言った僕に向かって、そう言った。


「えっ?島の人はなんと言うんですか?」


わからないことはすぐに聞いてみる。


すると返ってきた答えは、戦争に関わるトカラの歴史についてのことだった。



 元々、現在の三島村(竹島、硫黄島、黒島)と現在の十島村(口之島、中之島、諏訪之瀬島、平島、悪石島、宝島、臥蛇島)を合わせて、"十島(じっとう)"と呼んでいた。


太平洋戦争で敗れたその後、現在の三島村を除くトカラの島々はアメリカの占領下となる。


その後、トカラの島々が日本に返還される時、元々日本の統治下にあった竹島、硫黄島、黒島の3島は三島村(みしまむら)として、トカラ列島の島々は十島村(としまむら)として、新たに歴史を刻むことになったらしい。


ひとつの呼び方が教えてくれたトカラの戦争の歴史。たったこれだけのことを知らない僕は無知で、たったこれだけのことだけど戦争の重みを感じる。


「昔は、じっとう。今は、としまむら」


そう言う女将さんの言葉が、とても強く印象に残った。




■ 初魚種「ヒロサー」


 夕方、予報通りに雨は止んだ。今日は車は借りていないので、宿を出ると港へと徒歩で向かった。


海の状況としては、藻が多く風も強い。ただ、その状況下でもダツは相変わらず泳いでいて、釣り上げれば余裕で自己最長記録更新なヤツに、シーバスの5倍速程のファーストランをかまされた後、大切なルアーをひとつ切られてしまった。



 普段のシーバスフィッシングでもやるような考察と状況判断を元に、ルアーローテーションを組み立てていく。それでもなかなか反応がないので、細かく移動を繰り返しフレッシュなエリアを塗りつぶしていく。


上げ潮で満ちてきた、ちょっとしたリーフエリア。そのエッジで、小さなベイトたちがルアーに驚いて逃げた。


こういうシーンを、ずっとずっと待っていた。フィッシュイーター達の姿はちょこちょこ見るも、肝心のベイトが一体なんなのかわからないとパズルの最終ピースはハマらない。


リーフエッジの外からルアーを引いてくると、早速魚のチェイスを確認。見切られないよう、早めのルアーチェンジを選択し、スナップに装着したのはマルジン/UKシャッドワーム。


ソフトルアーのワームで、確実に食わす作戦だ。


その次のキャスト、引いてくるワームの後ろにチェイスを確認しバイトに備え身構えると、ゴンっとしっかりバイト!


ただチェイスしてきたやつとは別に、横から食ったようにも思えたその魚体は、ルアーフィッシングで初めて釣り上げた魚種だった。



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【ヒットルアー:マルジン/UKシャッドワーム】


 魚種がわからず色々と調べてみたところ、おそらく沖縄の方で"ヒロサー"と呼ばれる魚になるのではないかと思う。


ヒロサーは方言だと思うので正式名称を知りたいのだが、ヒロサーと検索したら他の形をした魚も出てくるからもう正直どれがどれだかわからない。笑


サイズの割には引きも強く、ベースの色こそドス黒いグリーン系だが、アクセントとなるピンク色の斑点や模様が目を惹く魚。


何より、"トカラでのライトゲーム"を確立したいと思って望んだ離島出張釣行旅としては、ターゲットとして最適なサイズと引きだったと思う。



 リリース後、これからの満潮へ向けて活性が上がってくるかと思い気合いを入れてキャストを再開するが、これまた予想外にチェイスすらない。


釣れたと思ったら、その次は1ミリも釣れる気がしなくなる…なんて厳しい中之島の海。笑


宿の夕食の時間に間に合うように少し早めにフィールドを後にし、その足でそのまま温泉に寄り汗を流すことにした。



 温泉の帰り際、すっかり晴れた空に映えるトカラ富士と、海の向こう側に見える島々を見ながら、海岸線沿いを涼む。


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【東区温泉から見るトカラ富士こと御岳】


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【水平線に浮かぶのは諏訪之瀬島(左)と平島(右)】


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【臥蛇島に沈みゆくトカラの夕日】


釣りができるのはいよいよ明日の朝がラストとなる。明日はどんな魚に出会えるだろう。


夕食後は作戦と下調べを隈なく仕上げようと思っていたが、気持ちとは裏腹に目に見えぬ疲労が蓄積した身体は、あっという間に深い眠りへと沈んでいった。




■ 旅の終わりと、中之島の漁師さん


 最終日の朝、日の出とともに宿を飛び出す僕を見て、起きたばかりの別業者の方が笑いながら言う。


「釣れたら、帰りのフェリーで教えてな!」


単刀直入に言って、最終日の朝マズメから2時間程の間に魚は釣れなかった。


最後はあまりにも静かな海と、漂う大量の切れ藻を見ながら、心折れるようにロッドを仕舞った。


今回の目的のひとつだった、"トカラでのライトゲームの確立"についての明確な答えは出なかったけれど、きっかけは掴めたかなと思う。



 帰り際、中之島初日のこれから荒れるという海に向かって出航していった漁師さんと、漁港でバッタリ会ったのでどちらからともなく話をした。


千葉からのIターンで中之島に住んでちょうど20年になるということ。漁場のことや、5キロのイカが港に入ってくる話、その他たくさんのことについて短い時間ではあったが充実した会話を交わした。


「暑かったでしょう。これ、どうぞ」


そう言って手渡してくれた冷えたペットボトルのコーラが、3日間の中之島の締めとして最高に美味かった。



 離島出張釣行旅は、第一に仕事であり、おまけの釣行であるが、やはり"ひとつの旅"でもある。


宿の女将さんのとの会話、漁師さんとの釣り談義、同じ宿に泊まり一緒に食卓を囲んだ仕事での来島の方々との晩酌、父と同じ職場でさらにその奥さんは僕の地元まで一緒だった方との出会い。


そういう出会いのひとつひとつは、旅をしないとどうやったって得ることは出来ない。


厳密に言えばただの仕事。でも、フェリーとしま2に乗り込んだ瞬間から、汽笛と共にその人の旅路は始まりを告げる。


次は、どの島で、どんな旅が待っているだろう?


いつだって、どんな時だって期待に胸は膨らむ。


トカラ列島には釣り人を、旅人を…実際に行った人にしか見ることのできない雄大な自然の景色が、待っているのだから。


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【フェリーとしま2(上り便)から見る中之島】





【TACKLE DATA】

ZENAQ/PLAISIR ANSWER PA89 Technical Surfer

SHIMANO/18 STELLA 3000MHG

SUNLINE/CAREER HIGH6 1号(16lb.class)

SUNLINE/STATE CLUTCH SHOCK LEADER NYLON 16lb.


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Cap/1989Luresオリジナル(OTTO)

Life jacket/DAIWA 膨張式ライフジャケット(腰巻きタイプ)

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