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フィールドの風を読む

相棒にラインで連絡を入れる。
 
「今夜、行こうかどうか迷ってる」
 
相棒が鹿児島の最後に選んだ川は、相棒が去って以来一度も行っていない。
 
南東の風が吹くから、もしかしたら…
 
自分の釣りじゃなく相棒の釣りをしにその河川に向かった。
 
 

■ 風向きと仮説
元々は北東の風が良いって言っていただろうか。いずれにせよ東寄りの風が吹けば、河口から河川内に向けて吹く風になる。
 
シンプルに、その風がこの河川にベイトの活性を呼ぶと捉えてみる。
 
この時期の風は安定せず、渦巻くような低気圧がいくつも発生する。よって、風だけでなく雨が降る。
北東なのか南東なのかでまた違うが、南が加わる時は高確率で雨も連れてくる。
 
日中に少し降った雨では、この川の濁りを目視で判断するのは難しい。本当に濁りにくい川だと改めて感じる。
 
干潮で干上がるシャロー河川だから、下げにおいては川幅が狭まるこの河口が絶好の捕食エリアであることは容易に想像出来る。
 
あとはベイトが下るタイミングだが、雨の水が多ければ多いほど高潮位で下る印象を持つ。
 
ここまでは、ノーキャッチの自分が相棒やその友人の釣果から立てた仮説。
 
フィールドは相変わらずピチャピチャと流れと波の音を立て、外灯の明かりは水面を照らしている。
 
 

■ 自分の釣りじゃなく、相棒の釣りを
"相棒の釣りをしてみよう"
 
最初からその気でいた。
 
一箇所でキャストを繰り返しそこにスズキが来るのを待つ自分の釣りじゃなく、流れに合わせて細かく立ち位置を変える相棒の釣りを真似てみる。
 
立ち位置は、最河口のテトラ。あの時の相棒の姿を思い出し、ルアーチェンジやルアーの回収角度などをイメージする。
 
正直、釣りのスキルは違いすぎるから同じことが出来ているかは自信がない。
それでも、見様見真似でコース・立ち位置を細かく変える。
 
自分の意思で釣りをしない。次の一投と立ち位置の判断は、本当に相棒に委ねるんだ。
 
「流れが緩んだ時にバイトが出るんですよ」
 
そんな言葉が、ふと脳裏に浮かぶ。
 
この河川の特徴のひとつ、実釣開始から流れはスピードを上げたり下げたり忙しい。
 
雨の影響か、ベイトが下る波紋も多いような気がする。
 
今まで何度も見てきた、この川の呼吸。
今まで何度も聴いてきた、この川の音色。
 
早かった流れが、緩んだ瞬間。
ふと、外灯に照らされた水面に波紋が広がる。
そのスポットは、今の立ち位置からして丁度良いスポット。
 
ややアップに投げたカゲロウが、回収時に自分の真正面にくるというのが一番好きなトレースコース。
 
フルキャストは要らない。
7割ほどのキャストで、狙いの少し先へカゲロウを落とす。
 
「食うならこの流れか?」
 
半信半疑ながら、相棒に問い掛けるように心の中で呟く。
 
波紋が広がったスポットにカゲロウが差し掛かると本当に手元に衝撃が伝わり、水面を照らす外灯の光が飛沫と共に散らばる。
 
「…マジかよ!」
 
自分でも驚く。導かれるままにここに立ち、導かれるままにそこにルアーを投げたのは、相棒の釣りをするって決めたからこそだった。
 
 

■ 君の魚の正体は自己記録のヒラスズキ
バイトが生まれたことに喜ぶ間もなく、水面から空中へ飛沫を上げて何度もする激しいエラ洗いに耐える。
 
同時に立ち位置を変える準備をする。
今の立ち位置のままでは、手前に寄せた時にテトラにラインが擦れてしまう確率が高いと判断した。
いつものように手前で走らせるファイトは出来ない。
 
手前に寄ってくるだけ緊張感は増し、魚の引きとエラ洗いをダイレクトにプレジールアンサーPA89とステラで受け止める。
 
ライトで照らされながらエラ洗いする魚体を見て、さらに緊張感が増す。
 
"…デカイッ!"
 
しかも、ヒラスズキだった。
 
最後のネットインまで強引にいく必要があるから、足元に来た時にルアーのフッキング位置を確認しようとした。
 
だがルアーが見えない。まさか…とよく見てみると、口の中から僅かにルアーの端が見えた。
 
足元で走られないよう引っ張っているのに、動じないヒラスズキ。
 
とにかくラインをテトラに擦られることだけはしてはいけない!と、最後まで気を抜けずに息を切らしながらネットインした時の達成感は格別なものがあった。
 
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"カゲロウ124F(PM HOT SHAD)を、頭から丸呑みするヒラスズキ"
 
なんて食い方だ!!120ミリクラスのルアーが、これほどまでに丸呑みされるのは経験したことがない。
 
完璧にアジャストしたんだという思いと共に、ヤバイのを釣ってしまったと心が騒ぎ、何度も「ヤバイの釣った。ヤバイの釣ってしまった」と独り言を口にした。
 
分厚い魚体に、立派な体高、しっかりとしたウエイトのある自己記録のヒラスズキだった。
 
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■ 確実に見えた流れ
リリースした後、何度もヒットシーンが蘇ってきた。
 
外灯に照らされた水面に広がるベイトの波紋。
その前に確かに見えた、この川の緩くなる流れ。
 
「この流れか?」と思いながら、「これで食ってきたら凄いねぇ」なんて思いながら、本当に生まれたバイト。
 
"風を読むのか"
 
自分の釣りをしていたら出逢えなかった魚。
 
君が読んだ風で、君の釣り方で、釣れた君の魚。
 
この川で釣れる魚は、これからもずっとキミノサカナと呼ぶことにしよう。
 
2020年のナンバーワンフィッシュは、このヒラスズキで決まりだ。
 
帰りの道中、日付を見てふと気付く。
今日は相棒が鹿児島を去ってからちょうど1ヶ月後だったということに。
 
 
 
【タックル&ウェア】
[ロッド]ZENAQ PLAISIR ANSWER PA89 -Technical Surfer-
[リール]SHIMANO 18 STELLA 3000MHG
[メインライン]SUNLINE CAREER HIGH6 1号(16lb.class)
[リーダー]SUNLINE STATE CLUTCH SHOCK LEADER NYLON 16lb.
[キャップ]1989Luresフラットキャップ(OTTO)
[バッグ]SHIMANO XEFO・タフ ウエストバッグ M
[ライフジャケット]DAIWA 膨張式ライフジャケット(腰巻きタイプ)
 
 
 
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