◾️相棒はスクーター

夜勤明けの土曜日、お昼頃に目を覚ますと誰もいない静かな家にポツンとひとりぼっち。

嫁さんは仕事…子供達は実家と保育園にそれぞれ行ってる。

さて…のそのそと布団から抜け出しとりあえず朝メ…いや、昼メシに納豆ご飯をかき込み防寒着を着込む。

ライトゲーム用のヒップバックにハンドメイドルアーとジリオンSVTWを詰め込み、自作塩ビロッドケースにリプラウトを入れた。

キーを回しエンジンを掛け、アクセルを踏む…前にヘルメットを被る。

今日は車でなく通勤に使っているスクーター"ホンダ・スペーシー100"が足である。

ちなみに、車は嫁さんが使ってるからない。

ちなみに、僕の夢は車中泊も出来てロッドやタックルなどの収納スペースが完璧に整えられたゴテゴテにカスタムした三菱デリカか、ゴテゴテにカスタムしたスズキのジムニー(もしくは四駆仕様にゴテゴテにカスタムしたエブリィ)を所有することである。

◾️ラインナップ

港に着いたらこんな感じで道具を広げ、ハンドメイドルアーのスイムチェックを始める。

自作の塩ビロッドケースに入れたのはもし転倒とかした時に、もちろんロッドを守る為である。

今日チェックするルアーは、先日完成したばかりのフローティングミノー"10Parabellum"が3本と、シンキングペンシル"Cork"を1本の計4本だ。

◾️シンキングペンシル"Cork"のチューニング

まずはCorkを足元に落としフォール姿勢やフォールスピードを見る。

この時点でフローティングミノーはうまく出来てるかどうかの判断はまだ出来ないが、シンキングペンシルは思い通りのフォール姿勢やフォールスピードが出来ているかどうかで、とりあえず"上手くいったかそうでないか"の判断が出来る。

今回のCorkはと言うと、はっきり言って"テールからフォールし過ぎ"だった。

飛距離も求めることからテール寄りにウエイトをのせるのが自分のルアーの基本となっているのだが、このCorkに関して言えばなるべく水平に近いフォール姿勢にしないとうまくS字を描いた軌道で泳がないことはわかっていた。

キャストしてリトリーブでアクションを確認してみると…やはり思った通りのS字は描けておらずアクションも破綻していた。

だけど失敗作だからといって"使わない"という選択肢を選ばないことにしている。

"どうすれば良かったのか"を見つけるために、ここからチューニング作業に入っていく。

リア寄りのウエストバランスを調節する為に、フロントアイの下からフロントフックまでの位置に鉛シールを貼る。

これで足元に落としてフォール姿勢を確認すると、見た目にはあまり変わっていないように見える。

実際にキャストしてアクションを見てみると…少しS字軌道を取り戻していた。

だけどまだまだどちらかと言えばアクションは破綻気味。

しばらくキャストして様子を見るが、思い切ってもっとウエストを追加することにした。

先程より大きめにカットした鉛シールを貼る。

フォール姿勢が少し水平よりになり、アクションもS字に近付いた。

だけど…理想のアクションにはまだまだ遠いんだよなぁ。笑

ここでいう理想のアクションっていうのは、何もまだ一回も出来てないアクションっていうわけではなくて、実はランカーシーバスを獲った"1作目と2作目のCorkのアクション"こそが求めるアクションなんだけど、何故か再現出来なくてずっと苦しんでいる。

簡単に言えばワイドなS字アクションが作れない。

1作目も2作目もロストしてしまい、比較が出来ない。

自分では同じように作っているつもりなんだけどね。笑

根本的になぜそのアクションが得られるのか、っていうところから学ばないといけないなぁとここ最近は感じているところだ。

◾️10Parabellumの誤差

3本のうち1本だけ、魅力的でなめらなかなかウォブンロールをした。

他の2本との差は何か？

水を受けるリップの角度？当たる面とリップの感覚？テールのボディ幅の違い？

その誤差が生み出すアクションの違いがハッキリ出ていた。

ちょっと前まではこの誤差は自分でも気付かないか、気にもしなかったのかもしれないが、今ではハッキリとわかるしそこの差がとても気になるようになった。

細かな所に気を配んないと、一からバルサを削っていくハンドメイドルアーは安定して作れないなと改めて思った。

◾️自分の為に、他の人の為に

実は今回作成した10ParabellumとCorkは、とあるアングラーに使用して貰おうと考えている。

"自分の夢の為に、自分だけの為に"

そう思って作り始めたハンドメイドルアーだけど最近少し考え方が変わった。

自分の作ったハンドメイドルアーで釣ってもらったらどんな気持ちだろう？

自分にとって大切なものが、他の人からも大切なものになったとしたらどんな気持ちだろう？

純粋にそこが知りたくなった。

…て書くと少々重い印象を受けるかな？笑

一言で言うと、ちょこっとだけでいいから僕のルアーでたまに遊んでみてね！って感じ。笑

何はともあれ、"自分のルアーを自分以外の人が使う"こと自体初めてだから、どうなることやら。

うまくピースがハマれば良いなぁと願っている。