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田圃に生き物達がやってきた

凄腕釣行9日目



シーバス選手権第2戦は開催期間が1ヶ月ちょっとあるのもあって、今回は釣行数も10日を超えそうな勢い。間違いなく今の自分は毎日のように釣りに行ける環境ではないので、この第2戦の釣行数は自分でも少し驚いてる。時間に少し隙が生まれたら、その隙をさらに広げる為の行動を取り、なるべく無理なくフィールドに立てるような工夫を割と真剣にしている。フィールドに立つ時間を確保する代償に、色々なものを犠牲にして…。



おっきな川の土手に車をつけると、外は生暖かい風が吹いていた。空を見上げるも月は見えない。それでもその雲の向こうには月がいることを示すように、少しだけ辺りの暗闇には優しさを感じられた。雨はまだ降っていない。

そそくさと準備を済ませ狙いの橋脚周辺へと向かう。キャストの前に街灯ひとつない暗い水面に目を凝らし、フィールドの様子をジッと伺う。

ふと、ある事に気付く。

いや、車を降りて辺りを見回した時から気付いていたか。

静かなフィールドで水面をジッと見ていると、それがより一層際立って僕の耳に届いてくる気がした。


…田圃に、生き物達がやってきた。


月を隠す低い雲まで届いて、まるで反響しているんじゃないか?と感じる程力強く、たくさんの生き物達の鳴き声が辺りを包んでいた。季節は冬から春へ。そしてこの日に限って言えば気温も暖かく、春を通り越して夏の気配さえ感じた。まだ桜の木は蕾のままで、春がやってきていることを忘れているかのような鹿児島なんだけれど。

流速を確かめる為にハンドメイドシンキングペンシルCorkをアップクロスにキャストし、ある一定のペースでリーリングする。キャストした角度と回収した角度の差を確認しながら、橋脚にCorkを送り込む為のベストな着水地点と流すコースを見極める。

ある程度橋脚から離れたエリアでシミュレーションを行った後、いよいよ本命の橋脚周りへとCorkを送り込んでいく。上流から流されるベイトを意識してまずは流れにラインを乗せていく。時折リールのハンドルを一瞬巻いてすぐに止め、少しだけ上流に向かって泳ごうとするベイトを演出する。その後はまたすぐに下流へと流す。この時に食ってくることがある。

勝負は3投以内と心で思っていた。

だけど、3投しても5投しても10投してもカラーローテしても、ありとあらゆる角度から流しても、バイトはなかった。

いないのか?今じゃないだけなのか?でもタイドグラフ的には最干潮間際だから、今までの経験からチャンスと言っていいはずなんだけれど。

立ち位置も大きく移動していって橋脚の下流側でCorkを流していたら根掛かりしてしまい、長い間粘ってなんとか外そうと試みたがスナップの結び目からラインブレイクしてしまった。痛恨のロスト。

去年一年でロストしたルアーの数は2、3個で、そのうち一個だけハンドメイドルアーで後は市販のバイブレーションプラグだった。市販品しか使っていない頃は釣行毎にルアーをロストしていったような感じだった。潜行レンジがどのくらいなのかを掴む前に実釣に導入し思ったより潜り過ぎて根掛かりしたりしていた。それがハンドメイドルアーを使うようになってから、かなりロストは減った。1番目の理由は無くしたくないから、無謀なコースをトレースすることがなくなった。そして2番目の理由が自分のフィールドに合わせたレンジのルアーを作ってるから自分にとって使い易く、コントロール出来る範囲にあるという点だと思う。

それ故にロストした時、ちょっと落ち込んだ。次のルアーを結び直しながら、何に引っ掛かったのだろうか?と考えていると、ふと思い付いて携帯を取り出す。タイドグラフを確認すると…いける。次の週の最干潮時、回収しに来ようと決めた。

タイドグラフを見るともう最干潮は過ぎていて、そろそろ上げの潮が入ってきて逆流が始まってもいい頃なのに、なかなか流れは変わらない。まだいまいちこのおっきな川のことがわかってない。

それでも一瞬変化するタイミングを逃さないように、再び橋脚の上流側で流すコースを1メートル間隔で刻んでいった。足元の水面がキラキラと光っているのに気付いて空を見上げると、雲の隙間から月が覗いていた。街灯ひとつない静かな川で、月明かりがあるもとても安心する。ピチャピチャと跳ねる小魚やボラ達も少しだけ活性が上がったような気がした。

フルキャストした着水点あたりでルアーに掛かる抵抗が大きかったので、重点的に流しているとクンクンッとティップにアタリが伝わった。大きくアワセを入れると、バシャバシャと水面が掻き混ぜられる音が聞こえた。

よし、こいつを獲れれば3匹目だ…!そう思うと少し緊張する。

橋脚から離す為に強引に寄せる。

…ん?簡単に寄ってくる。

もしかしてボラ?と思ったら、エラ洗い。

ちゃんとシーバスだ。

手前に寄れば寄る程に軽快なエラ洗いを見せる。

ズリ上げてみると体感した引きよりもだいぶ長さがなくて逆に驚いたが、腹はパンパンでコンディションはバッチリのフッコサイズだった。

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42センチ。ウェイイン3匹目。

凄腕シーバス選手権第2戦、釣行9日目でようやく目標のリミットメイク。長かった…やっと釣れた。それだけに喜びもひとしおだった。

リリースして次の1匹を狙うも、流れがかなり緩くなってきた。なるほど、この1匹も変化する最初のタイミングだったのか。この後上げの逆流が始まるのだろう。それも狙い目だと思うけれど、ここまで3時間投げ続け腰も痛くなってきたし、明日も朝早くから遠い現場での仕事が入っている。上がることにした。



凄腕第2戦はここまでけっこう無理矢理釣りに行く時間を作ってきた。夜勤がない日はやるべき仕事が残っていても定時には上がって、少しでもフィールドに長く立てるように時間を確保した。夜勤が続いてようやく夜勤がない日にも、帰宅してご飯を食べる事なく釣りに出た。「パパと一緒に絵本読んで寝たい」とせがる子供達に、今日はゴメンねと声を掛けて玄関を出る。玄関を閉めると子供達の泣く声が聞こえる。

…これでいいのか?いや、駄目だろそんなの。そう自分自身でも思う。今大切にするべきものは、1番身近なところにあるものだろう。なんて自分は愚かな人間なのかと。

だけど…そうだとしても、それを犠牲にしてでも成し遂げたい目標がある。釣りをしない人じゃないとわからないことなんだろう。だけど、こんなにも夢中にさせてくれるなんて。昔から熱しやすく冷めやすい性格の自分が、幼少の頃から釣りだけはやめない。

自分にとって最終的な目標の為の、今の凄腕の目標だ。

我慢してくれた子供達、負担掛けてるのに文句言わないで(少しだけ言われたか。笑)送り出してくれた妻、リミットメイクするまで大いに遊ばせてくれたことに感謝。

凄腕はあと少し残ってるけど、ハンドメイドルアーでリミットメイクという目標を達成したので、今度は大いに家族と遊び、過ごす時間に当てるのだ。もちろん、それも自分が大いに楽しみながら。


仕事はホドホドに!遊びは全力で!

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