官兵衛は負けなかった

負けなかったが故に…天下を取れなかった






天才軍師と呼ばれた黒田官兵衛

官兵衛が隠居し秀吉没後

天下は徳川と石田で二分し混乱していた

官兵衛は再び天下取りの野望を抱く様になる

東西の争乱に乗じ官兵衛自ら九州を統一



その勢いにのって中央で石田三成、徳川家康と対峙しようと

機会を伺っておりました



息子である黒田長政が家康側に加担し…九州をその手に治めた後

関が原の合戦が一日で終わり、天下は徳川家康の手に…



関ヶ原の戦いで手柄を立てた息子長政が父官兵衛に向かって言った



家康公は我が手を取り

頭に押して頂き

『この勝利は一重に御辺のおかげでござる』と申して頂きました

と得意気に父官兵衛へ報告した

その息子長政に父官兵衛は問うた

家康公が押しいただいた手は右か左か？



息子長政が…右手でありましたと答えると

官兵衛は…その時、貴様の左手は何をしていたのか？



長政は絶句する

空いていた左手で家康を刺し殺すことが出来たのではないか

父官兵衛の目が無念の涙で溢れていたという



関が原の合戦の論功にも官兵衛の名は挙がらず恩賞はなかった

家康が官兵衛の実力を恐れ誰もがその才能を認め、その才能を発揮し続けた黒田官兵衛

その才能が故に天下を取れなかった黒田官兵衛

彼ならどんな策で手に入れたのだろうか



男は電気屋チラシを見ながら物欲魔王と化していた

老眼でスマホでは厳しい場面があったからだ

タブレットが欲しい！

正面切って嫁に言えば最悪は切腹ものである



戦わずして勝つ

黒田官兵衛の戦法を思い出してある秘策を練っていた



そして、機は熟した

元旦のお昼、義母が遊びに来ていた

男はさり気なく正月のチラシを義母に見せながら

ガラケーの義母に孫とテレビ電話があれば何時でも孫に会えると情報を与え

それをするにはタブレットが最適だと伝えていた

お正月の初夢チラシを食卓に広げておいた



そして、義母の家にもルータという魔法の箱を買えばタブレットを使っても通信料金も掛からない事を嫁に吹き込む

そして、その二つが化学変化を起こし



嫁が言う…明日は電気屋に行くから！

キタコレ！



ぷぷぷ…

黒田官兵衛ぢゃね！ワシ！！



更には…2台買って

1台はワシのものに（笑）





結果！キタコレ！

ワシのは無かったけど



まあ、いいや！義母が喜んでいたし

布石にはなるやろ


お正月はゆっくりしょ



こちらも忘れないでね


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