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古賀 亮介‐snif

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そんな釣師でありたい。

『最近、行ってます?』

少し前の事になるが、離島でこんな事を、
その夜、出会ったばかりのアングラーに唐突に尋ねられた。

福岡の離島で、のんびりと淡々と、
考えない釣りを感性の向くままに続けていた夜のことだった。

唐突に尋ねられたものだし、月の半分くらいは、
玄界灘の何処かで文字通り『生活』していたから、
特に思慮もなく、僕はこう答えた。

『行ってますよ。なんやかんや色々釣れてくれて、
毎回水族館みたいなバッカン眺めて遊んでます。』
そういって笑いながら、ケータイの中の近況、
つまり釣れていた魚の写真の一部を、披露した。

聞けば僕が良く行くフィールド各所が、
その方の普段の釣り場であるそうで。

釣行前に地名と釣種でググると、よく出てくるから、
いつの間にか定期的に読んでくださっているとのことだった。

あとあと考えると、なんだか奇妙な気分で、
嬉しくもあり、気恥ずかしくもあった。

そして、釣りに関して考えたことの記録を残したかったから、
そんな動機で始めたfimoのはずなのに、

いつの間にか、釣果報告が主で内容の薄い、
活きてない記事を書いている自分が居た事にも気付かされた。

ログの考え方は両論あると思うし、
どんなやり方もアリだとも思う。
ログも釣りも楽しい方が良いのは間違いじゃないと思うし、
端的な釣果報告を書き連ねるにも、並々ならぬ時間と手間、
そこは頭が下がる。

しかし、僕が残したい記憶は、その時々の自己の釣り。

反省文を踏まえながら、その時々に発見し続けている
『釣りの意外な一面の記録と保管』で、

読んでくれる方には素人玄人問わず、
『僕の通うフィールドにはこんな釣りがあって、
なかなかこれがまた面白いんですよ。
そちらはどうですか?』
そういう類の話の場として選んだのが、この場であった。
だから誰かや何かを糾弾したいわけでも、
釣果の写真をどんどんあげて、
どうだ凄いだろって言いたいわけでもないから、
反省文は非公開で良い。
そうして書き溜めたログや手記も結構な量になっている。


根源的に、僕という釣り師はトーナメンターの気質である。
それは疑いようもなくて、仲間内で一緒に釣りに行けば、
最初の一匹と、釣れない時の一匹に対しての集中力や執念は、
我ながら並々ならぬものを常に持ち合わせているし、
『マジか』といわせることでニヤリと笑う、エロい釣り人である。

だけど、僕が釣りを通して、自分の釣りの記録を誰かに公開する事で、
やりたい事は、本当は競争意識とは、また大きくズレた処にあったはず。
それを思い出す良い機会だった。


バス釣りをメインの釣りにしている頃から、
道具も自身も極限ギリギリの一線で、
縁のあった魚と、可能な限り対等に渡り合いたいという観念の元に。

僕の手道具は、いつの頃からか常に細く鋭利なものになっていったし、
釣り方にしても、人がやらない事を常に意識して、過度に密度の濃いブッシュを好んでのカバー撃ちや、不確定要素の多い中層の釣りを好んで展開する事が多かった。(魚探ナシのシューティング釣法など)

ソルト主体に自身の釣りを展開し始めて以降、
その傾向はますます強くなり、今や、細い道具と、
ステルスな魚に対しての執着は、もはや手が付けられないほど。
自分でもそう自覚している。

港湾部でのソルトルアーの釣りの一番身近なシーバスにしたって、
バスタックルより強い道具の必要性を感じたことはないから、
シーバスを狙う釣行にも、一番強い竿でハートランドの610MLハマスペや
ウエダでいうところのスマッシャーになる。

当然、ここには弊害もあって、道具の細さは、
獲れない魚を増やす事にも繋がっている事に自覚もある。

だけど僕はそれで良いのだ。

多くの釣り人は釣ってナンボ、魚を手にしてナンボの世界だと思う。
これが釣りの本質であることも知っているし、
自身、気が向いて漁獲モードに入ってクーラー満タンになるまで帰らんとか、最高のクオリティーフィッシュをお土産にするまで帰らんとか。
そういう時もある。

ログに今まで時々綴ってきた、最近の釣り~云々の雑記での定期報告は、
だいたいそういう釣りの後の、反省文と事後処理で。
あとで読み返して、なんだかツマラナイ事を書いてしまったと、
反省の反省をすることも多々ある。

だけど、今、釣りに費やしている膨大な時間は、
そういう漁獲メインの姿勢とは実質無縁の釣行であることが多く、
先日行った、生月大バエなどでも、漁獲は二の次であり、
そこに居るかもしれない大きなマダイやヒラマサなどといった夢のある魚を、
人が想像出来ないような細い道具で、
自分と魚のタイミングがあった時、いつか捕獲したい。

これまで縁のあったトロフィーフィッシュは、
すべてそうして獲ってきたものであるし、
これからもそうありたいと願う。

そんな夢を持って、その場に臨むのである。


『とにかく掛けろ、掛けたら獲れ。』
兄弟子のプロアングラーが、中学生の頃の僕に授けた教えはコレだった。

だけど、今の僕は、
『とにかく掛けろ、掛けたら野となれ山となれ。』
このくらいでちょうど良い。

何が食うかわからない釣り方で、
想像を超える大きな相手に翻弄されて、身震いする。
獲れても獲れなくても、とりあえず大爆笑だ。

そのワクワクは無類の物であり、これは体感しないとわからない事。

細い道具を使うからには、当然、獲れる場所、
タイミングが通常の釣り方よりも、グッと狭くなるわけで、
獲れる獲れないの判断も食わせる場所とタイミング次第である。
堤防、テトラはまだ良いけど、磯なんてほんとにその幅が狭くて面白い。
『もはや運だよね』と、簡単に片付けることもできるが、
実際はそうじゃない。

どこまで自分の釣りと定めるか。

投げる、誘う、掛ける、寄せるといった行程も、
更に細かく見れば、食わせる間をどこに置くのか等、
無限大の楽しみ方が広がっているわけで、
追わせて掛ける瞬間もそのタイミングもコントロールしたい。
贅沢な話だけど。
「自分が『ココだ』と考えるタイミングで魚を掛けなければ、獲れない」
くらいで居るのが、僕には丁度良いのだ。

『過剰な細糸を使うと、根掛かりや魚の口にルアーを残す可能性も上がるでしょ?』
そんな事を思われる方も多かろうと思う。
しかし現実はそうじゃない。

全てタックルバランスで、一通り想定して、(僕の場合は竿基準)
ハードルアーのフックは、ほとんどの場合で細軸のものに替えているから、

使用しているラインの強度に対して、
それを超えない程度の強度のフックを使用している以上、
ルアーのボディ本体が岩の隙間に挟まる場合以外のロストは、
ほぼゼロになるように調整もしている。

これは10キロを超えるようなヒラマサを、想定外の場面で掛けた時にも有効で、
ライン強度の限界点直前のテンションでフックを伸ばしてフックアウトさせる技術も、いつの間にか身についていた。

もったいない事だと、言われることもよくある。
だけど、僕の釣りにはそのくらいが丁度良い。
魚が獲りたいより、最大限に楽しい釣りがしたいのだから。
そして、僕はトーナメンターでもないのだから。

僕は獲れる魚を獲りたい。
願わくば、すべてを自分のタイミングで。


最近、アジングブームで誰でもフィネスタックル、
〇〇専用と書かれた釣り具が釣具店には多く並ぶ。
こんな細い糸でシーバスのメータークラス?
出直してきなさい。とさえ言われかねない現実がある。

いやいや、掛けてみてよ。
獲れる状況はちゃんとあるし、
それでしか掛けれない場面もたくさんあるのよ。

〇〇に最適はあっても、〇〇専用はどんな釣りであっても、
そんなものは無い。ロッドもリールも、ラインもルアーも場所選びも。

そこを一つの角度からしか釣りをしない釣り人には、
少々見えにくい話である。


ある先輩玄人釣り師とお話させていただいた機会にも、
酒の入った席でその話になって、
ソルトルアーの世界はまだまだ発展途上、
ノビシロもまだまだ無限大。という事を考えさせられた。

僕の尺アジキラーはバス用のワームであるし、
トラウト用として売られているミノーやスプーンである。
狙って釣る時のチヌキラーはフットボールジグやCCプレデターであるし。
これはフラットフィッシュにもすごく強かったりする。
まだまだ色んなルアーでいろんな魚が釣りたい。
ビッグバドをメバルに使いたいし、ザラスプークなどは不動の4番。
スレッジはシーバスにとても効果的だし、他にもまだまだ。

メタルマルは、もう外せない最強の武器。
いつかマダイもヒラマサもちゃんと出会う日が来るだろう。

抑えきれない気持ちに焦がれながら、
ゆっくり待ち構えているとしよう。
その時、どんなスタイルの釣り人になっていたとしても、
後悔はないように全力で。

これからもまだ見ぬ釣法の探求を続けていたいし、
純粋なる釣り手として、僕はそんな釣り師でありたい。

2014年4月末日


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先日、嫁の人に、『君は何が釣りたいんだい?』と、訊かれた。

その時は少し悩んでいたから、得意のスルースキルを発動したが、
今の僕は多分こう答える。

『夢のある魚』と。

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