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古賀 亮介‐snif

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三種の神器(フィネスなワーム編)

新しいタックルに触れる度に、自分の頭の中で、
そのタックルと、新しいソレとを、何処かしら比較してしまう。
そんな思考回路が僕の中に存在している。

例えば、
ロッドならウエダとブリーデン
リールならTD-Zとイグニス
ラインならPEはよつあみ、フロロは東レ
ハリならガマとデコイって風に。

厳密に言えば、もっともっと細分化されて、
ルアーはもう、ジャンルごとにハードベイトも、トップのこういう場面なら、
ミノーなら、シャッドなら、スピナーベイトなら・・・なんて風にね。

『コレのココはアレのココに近いものがあるけど、ココが足りないよな、
もっとこうだったら、アレより使いたいものになるのに』という具合に。
自己基準が各項目ごとにたくさんあるのである。

もちろん、それは単に機能的に優れているだけでなく、
それ以上に経験というフィルターを通して、かなり補正された、
ちょっと偏った視点である事は、まず先に、申し上げておく。
僕個人の超個人的な、ひとつの記憶という基準。

今回はその中で、フィネスな場面に用いるワームについて綴る。


バスをメインに釣っていた頃から、
絶対にタックルボックスからなくならないワームってのが3つあった。
僕にとってのフィネス系ワームには3種の神器。
それは、ロボリーチ、ゲーリーのカットテール、そしてマイクロクローラーだ。

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パワホやゲーリーグラブ、ギドバグ、アライブシャッドなんかも、
そのレベルでの不動の地位をそれぞれに僕の中に確立しているワームだけど、
今回はフィネスに限定してのお話。





ロボリーチの記憶は春だった。
これもまた正確には覚えちゃいないけど、多分小学生の頃の記憶。
ダイワからチタンリップのクランクベイト、TDハイパークランクが発売された頃で、
フィールドで出会った名も知らぬおじさんが、
投げて巻くだけでボッコボコに釣る姿を目にした事があった。

当時としては本当に衝撃的な映像を見た僕と友人1名。
そのボッコボコ具合は今でも覚えていて、当時の僕らにはもはや事件だった。

そのおじさんに何度かフィールドで出会ううち、
『少年、今日も来てたのか』
って、何故か僕と友人に1個ずつくれて、
丁寧に解説までしてくれたルアーも、そのハイパークランクだった。

そしてその日、
投げて巻いてれば時々釣れるっていう経験をした友達がいて、
1投で根掛かりロストして泣きそうな僕が居て。

そんな話を学校でするもんだから、
当時の同じフィールドに通う仲間は、みんなコレを少ないお小遣で買って投げていた。
2個も買えば、その月のお小遣いは多分みんなゼロになるというのに。
みんなアホだなぁ。2個どころか全色揃えるやつまで居たりして。

で、貰ったルアーをすぐに失くして、また我流で色々やるんだけど、
3人で並んで釣って、一人だけ釣れない僕。
そんな少年を見かねてか、そのおじさんがタックルをスピニングに持ち替えて、
釣って見せてくれたのが、当時『ツネキチリグ』と呼ばれていたダウンショットの釣り。

その時フックにセットされていたワームが、ロボリーチ。

当時の僕はそんなもの見た事もなかったし、
コレが何を模しているのか、イメージしても答えが見つからない程だった。
しかし、とにかく釣れた。
投げてそこまで沈めて時々待つ。
するとそれは異常な釣れ方で、しかも簡単に釣れたのだ。

当時の流行語である『ツネキチリグ』ではなく、
何故か『ダウンショット』と教わったのも妙に何処か引っかかるし、
ほとんど毎日通っていた僕らに、
ほとんど毎回遭遇していたおじさんの職業が気になるところだが、
それはまた別のお話。

次の週、このリグを覚えた僕は、
隣で自慢げに、相変わらず貰ったハイパークランクばかりを
何とかの一つ覚えで投げ続ける友人に対して、
10対1くらいのペースで大差をつけ、僕は人生で初めての爆釣を体験した。
ワームはもちろんロボリーチだ。
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そのままダウンショットの釣りが、
当時そのフィールドに通っていたほとんどの少年たちの間で席巻する事になる。
右も左もみんなダウンショット。

やたら乱獲(リリースだけど)する少年釣師団が、このフィールドに誕生してしまうことになり、
狭い狭い野池のバスは、たちまち一気にスレて、
僕らもまたやっぱり釣れない少年釣り師団に戻っていった(笑)

それが食わせについて、フィネスについての僕の原体験。




カットテールの記憶も小学生時代。
その日の光景も一部始終覚えている。

普段行く近所の野池やダムより遠く、険しい道の先にあるその湖は、
非常に透明度が高く、釣れないけど、釣れたらデカイ事で地元で有名なダムだった。

それも真っ昼間の、少年釣り師が一番釣りをさぼる時間。
(泳いでいないのが不思議なくらい)

釣れねーし暑いしコーラ飲みたいし。
ダラダラとひとりでスピナベか何かを朝からずっと投げ続けていたのだと思う。

陽も高くなって、ダム一周2キロ程を釣り歩いた僕は、
そろそろ釣れない釣りに飽きてくる時間だった。

お昼ごはんに持って行ってた菓子パンを針に付け、
鯉でもいじめるかっていう、邪念を過ぎらせながら、パンを片手にふと水中に目を凝らすと、目の前に45センチほどのバスを見つけた。

何もない中層にプカッと1尾だけ。
向こうからも明らかに分かるはずだし、目も合った気がした。
お互いの存在を認めたのだから、普通逃げるとか無いのかね。
これまた餌ねーし暑いし、ダラダラと何をするでもなくただ、
ボーっとしていたようで、親近感すら湧いた。

当然こちらはそれを親近感湧いたはずなのに、釣ってやろうと、
自覚のない熱中症気味の頭で頑張るんだけど、
やっぱりこういう魚って簡単には食ってくれない。

暑さによる幻なんじゃないかってくらいやる気ないの。

ブラックバスという魚の可愛さに気付いたのはその辺からだったかな。

アレコレとっかえひっかえ、手当たり次第に目の前を通過させるけど、
反応を見せる事はなく、逃げるでもなく。そこから一歩も動かないバス。

そしてその日は釣れないまま、数時間が経ち、湖を後にした。

(結局、見えてるそのバスは反応してくれないので、横に居た鯉に手をだし、ハデにバシャバシャ暴れる魚を細糸で楽しみ、それをリリースした後に確認すると、当然バスはいなくなっていた。)

しかし、次の日も、やっぱり僕はそいつに出会う事になる。

20年ほど昔の当時、何を投げてもアクビひとつしない見えバスに、
小学校〇年生の僕が一晩考えて、無い知恵絞って行きついたリグは、
今でいうノーシンカーワッキーのリグだった。

ハチマキ部分にマスバリをセットし、真っ赤なカットテールを目の前でフリーフォールさせた。
(この釣り、後年、小島宏プロがテレビで実演して大ブレイクすることになる。)
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魚の居るポジションから、しっかり離した沖目に着水させ、
シェイキングリトリーブで引き波を立てながら水面を泳がせる。

見えてるそいつの直上から静かにテンションフリーのフォール。
いきなりヤツのスイッチが入った。
昨日、あんなにやっても釣れなかった魚が、一発で。
はじめての40アップだった。

特定の動きや速度でスイッチを入れて食わす釣りってのを、なんとなく理解して、意識するようになったのは、この記憶からである。


そしてマイクロクローラー。
このワームとの出会いは、前述の2つより4年ほど遅れる。
時間は過ぎて、いろんなバスフィッシングを経験しながら僕は中学生になっていた。
ある出会いからトーナメントプロを目指すようになり、
NBCのチャプター北山湖のトーナメントに出るようになっていた。

船舶免許を取るより前の事で、足漕ぎのボートでの参戦。
(年齢的にまだ船舶免許が取れなかったし、お小遣いでトーナメントに出るには足漕ぎのボートでも経済的にかなり無茶な話で、練習は手漕ぎだった。漕ぎ方が下手なもんだからたくさん豆を作っていた事を思い出す。何故か左手の掌にばかり。)

この日の試合は散々で、
唯一の武器にしていたカバー撃ちの釣りが天候の具合もあってか、とにかく不発だった。ゼロ申告を覚悟して帰着遅れにならないよう、会場前に船を進めていた。

帰着までに、あと残り1時間。

試合会場前に船団があり、選手の一人が移動したので、
何の根拠もないままそのポジションに入れ替わりで入り、
その中に交じってみる事にした。

水深や地形はなんとなく把握してはいるものの、なんとなくである。
ダウンショットを入れて、ボトムまで落としていくと、中層でもう食っていた。
これまた特に何の根拠もないまま投げていたワームが、
試合前に先輩から『効くから使ってみろ』って渡されて半信半疑で使ってみたマイクロクローラーだった。
今も一番多用する、ワカサギカラーだったと思う。

こんなにイージーなのかと、驚きながらも、
釣れる。釣れる。楽しくなって帰着時間も忘れるほどに。
立て続けに10分でリミットを揃え、ゼロ申告を免れるどころか、
結果、入賞してしっかりポイントを稼いでしまう。

得意のカバー撃ちも不発。
頼みの綱のロボリーチは、その試合前半にギルや子バスの猛攻で残弾ゼロ。

切羽詰まった状況で、我武者羅に、なんとか切り開く執念を。
そして、行き当たりばったりでもどうにかなる時がたまにあるって、
いい加減な事を、このワームが教えてくれた。

運が良かっただけで、トーナメンターとしては何も褒められた経験じゃないんですけどねw(という説教も当然、その時に先輩に頂いたものである)

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その後、ソルト転向後、対アジでこのワームは僕に何匹ものトロフィーをもたらしてくれることになるのだが、これもまた、別のお話。




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ただの昔話。(笑)

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