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古賀 亮介‐snif

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底生ベイトパターンを紐解く:壱

底生ベイトパターン


アジをメインにした僕の実際の釣りや、またはこのログで、この言葉がよく出てくる。
この釣り方について、毎回少しずつヒントになりそうなことは書いてたけど、
釣行記ついでの解説しかしてこなかったし、今季、その釣りを更に派生させたパターンが何処に行っても効いたので、これを機に一度自身の忘備録も兼ねてログに残す事にしようと思う。

特に写真や絵で丁寧な解説をするでもないので、
アジングのマニアックな世界にとっぷりハマってない方はスキップするのが良いです。

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さてさて、なんとなく行き着いたライトソルトの世界で、
たまたま、自分の育った海に豊富にアジが居たもんだから、
メインにこの釣りを続けることになって、
親父がデカいのデカイのって、大型の個体を持ち帰ると、
毎回『やるなぁ、お前』っていうもんだから、いつの間にか僕のアジングは、その場に居るターゲットで、出来るだけ最大の個体を拾える釣りを、日々模索し続けて、行き着いた釣り方が底生ベイトパターンの釣りだ。


僕が最初に釣った尺アジは、覚えたてのライトソルト、ナルの案内で行った大分県南。

当時ライトソルトかじりたてホヤホヤの僕に、あの胡麻ダレ大先生のガイド付き。
『アジングってね、こんな風にして釣るんだよ。』って、
ナルが見せてくれる1g程度のスタンダードフィネス、
それで出てくる22~25cmのレギュラーサイズ。

ポツポツ釣れる釣りを一通り真似して何匹か釣った後、

『じゃぁ、こんなのでこうやればこんなの出ないかな?』って、冗談交じりに、
今でこそ普通に用いるリグだけど、2gだか3gのJHで当時はカサゴ用として持っていたパルスワームなんてデカいワームを、投げてみた。
すると、いきなりそれにデップリ太った尺アジが何でも無いように、
さも自然に釣れてきたのが、僕の尺アジングのスタートだった。
断っておくと、これが底生ベイトパターンだったかどうかは、当時の僕にはわからない。
お腹の中を見ると、ドロドロしたものと、イカと11センチくらいのキビナゴが入っていたのは覚えているけども。

翌日、りんたこさんこと、岩崎さんのボートを借りてオフショアに出る時、
岩崎さんにその魚を見せると『うわっ、なにこれ、でけぇ!!』って言ってくれたあの時の声を、今も僕は覚えているのだから、多分、そこから僕の釣りは、デカいアジに固執するようになったんだろう。


それから釣行を重ね、一通りアジングのいろはを覚えた僕の釣りは、
普通のアジングで中アジをコンスタントに釣るようになった頃、小さな転機を見る。

ちょうどタイミング良く、呼子エリアはアジのアタリ年の後半で、
アジメバルのフカセを専門にやり込んでいる親父が、毎日尺アジを持ち帰ってきていた。

時折、その親父が釣る横で、僕も普通に釣ってみて半分くらいのペースで中アジを釣っていたのだけど、やはり負けてる感じは色濃くある。
どれだけリグを繊細に操ろうが、イイのがなかなか出ない。
『餌にはかなわないのか?』
打開策が上手く見つけられず、何とか、親父より良いのが釣れる手段はないものか。
そうして頭を抱える釣りがしばらく尾を引いた。


そんな迷走していたある冬の日、
初めて釣った大分のデカアジの事を思いだすキッカケがあり、
まんまその釣りをひとりの時間で試してみる事にした。

リグは今でも一軍、尺Dの3gに、ワームはカサゴ狙い用のパルスワーム。
釣り場は親父が毎日尺アジを2~3本釣ってくる場所だから、
時合いと攻め方だけの問題であるはずと信じた強行。

湾奥の修行場からすぐの、親父の尺アジポイントに入り、リグを沖目のボトムにステイ。
潮があまり効いていなくて、1投目、2投目とカサゴが釣れた。
そのまましばらく打ち続けるも、根掛かりが頻発するようになる。
手持ちの同ウエイトのジグヘッドが最後の1個になったところで、やっと潮が流れ始める。

『キーはコレか?』
ドキドキしながらリグを操作する。
もう、何か予感めいたものがあった。

数分後、その日それまで空っぽだったクーラーの中に、
36,32,29と良型三本のキアジと、数尾の中アジが納まる事になる。

朝マヅメの少し前、満潮から下げ5分までの間にそのピンで潮が一番流れる瞬間。
釣っていたその場所では2gのリグが、ボトムから少し浮きあがり、流され張らず緩めずのテンション送り込んで行っても根掛かりしない潮流がそこに発生している事。
そういった条件を割り出すまで、毎晩同じピンに通い詰めた。

それから僕のアジングは、自身が未体験の釣りをテーマに添えて、
次第にジカタのまづめポイント研究と、離島通いが増えるようになる。

呼子や唐津湾内、玄海外津、はたまた肥前町や鷹島。
あるいは馬渡小川、加唐に向島etc・・・

それらのマヅメの表層ベイトパターンをあらかた釣り歩いた後、中層の釣りで中型を探して数を揃えてみたり、大型の個体が真夜中と、真昼間にどんな釣り方で追い掛けていけるものなのかなどなど。

答えを見つけてなどいない、過程の今、説明できない不確定要素がまだまだあるにせよ、僕のフィールドで出た現状での回答ひとつをここに記すとすれば、大型のアジ程、マヅメ回遊のうちの何パーセントかはシャローに残り、安定した餌をその場で見つけさえすれば、そこに居ついてそれを偏食していく。という事。

それが、土地によって多毛類であったり、エビ系の甲殻類やフナムシであったりと色々するのだけど、それが、『底生ベイトパターン』に繋がる根拠のひとつのカタチであろう。

セグロなら、回遊から流れて居着いた魚、
その居着いてからの時間で常食するものに底生ベイトを選んだ個体。
キアジであれば、誰にでも手の届く場所シャローで育っているのに、その偏食性から、漁師の手にも釣り師の手にもかからず生き延びて大きくなった個体。
そういったものが、レギュラーサイズより大きな個体として釣れてくる。

不思議なのが、中アジ以下のレギュラーサイズがこの釣りではあまり釣れない事についてだ。
成長過程である程度育ったサイズがそのような偏食食性を迎えるのか、または幼魚でその食性を持ってしまうと、生き残れないのか。
この点については、今のところ僕の見解は後者になる。

僕が底生ベイトパターンで釣る場所の多くには、コウイカのエギボトムステイパターンが存在する。が、説明できない事も多く残り、分からない部分のほうがやはり多い。
だからこの釣りを続けるのだけど。



真冬のある晩、期待した釣果を得られず方々探し回って釣り歩いて、
行きついた先で、闇場に突然尺キアジの群に出くわしたことがあった。

そのピンは外海からすぐではあるものの、
港内のもっとも奥まったところにあった水深20m近いとこにあるハードボトム。
同日エリア全体で見れば、メインベイトはイカナゴや小イワシなど、小魚の類。しかしそれに即した釣り方では全くサイズが伸びず、ひたすらにセグロの中アジが釣れ続いた日だった。

このまま中アジでまとめて今日は終了かな・・・って思ってたところに、
見切りをつけるつもりで投入したのが、
0.8gのジグヘッドにガルプのマイクロクローラー4inをセットしたリグだった。

しっかりとボトムまで落として、少しでもサイズの良いものを・・・と狙っていたのだけど、中層の釣りと同じリズムでは、中アジが時折食ってくる以外の反応はなかった。
そこに煙草に火をつけるために十秒かそこら、図らずもリグをボトムステイさせる形になった所で事態が急転した。

止めたリグに、突然、尺を軽く超えるキアジのバイトである。
アタリは本当に微細なもので、コレを拾えたのも、たまたまの偶然だったのだけど、
同じように2投、3投と連続で釣れるようになる。

操作は非常に単純。
キャストして着底後、糸ふけを取るためにトゥウィッチを入れて、
テンションを掛けて再着底後、僅かな水流にリグを揺らしながら待つ。
これだけである。

すると、それまで中アジしか釣れなかったのが、まるで嘘のように、
水汲みバケツに平均35cm最大40くらいの大トロなキアジがどんどん剣山を成して、
30分に1回、水汲み満タンの時速40尾ペースに突入。
(体高も凄いので20尾も釣ればバケツがパンパンになる)


その夜のその釣れ方はまさにおわらないマヅメパターンのようだった。

パターンを見つけ出した午前0時頃から、飽きて止める3時半まで延々と続き、
途中群の位置が微妙に移動したりはするものの、ただひたすらに釣れた。

ただ、リグと操作に関してはものすごくセレクティブで、
違うウエイト、違うシルエットのワームを試しても中アジしか釣れなかったし、
余計なアクションを足すとそれもまた喰わない。

時折、何かの拍子に群のポジションが沖目に移動した際には、
小型鉄板のBeバイブでボトムをスローで攻めたら釣れる。
そして数匹釣るとまた、足元に魚が戻ってきて釣れ続く。
他のリグではどうやっても中アジしか釣れないのに、である。
そんなことがあった。

その日はたまたま天候も良くなくて、釣り場には僕一人だったのだけど、
後日、同じ場所で同じような釣りを展開した日には、
餌師の爺さんたちが隣にズラッと並んでいた事もあった。


黙々と釣りながら、その餌師の爺さんたちの釣りを横目で見ていると、その中に一人だけ尺越えを連発する方が居らして、お仲間の皆さんには中アジだけ。

『タナはどの辺ですか?』
皆、一様に竿2本半(ほぼ底べったり)という。
付け餌はバラバラで中アジばかり釣っておられた方は、オキアミだったりキビナゴだったり。

そこで、尺ばかりをひとり連発していた餌師のお爺さんに近寄って、
他の餌師に聞こえないよう小声でこう聞いてみた。
『オッチャンばっかりデカイの釣りよらすけど、餌、やっぱり青虫でしょ』
『ニーチャン、ようわかったねぇ。あんたも大概ふとかつばっかり釣りよったいね。タモで救う程のアジやらようけ釣りなさるけ、あんたもそうじゃろ?
毎年ね、この時期のデカかアジには青虫が一番よかっちゃんね。』

二人でニヤニヤしながら、ほぼ同じペースで朝まで尺キアジを堪能した。


僕がその釣りに辿り着いたのは、たまたまだったけど、
訊けばそのお爺さんは、30年も昔から、『1月中旬の尺アジは青虫』だそうだ。
どうやってそれに辿り着いたのか尋ねてみたけど、
『そげんこたぁ忘れた。昔はみんなコレよ』と。

もの凄い説得力と、そこに湧き上がるリスペクト(笑)


リスペクトと言えばこんな事もありました。

さらに後日、加来さんのブログの過去ログを読んでいたら、過去に底生ベイトパターンなる釣りの紹介をされていた記事や動画を見つけることが出来た。その時その動画で使われていたのが、なんとパルスワーム。
『アジ×パルスワーム』なんて事をやるのは自分くらいだと思っていたところに、その映像を見せられたもんだから、納得を通り越して衝撃だった。

そして調べてみれば他の方のブログなんかにも出てくる出てくる。
自分の経験だけで得た見識など、井の中の蛙だったことを知らされたにほぼ等しい感覚。

なかでも加来さんは、その釣りを動画にまで出されていて、キャストからアクション、フッキングとランディングまでの一部始終を公開されてもいた。

その当時読んだ記事はちょっと探しきれなかったんだけど、更にわかりやすい動画つき記事の凄いのがあったので、そちらをご紹介させていただきます。
http://blog.livedoor.jp/takumikeikoyuya/archives/53004409.html



やっぱ、あるんだなぁ・・・。と。

この釣りは、地形等、いくつかの条件を踏まえておけば、地域的な限定メソッドなどでなく、時代も地域性も越える普遍的なストロングパターンと呼べるものなのだと。そういった確信から、僕は昨シーズン自身のホームエリアでもその他でも、この釣りにかなり拘って追いかけてみることにしたのだった。





続く

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