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ガイドにフックを掛けてもリングは傷つかないか?

ガイドにルアーのフックを引っかけてランガン(移動を)しているアングラーさんをよく見かけます。

ちなみに私も、人とぶつかる事がないような広い場所でのちょっとした移動ではバットガイドのリングに『ちょん』と引っかけます。


でも硬いフックを当ててしまって、ガイドリングが傷つくことは無いんでしょうか?


ガイドリングの素材、現在もっとも多く採用されているSiCを中心に、『ガイドにフックを引っかける』という行動を検証してみましょう。



 





【ガイドの種類】


対象魚種や釣り方は変われどリールを使うロッドには、大抵ガイドが付いていて、ガイドの輪の中にはガイドリングと呼ばれる黒い輪っかが付いています。


ガイドリングと呼ばれる部分には、ハードリング、トルザイト、そしてゴールドサーメットなど様々な種類がありますが、現在では『SiC (エス・アイ・シー)』と呼ばれる材質が多く使われています。

比較的安価なエントリーモデルでもトップガイドだけSiCを採用しているのを多く見かけますね。





【SiCの性質とSiCリング】


ケイ素(Si)と炭素(C)の1:1の化合物で、人工ダイヤ製造の研究課程でに偶然発見された物質だそうで、化学式はSiCとなります。 


正式には炭化ケイ素(Silicon Carbide)と呼ばれ、半導体など多くの工業製品に利用されています。



 
引用元 wikipedia


そして、鉱物の硬さを計る基準の一つに『修正(新)モース硬度』というものがあります。

硬さと入ってもハンマーで叩いて割れないといった意味ではなく、基準となる測定用の器具で引っ掻いた時の傷付きにくさを現す尺度だそうです。


むしろ衝撃には弱く意外なほどあっさりと割れてしまいます。



この尺度によると最上位の硬さを誇るのは、地球上でもっとも硬いと言われているダイアモンド(修正モース硬度15)。

ついで炭化ホウ素(同硬度14)、その次に硬い物質が『炭化ケイ素(SiC)』(同硬度13)であると示されています。



ゆえに亜鉛などが主成分である釣り針を引っかける程度であれば、まず傷つくことは無いようです。



実験として、SiCガイドを100円ショップで購入した金工ヤスリでゴリゴリしてみましたが、まるで傷が付くような気配はなく、またその後の実釣でもなんら支障はありませんでした。




【ハードリングでも大丈夫?】


ハードリングもセラミックの一種から加工されているので、釣り針程度が相手ならば傷つくことは少ないと考えられます。

しかし、もともと不純物がまとわりつく事で削られてしまう可能性がある為に、素材としてSiCが採用されるようになった経緯があるので過信は禁物かも知れません。




【どうしてもリングに引っかけるのに抵抗がある】


ガイドリングにフックを引っかける事に抵抗があっても、リールのベールや、ガイドフットの金属部分に引っかけておくのは寧ろ御法度です。


フックの材質との間と硬度の差が小さい為、どうしても傷つき易く、錆やメッキの剥離など痛みが早く進行してしまいます。



リングに引っかけるのに抵抗があるアングラーには、市販のフックキーパーを利用する手段もありますね。




 

出展:富士工業
 




【フックに引っかけるのはあくまで仮の行為】


いかがでしたでしょうか?


ガイドリング部にフックを当てても、傷が付く可能性は低いという事が解りました。


もちろん、引っかけたフックがぶつけた際の衝撃を増長して破損させる場合もあるので、扱いは丁寧に行った方が良いかも知れません。

また、固定しているとはいえ鋭い針先を露出している事には変わりないので、周囲に人がいる環境で移動するときは億劫がらずにルアーを外したり、専用のカバーをして予期しない事故を防ぐように心がけましょう。


文 ナカヤマ
編 コウノス


 

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