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針金沢のイワナ

  • ジャンル:日記/一般

2015年9月末。
閉店間際の多摩川水系の針金沢(そんな沢無い)です。(クスクス)
超久しぶりの源流釣行でございます。
とはいっても日帰りなので、まぁそれなりの遡行距離ですが…。

上流に行けば行くほどヤマメよりイワナが多くなるんですが、このイワナってヤツがREDは好きでしてね。

まぁ世間一般のトラウトルアー界では圧倒的にヤマメの方に人気があるワケです。
ゲーム性も高いし、姿も美しいですからね。
REDがイワナのことが好きな理由はいくつかありますが、マヌケな表情が人間ぽいってトコと、釣る場所や河川によって体色や模様にいろいろなバリエーションがあること。

そして、アングラーの人影に気付いてなければ、釣り損ねても3~4回はチェイスしてくれる貪欲さですかね?

そしてヤマメなんかは釣ったあとはツーンってしたような凜とした美しさがあるんですが、あのイワナの野郎と言ったら、「やべぇ!やべぇ~~!!」みたなこと言いながらドジョウやナマズみたいなクネクネしてるじゃないですが。

アレ、可笑しくて笑っちゃうんですよね。

多摩川水系の源流部はまぁ、なかなかの景観がありつつ、意外と深い谷が多いんです。

谷が深いと当然エントリーがキツイので竿抜けも出ます。

また、多摩川水系のイワナは尺を超えるあたりから口が三つに割れてきて、ワタシの好きな風貌をしています。

フム、久しぶりに多摩川の尺イワナが釣りたいゾ♡
 

釣行の前日はキャスティング八王子店さんでイベント。

イベント後にエリマネの平古場さんとウッカリ話し込んでしまって(例の久米島の話ね)、現場に到着したのは深夜2:30。

仮眠して5時頃出ようかと思ったんですが、セネ様とあそこに行きたいだのここが怪しいだの、どこそこでデカいのが釣れるだの話が盛り上がりすでに3:30。

その頃になると、続々と渓流釣り目当てのアングラーが車でやってくる。

「しまったぁ!今日はシルバーウイークだ!!」

そりゃそうだ。5連休ともなりゃ、都内から近い多摩川水系はおあつらえ向きの釣り場。

一番乗りで駐車スペースに来たのに、寝過ごしたらマヌケである。

ここで大っぴらに準備を始めると、ここにいる全員が慌てて着替え始めるに違いない。

そこでセネ様と真っ暗な闇の中でウエダーにお着がえ。

ささくさと朝4時過ぎには林道歩きをスタート。

ゆるりとした登り勾配を歩くこと1時間。

後ろから来た渓流釣りのチャリのオジサンに抜かれる。

オジサン曰く「〇✖沢の出合の上流に入りま~す!」とのこと。

ムム、そこは一番釣り易い区間ではないか。

「どうする?ここから始める??」

 

「いやいや、あのオジサンよりさらに上流でしょう!!」


とのセネ様の一言で林道が尽きる終点までアフォみたいに歩くことが決定・・・。

疲れた。
もうグダグダじゃねぇか。

車止めから林道終点まで、ひたすら歩くこと一時間半。
ようやく林道が切れた地点から入渓し河を遡行し始める。


 

けれど、反応は鈍い。連休で叩かれまくっているのかもしれない。

ならばさらに遡行だ。

1時間ほどしでようやく20㎝ほどのチビイワナが顔を見せ始める。シメシメ。

さらに1時間ほど遡行すると目に見えてサイズがアップしてくる。こうなると尺アップのイワナが釣りたくなる。

そして異変に気付く…。

釣ったイワナの口元を見ると、ピローンと長い茶色いソーメンのようなものが垂れ下がっている。

「?」

手で触ろうとしかけて、イヤな予感がした。

ソイツは予想通りよくみるとウニウニ蠢いている。

悲鳴を上げそうになるのをこらえてよく観察すると、どうもハリガネムシのようだ。

昆虫に詳しい方なら知ってるだろう。カマキリムシによく寄生している長ッ細いヤツだ。

カマキリを水に浸すとお尻からこのハリガネムシがピロロ~ンて出てくるのだ。

ハリガネムシが恐ろしいのは、宿主のカマキリに用が無くなると、カマキリの脳にある物質を出して、水辺に誘導し水に飛び込ませるという。

まるでやってることがエイリアンそのもの。
洗脳して水辺で自殺行為をさせるなぞあまり関わりたくない生物である。

水に飛び込ませた後は水中へとニョロニョロ這い出して産卵活動をするのだという。

セネガル大澤曰く、この沢のイワナはよくハリガネムシが寄生しているのだという。

釣れるイワナに注視してみるとほぼ100%の確率で口からピロロ~ンとハリガネムシが出ている。

実にグロイ…。
人間様に寄生しないのはわかってはいるが、生理的に受け付けないとはこのことだ。
かわいそうな高級ペンチ‘クニペックス’は、ハリガネムシ外しに活躍する羽目となった。

沢をさらに遡行し続けると、ついに大岩のわずかな隙間から出て来た尺上のナイスイワナをゲット。

口元を見ると5~6本もダラリと口からハリガネムシを垂らす始末。

 

チュミミミ~~~ン


ふと、ディオ・ブランドー様がエンヤ婆に肉の芽を埋め込んでいたシーンを思い出した。

いつかこいつらもエンヤ婆のように食い破られてしまうのだろうか?

その後さらに遡行続けると水量が細くなるがまだイワナの影が走る。

しかし、ややこしい倒木の隙間を撃っていると根掛かりしてしまった。

あ~あめんどくせなぁ…と思いつつロッドを煽るとニュルンっと外れた。

ルアーにはなにかがぶら下がっている…そう、なにやら蠢く塊である。

よ~く見ると…ハリガネムシがグチャグチャに塊になってウネウネ動いているのである。

 

「うへぇ~〇✖△□♨~~~~!!!!」


またもや高級ペンチクニペックスを使って塊を外す。

気持ち悪い…少し休憩しようと水辺に座って涼む…。

しかし足元の水溜まりをよく見ると無数のハリガネムシがウジュウジュ蠢いているではないか!!!

 

「ぴぎゃぁぁぁあああ~~~~!!!!」


慌ててセネガルを追っ掛けると、ヤツは滝壺の下で釣りをしている。

「ん~~反応悪いなぁ~~…ちょっとキツイけど、高巻きします??」
 

「いやいやそんなことより、肉の芽が…いや、ハリガネムシがぁぁぁあああ~~~!!ここにも!!!ああっ、ここにもいるぅぅぅううう~~~!!!」


っというREDの言葉を無視して、セネガルは滝の横にある急角度のザレ場を登り始めた。

 

うっわぁ~この人、何考えてんだろ??

下を見ればハリガネムシ、上をみりゃ釣りバカサイボーグ。
こうして今日も日がとっぷり暮れるまで山中を引き吊り回されるREDなのです。

 
渓流はまた来年だわな。

後に調べたところによると、なんも役にも立たなそうなハリガネムシ君。
カマキリやバッタ、カマドウマなぞに寄生した後、水中に飛び込ませて産卵する。
イワナは水中にいる川虫より、落ちて来るバッタやカマドウマを優先して捕食するという。
ハリガネムシが多い場所は落下する陸生昆虫が多いワケで、その分川虫類が食い荒らされないらしい。
つまりは川虫の多い生態系が保全されるらしい・・・。
マジか!?

ハリガネムシも生態系の一部として機能しているのね。
 

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