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▼ 原発の里から(改訂あり)
- ジャンル:日記/一般
- (北陸フィッシングショー, 東日本大震災関連)
福島原発から25km地点にある南相馬。原発から20km以上30kmまでの間は屋内避難から「自主的避難」という、なんとも微妙な指示が行われ、住民の皆さんは大変困惑しています。
4月4日時点で、持参したガイガーカウンターで計測した南相馬、原町商工会議所付近の屋外の放射線量は1.2〜1.4マイクロシーベルト毎時。
我々が通常浴びているとされている0.27マイクロシーベルト毎時の数倍と、長期的に見てもそれほど大きな数字でないことが分かります。(ただ本来、こういうことは我々が言うべき問題ではなく、然るべき機関がしっかりと測定し、公開をしていかなければならない問題です)
これらの写真は、原町YEGのメンバーにご案内を頂いた海岸付近の画像ですが、流された瓦礫が当時のままになっていて、この下にはまだ数百人の方が下敷きになっていると聞きました。
半径30km圏内の津波が押し寄せた現場には、警察も自衛隊もレスキュー隊も、救助の手が入っていません。
破壊された見渡す限りの荒野には、まだ見つかっていない自分の家族を捜す人、流された物品を探す人もいらっしゃいます。
救援物資を搬送した我々5人も、この場に立った瞬間に唖然としてしまい、言葉も出ませんでした。
自然と涙がこぼれてきました。
福島は、東電や国はおろか、日本国民にまで見殺しにされている。
福島原発が建設される時に、万が一の事故に備え想定された避難区域として引かれた線が、こんな形で住民の皆さんを苦しめている。
福島原発から20kmのラインも、30kmのラインも、放射線量とは全く関係ない、ただの避難する区域の線。
これをマスコミも、我々も、放射線の量と混同してしまっている。
これが、自分が福島、南相馬の現場に行って、あらためて実感したことです。
原町YEGのメンバーさんにも聞きましたが、運送会社さんなど業者さんに至っては、実際の放射線量には関心がなく「30km区域=危険」という判断で南相馬への侵入を拒んでいるところも多いらしく、今でも皆さんの生活を圧迫しているのです。
これだけ大きな災害ですから、人の手が足りないのも分かりますが、一日も早く30km圏内の自主避難、屋内退避を解除しない限り、もしくは国が補償して強制退去としない限り、南相馬の人々は一切前に進んでいけないのです。
このブログを読まれている方には、この事実を知って頂きたいし、一日も早く前向きな決定が下されるために、この事実を伝えて欲しいと思います。
救援物資を原町商工会議所にお渡しした後、会議所の2階ホールで原町YEGの荒会長からお話を伺う事ができました。
その中で、原発に関する苦言は一切出てきませんでした。
福島原発の周辺に住んでいる人々は、原子力発電所の必要性、安全性を信じて、ここまでこられた。
「これまでマイクロシーベルトという言葉も知らずに、ここに住んでいた事が問題だったかもしれない。もっと原子力発電、放射能の危険性などについて、今後は自分達で勉強し知る必要がある」
原発を批判するどころか、ご自分を責めることまで・・・
一番、印象的だった荒会長の言葉
「地震も、津波も、原発も、ここに住む以上は、その問題と向き合い、共存共栄していくしかないんです」
万人が必要とする電力、CO2の排出を抑制するクリーンエネルギー、その偉大で危険な原子力発電のために、福島他、世界各地の原発周辺住民は原発を容認し、原発と共に生きている。
これは周辺住民だけの問題でしょうか?
電気を便利に使い、快適な生活を送っている我々には無関係でしょうか?
南相馬を訪れたとき、屋内退避している人は高齢者が中心だと思っていました。
しかし、若い人々も、子供も、そこには住んでいる。
最初は「なぜ避難しない?」と不思議で仕方ありませんでした。
しかし、荒会長の言葉を聞いたとき、その理由が分かりました。
それは、原発の町に住む人々の「覚悟」だったのです。
過疎化の進む町に、原発は作られます。
そこから生まれるエネルギーとともに、電力会社は大きな利益を得る。
そして、周辺住民には補償、雇用といった恩恵を与える。
原発と共に歩んできた周辺の方々。
今、その皆さんが本当に困っている。
今までお世話になってきた、原発を支えてきた人に、東電も国も、電力を供給されている関東の人々も、誰からも手が差し伸べられていない。
地震から3週間以上経過した4月4日時点で、警察も、自衛隊も、レスキュー隊も、南相馬の津波被害地には入っていない。
多くの人が今でも瓦礫の下敷きになっている。
原町YEGの皆さんには、被災をする大変な中ではありますが、この現状を知ってもらうためにも、少しでも情報を発信してくださいとお願いしました。
一人でも多くの方に、この事実を知ってほしいと思いブログに書かせて頂きました。
一日も早く、20kmから30km圏内の自主避難、屋内避難勧告の解除、または国が補償した上での強制退去が実現されることを願いうばかりです。
- 2011年4月7日
- コメント(5)
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