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【生態的地位】 釣り人だから分かる優勢種


どうも!
今回の生物ネタは【生態的地位(ニッチ)】についてです。

この単語は高校生物の教科書にも大きく載っていて、生物受験の方なら覚えている人もいるのではないでしょうか?

という訳で今回はこれについて、掘り下げていきます。




生態的地位


・生態的地位とは?
・動物であれば、餌や住処など、また、植物であれば、太陽光や土など、生物が自然の生態系内で生きていくために不可欠なものがある。生物種が生態系内でこれらを巡る種間の争奪競争に勝つか、耐え抜いて、得た地位が生態的地位である。
・生態的地位はニッチとも呼ばれる。

教科書にはこんな感じで書いてありますね。


うーーーん。よく分かんない!笑


まぁいきなり言われてもよく分かんないだろうと思います。

簡単にいえば、ニッチとは生き物が生態系の中で生きている地位や役割のこと。
(以後、生態的地位といちいち書くのはめんどくさいので、呼び方はニッチで統一します。)


例えば、シマウマやヤギなどの草食動物は生きていくのに草を食べる必要があるので草原で暮らしています。
なので、草原で草を食べると動物いうニッチを埋めています。


ライオンなどの肉食動物なら、草食動物がいて、狩ができる広い場所が必要なので、広い草原で草食動物を捕まえて食べる動物というニッチを埋めています。


まぁまだ殆どの方がピンときてないでしょう。笑
それでも大丈夫なので次にいきます!


釣り人だから分かるニッチ





ここからは釣り人に分かりやすい例でいきます。


浅くて流れがなく、浮草があるような場所で、カエルや小魚を食べるというニッチを埋める魚は?
そう。雷魚ですね。


テトラポットの中で、カニやエビなどを食べるというニッチを埋める魚は?
関東では、深いテトラならカサゴ。穴が浅いテトラならムラソイですかね。



このように魚も、それぞれの魚種がそれぞれのニッチを埋めているのです。



皆さんもどういった場所で、どんなルアーを投げるとあの魚が釣れる!というのを想像見て下さい。


その環境の地位こそがその魚が埋めるニッチなのです。


ニッチは決して空席にならない




ニッチの面白いところは、人間の開発や外来生物の侵入などがない健全な環境においてニッチは決して空席にならないということです。





地域が違っていても、同じようなニッチには、同じような特徴をもつ生物が必ずそのニッチを埋めています。


例えば、大きなニッチで言えば、草食動物を捕食する大型肉食動物というニッチは、アフリカ大陸ではライオンが、アメリカ大陸ではピューマが埋めています。
どちらの種も大きな爪と牙をもっていますね。

逆に小さなニッチでいえば、アリが多い場所でアリを捕食するというニッチは、南米ではアルマジロが、アメリカではアリクイが埋めています。
どちらの生物も、アリを絡めとる長く粘着質の下を持っています。


このように、別の地域であっても、同じようなニッチは同じような特徴や食性をもつ生物が埋めていて、空席になる事はないのです。




その事を強く感じたのは、石垣島でオオクチユゴイを探していたときの事。



オオクチユゴイは、流れが早い渓流域で、落ちてくる虫や小魚を捕食して生活しています。



そしてそんな環境を探してこの魚を探し回っている時にこの魚って渓流魚みたいだな〜と思い、そして気付きました。



これってヤマメやイワナが埋めているニッチをこの島ではオオクチユゴイが埋めているってことなんだ!!



ということに。
石垣島などの南西諸島には、渓流魚は生息していません。
しかし、前述のとおり、ニッチは決して空席になりません。
なので、本土ではヤマメやイワナなどの渓流魚が埋めている、流れがある渓流域で虫や小魚を捕食するというニッチは、この地域ではオオクチユゴイが埋めているんですね。



どうでしょうか。
このように、初めて訪れる地域で、このニッチは、どの魚が埋めているんだろう?
ということを考えながら釣りをするとより釣りが面白くなると思いませんか?

またその魚のニッチを考えて、ポイントや釣り方を探すことはより深く自然を観察することに繋がりますし、ひいては釣りが上手くなることにも繋がりますね(^^)






ニッチを微妙に分けることで争いを避ける




ニッチが被る生物同士は常にそのニッチを奪いあっています。
この争いは、どちらかの種が絶滅するか、争いを避けるために別のニッチを獲得するまで続きます。


現在、そのニッチで優勢な生物も、もともとは別の種から奪い取ったニッチなのです。


ただどこまでも争っていても無駄に絶滅種が増えるので、生物はニッチを微妙に分けることで共存を図る場合が多々あります。


例えば、ヒラメとマゴチ。
どちらも砂地で小魚などを捕食します。
一見するとニッチが被っているように見えますが、実は両者は捕食方法によってニッチの争いを避けています。


フラットフィッシュを釣るアングラーならご存知の通り、ヒラメは左右に体が曲がらないので、上方向へ飛び出す、待ち伏せ型の捕食を得意とし、自分より上を泳ぐ魚を捕食します。
一方マゴチは上下には体が曲がらないので、前方向に追いかけるのが得意で、逃げる魚を追いかけて捕食します。

このようにして、捕食方法の違いによって同じ餌を奪い合うことを避け、ニッチを分けることで競争をすることを回避しているのです。



こう考えると、同じ場所に住むのに、何故キジハタはボトムでよく釣れて、オオモンハタは中層でも釣れるのか?

これも同じニッチを巡る争いを避ける仕組みを考えれば、一発で解決ですよね♪


また捕食方法や捕食するものが同じ場合は、住む場所で争いを避ける例もあります。

例えば同じ餌を食べるヤマメとイワナ。
でもヤマメは下流域で釣れて、イワナは上流域で釣れますよね。


これは住む場所を分ける事によって、同じものを捕食する魚種同士が同じニッチを巡る争いをすることを避けているのです。



こういったニッチを分けて争いを避ける魚種の例は、他にも沢山あります。



そしてそれを誰よりも知っているのは、魚学者ではなく、我々釣り人でしょう!




環境によってニッチの優勢種は変わる




ニッチは常にどんな環境でも同じ種類の生物が埋めているわけではありません。

周囲の環境と、その生物のもつ特徴によって、同じニッチでも別の種が埋めることもあります。


それを感じたのは、以前、青森県の太平洋側の港で釣りをした時のこと。


その時、僕は常夜灯の当たる水面直下に小さなワームを投げていました。


ここまで読んだら皆さん何となく分かると思いますが、港の常夜灯の当たる水面で小魚や浮遊生物を捕食するニッチを埋める魚といえば?
そうメバルですよね。


僕も当然メバルが釣れると思っていましたが、その時入れ食いだった魚はまさかのクロソイだったのです。


この地域にメバルは生息していますし、もう少し北の八戸まで行けば普通にメバルは釣れます。
しかし、地元アングラーに聞いても、この辺はあまりメバルは釣れないとのこと。


つまり、この地域においては、このニッチを勝ち取っていたのはメバルではなく、クロソイだったのです!!


これには僕も驚きました。
愛媛に住んでいた頃はよく釣れたクロソイ。
愛媛では当然、このニッチを埋めるのはメバルで、クロソイは汽水域や漁港のボトムで釣れる魚のイメージ。
それがここでは、表層で、しかもメバルを押しのけて釣れる訳です。


どんな要因でこうなったのかは分かりません。
ただ、この地域の環境を考え、またクロソイがもつ体の特徴を良く観察して、その理由を想像、推理するのがたまらなく楽しいてす。



こういった楽しみ方ができるのも生物学的な知識があってこそ。



また何度も言っていますが、


この理由を解明できるのは学者ではなく、常に魚と向き合い自然を観察している私たち、釣り人なのです!!



如何だったでしょうか。
本当はもっと軽い記事を書くつもりが、ニッチについて語りたいことか多すぎて、ついつい長文になってしまいました。笑
(ってかまだニッチについてだけで3記事くらいかけるぞ……笑)


ただ、それほどにニッチについて考えることことは生物学の基本であり面白いところなんです!



ではでは〜
次回は何について書こうかな〜

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